「通所リハビリテーション」の改正内容について


今回は、12月18日に公開された、平成30年度介護報酬改定に関する審議報告についてから、「通所リハビリテーション」の改正内容について話をしたいと思います。

通所リハは、全国に7000店ほどあります。

 

資料はこちら

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188370.html

 

この資料は、半年ほどの、個々の介護サービスに関する議論がまとめられ、来年度の改正の内容がわかりやすく、記載されています。

 

ページ数は、106ページありますが、最初の方は、今回予定される改正内容が詳しく載っていて、40ページ以降は各介護サービスに、どのような改正内容が適用されるか?が書いてあります。そのため、確認する枚数は、それ程でもありません。

 

ページ61から、通所リハビリテーションの内容が載っています。

今回の改正では、通所リハに対しては、かなり期待が込められています。

 

改正されるポイントは、以下の12項目

①医師の指示の明確化等

②リハビリテーション会議への参加方法の見直し等

③リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価

④介護予防通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算の創設

⑤社会参加支援加算の要件の明確化等

⑥介護予防通所リハビリテーションにおける、生活行為向上リハビリテーション実施加算の創設

⑦栄養改善の取組の推進医師の指示の内容を明確化して、評価するとともに、明確化する

⑧3時間以上のサービス提供に係る基本報酬等の見直し等

⑨短時間リハビリテーション実施時の面積要件等の緩和

⑩医療と介護におけるリハビリテーション計画の様式の見直し等

⑪介護医療院が提供する通所リハビリテーション

⑫介護職員処遇改善加算の見直し

 

今回の改正では、通所リハビリにハブ機能をもたせて(ハブ空港とかのハブです)、退院・退所後の利用者を、通所リハでまず受け入れて、しっかりとリハビリサービスを提供し、その後、利用者の希望する生活が出来るように促して、通所リハを卒業させる(通過させる)ような流れを考えているようです。
移行先としては、デイサービス、重度であれば、小規模多機能型居宅介護施設などのサービスになります。

 

今回の医療保険の改正でも、医療サービスと介護サービスの棲み分けとして、急性期(発症して3ヶ月まで)・回復期(発症して1年まで)・維持期(発症して1年以上)のリハビリサービスを明確に分けていきたいようです。特に維持期は、介護保険が使える利用者は、介護保険のサービスで対応していくような流れになっています。

 

また、病院・クリニックが、通所リハを開設しやすくする提案などもされています。

医療保険と介護保険のリハビリテーションを同一のスペースにおいて行う場合、面積・人員・器具の共用に関する要件を緩和する(上記⑨)、

医療と介護の書類の見直して、互換性を求めたり、医療の書類を根拠として(通所リハの医師が診療し、差し支えないと判断すれば)、介護サービスを開始することが出来る(3ヶ月以内にリハビリテーション会議が必要)といった、かなり野心的な改善提案になっています(⑩)。

 

今回の改正の特徴でもありますが、医療介護の従事者が足りなくなることは明白なので、今までは、医療と介護の書式にこだわっていたが、とにかく互換出来るとことは互換する、書類や面接・記録の無駄を省く、1日でも早くサービスを開始して効果を上げるなどの、スピード重視や手間暇を掛けないといった提案が多くなっています。

今後は、人員不足を、AIでカバー出来るとことは任せるのだ!という感じもあります。

 

このあたりが、上手く定着出来るように、中継ぎ機能を通所リハに求めていて、それを実際にやってくれれば、加算で評価し、報酬を増額しますよ!と言っています。

 

 

特に今回は、リハビリ専門職(理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST))をより配置して、様々なタイプのリハビリを行うことで、ニーズに対応出来るようしていきたいようです。

この辺りは、29年6月の資料で、リハビリ専門職が配置され、サービスを提供すると、利用者の維持改善に効果があるとされました。このリハビリ専門職をより配置させると、更に評価するという内容になるようです(⑧)。

 

通所リハは、リハビリを上手く提供していく為に「リハビリテーションマネジメント加算」を算定していますが、この加算に関して、医師の詳細の指示が必要になるようです(①)。医者にもっと、関わって欲しいと言っています。

 

また、この加算を取ると、定期的にリハビリテーション会議を行う必要がありますが、医師がなかなか会議に参加出来ないので、テレビ電話等を活用して、会議に参加もありになります。

医師の代わりに、医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビリテーション計画等について医師の代わりに説明できるようになります。

会議の開催頻度についても、毎月から3月に1回で良いとされるケースも始まるようです(②)。

 

なお、リハビリテーションの計画書のデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業で活用しているシステム(VISIT)を用いて提出し、フィードバックを受けると、加算がもらえるようになります(④)。この辺りは、計画の有効活用になります。

 

4月からは、介護予防通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算(④)と、

生活行為向上リハビリテーション実施加算(⑥)が創設されます。

とはいえ、要支援者で、実際に通所リハのサービスをどれくらいの人が受けられるのか?については、未知数ですが・・(ほとんどの方が、総合事業の通所介護(デイサービス)を利用することになると思うので)。

4月以降、この加算の情報提供を、通所リハの事業所さんが、ケアマネさんや利用者に、アピールする必要がありそうです。

 

特に、アウトカムの加算として有名な「社会参加支援加算」も、新しい移行先が追加されます。こちらはハブ機能の移行先(要するに、通所リハに留まらせずに、デイサービスなどに移行させていく)に対する評価になります。成果に対する評価ですから、今後この手のアウトカム加算は、他サービスでも増えていくと思います(⑤)。その先駆けですね。

今回の目玉である、栄養改善に関する改正については、他のサービスでも、様々な取組が行なわれますが、通所リハでも行われます(⑦)。外部の管理栄養士の実施でも算定を認めることが出来るようになります。

 

新しく創設される「介護医療院」(旧 介護療養型医療施設)でも、通所リハビリテーション提供されます(⑪)。

 

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、廃止になります。その際、一定の経過措置期間が設けられると思います(⑫)。

 

また、今回の改正とは別ですが、2019年10月実施、介護職員に8万円の賃上げという話が出てきました。なかなか衝撃的な数字です。消費税がUPしたタイミングで実施されるようですね。現在の処遇改善加算を活用しながらの話になると思われます。

 

「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告について」の通所リハビリテーションの論点をご紹介しました。

 

これに沿って2月に、報酬案が公開されます。

+改定になるようですが、どのような形になるのでしょうか?

 

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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。