献灯とは?献灯の宗教的な意味や、ろうそくの歴史からご説明します。

兵藤 大介【記事監修】
小林憲行

記事監修兵藤 大介

献灯(けんとう)とは、葬儀の際など、祭壇の上に置かれたろうそくのことです。ろうそくをともす風習はお盆やお彼岸といった私たちの先祖をご供養する行事にとけこんでいます。しかし、なぜ葬儀や法事では火を灯しながら儀式を行うのでしょうか。受け継がれてきた文化を追うことで、私たちと先祖のつながりを見ることができます。この記事では、信仰と火の関係、歴史的側面について追いながら、献灯についてご説明していきます。

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献灯と葬儀式

献灯とは、神社や寺院に灯明を奉納すること、または灯明そのもののことを指す言葉です。

葬儀の際には、ろうそくに火を灯して故人を供養しますが、火は古来より、さまざまな宗教で信仰の対象となりました。

神道で最初に生まれた神とされるイザナギ、イザナミの子はカクヅチと言います。カクヅチは火の神であり、そこから多くの神々が生まれたとされています。

浄土系の仏教では、ろうそくは極楽浄土に向かう死者の道標であるという教えもあります。

また、火には不浄を焼きはらう力があるとされていました。神道においても、清浄な火を忌火と呼び重要視しています。

葬儀での献灯の風習の由来には、火を神聖なものとしてきた信仰心があるかもしれません。無宗教の方の葬儀では、ろうそくに火を灯す献灯の儀式が、焼香や献花に代わって行われることもあります。

仏教における献灯の意味

仏式の葬儀式の一般的な流れとしては、導師が入場し祭壇のろうそくに献灯するところからはじまります。また、仏教では家庭でも、毎日仏壇のろうそくに火を灯し、線香をあげてお経や念仏を唱えます。

仏教には「光明とは智慧のかたちなり」という教えがあります。光は心の闇を照らし仏様の知恵と慈悲を讃えるといった意味です。電気のない時代から、明かりは寺院や儀式で用いられてきました。火の明かりが邪気を払うという思想は、はるか昔から受け継がれてきたのです。

また、初期仏典には、ブッダのため火を灯すことはとても徳の高い行為であると記述されているそうです。仏典には、「裕福だが不信心な人のろうそくはあっという間に消えるのに対し、ブッダにろうそくを捧げた貧しく清い老女のろうそくは消えなかった」という物語も残されています。

世界の献灯の歴史

ろうそくの火は人に安らぎを与えるとされるf/1ゆらぎという揺れを持っています。f/1ゆらぎは、人の心拍数や、木漏れ日などにもあると言われています。

紀元前1500年から2000年ごろのギリシアには、クレタ文明と呼ばれる文明がありました。当時、クレタは交易の土地としてさまざまな文化の人が行き交う地でした。このクレタ島で、当時のものと推定されるろうそく台が発見されています。

古代エジプトでも、ミイラづくりに蜜蝋が使われたといわれています。有名なツタンカーメン王の墓地でも、ろうそく台が発見されています。

時代が移り変わり、ソクラテスなど哲学者が活躍したギリシアのアテネ文明ではろうそくはかなり浸透していたようです。哲学者たちは、ろうそくの火のもとで議論に没頭していたことでしょう。ギリシア文明は戦争が絶えない時代でした。しかし、ろうそくの灯りは、さまざまな思想や哲学の人々を結びつけ平和を希求させる役割を担っていたのです。

日本でのろうそくの歴史

ろうそくが日本にはじめて伝来したのは、6世紀の後半のこと。仏教とともにやってきました。当時のろうそくは蜂の巣から作る蜜蝋で、大変貴重でした。そのため、貴族などが特別な行事のときだけ使用するなど極めて限定的な普及でした。その後、遣唐使の廃止に伴って中国からの蜜蝋の輸入は途切れ、次第に日本で作られる、和ろうそくの発展へと向かうのです。

鎌倉時代には、ウルシ蝋が中国から伝来します。ウルシ蝋は武士に普及し、室町時代には越後、会津でも製造されるようになります。とはいえ、まだ高価だったろうそくは庶民に手が出しにくく、一般には菜種油やごま油で代用した行灯が普及していました。

鎌倉時代は、禅宗や日蓮宗など仏教の新宗派が誕生し多くの仏像の名品が作られた時代でもあります。

当時の仏師たちは、照明の当たり具合を計算しながら仏像を作りました。仏像は、拝観する人の目線と、本来灯明が当たる場所を意識しながら彫られています。仏師たちは、光がいかに人々の信仰心を喚起するかを知っていたと言えます。

安土桃山になると、ハゼ油でつくられたろうそくが生まれ、ようやくさまざまな身分にろうそくが広がりだしました。

江戸時代には、琉球からハゼが大量に伝搬し、ろうそくが高価とはいえ庶民にも普及します。また、江戸時代には地域の寺院の檀家となる義務が課せられました。仏壇やろうそくなど、現代に通じる仏具が普及しはじめた時代でもあります。

献灯と供養について

ろうそくの灯り、火には、照明としての明かりという意味だけでなく、歴史を生きた先祖と現代を生きる私たちを結ぶ役割もあると考えられています。

お盆やお彼岸に迎え火を焚くのは、先祖の霊が迷わず現世に帰ってこられるように場所を教えるためとされています。また、墓参りのろうそくには不浄をはらうだけでなく、お参りに来た方々の顔を照らし先祖に見せる意味があると言われています。

ろうそくの保管方法について

ろうそくは湿度や高温に弱いので、冷暗な場所に保管することが大切です。直射日光にさらすと溶解するため、使い終わったら引き出しなど温度変化が少ない場所に保管しましょう。また急激な温度差を与えるとヒビが入ることもあります。湿気の少ない冷暗な場所だからといって、冷蔵庫に保管するのは避けた方がいいかもしれません。

まとめ

今回は葬儀における灯明について、その意義や歴史などを解説してきました。ろうそくは、昔から人々の心を癒してきました。そして、先祖と私たちの架け橋になってくれる存在といえます。葬儀に関して、お見積もりがほしいという方や、ご不安な気持ちや葬儀の疑問をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

兵藤 大介【記事監修】
兵藤 大介

記事監修兵藤 大介

大学卒業後、広告業界で20年にわたりキャリアを築く。スタートアップの広告代理店立ち上げに参画し、代表取締役を務めた経験も持つ。 2020年、これまでの経験と異なる領域へ挑戦する「キャリアの逆張り」として株式会社鎌倉新書に入社。相続関連の新規事業立ち上げを1年間担当した後、2年間葬祭事業部に従事。その後、事業横断型の営業推進組織の責任者として、広告商品の新規開発や終活領域のデジタル広告運用支援を2年間リードした。 2024年より現職。事業部長として2回目の就任。社内のデータ分析と全国の葬儀社との対話から得られるリアルな現場の声を掛け合わせ、業界が抱える課題の解決に挑んでいる。 主なメディア出演やコメント掲載として、フジテレビ「めざまし8」、テレビ東京「LIFE IS MONEY~世の中お金で見てみよう~」、日本経済新聞がある。

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