お母さん ありがとう

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今は亡き母へ

私が四歳の時、自転車で郵便配達していたお父さんが亡くなり、姉、妹、私の三人をお母さんは育ててくれました。あの頃の田舎での暮らしは大変だったのですね。

農家の子は白い米のオニギリ、でも私達はオイモとお米のオニギリ。何時もいじめられ泣いて帰り、お母さんを悲しませてしまいました。ポロポロ涙こぼすお母さん、今でも胸にあります。弱虫だった私、本当にごめんなさい。

小さな古い丸テーブルで夕飯を食べ終ると、お母さんの内職のお手伝いをしましたね。腕時計のクサリバンドをつなげる仕事、ほんの少しでも役に立て本当に嬉しかったです。

「ありがとね。もうやめよう」

テーブルを片付け、フトン二組敷いて二人ずつ仲良く寝ましたね。天井から下がる裸電球を消すのは姉さんの役目でした。ねむる前、かわり番こに一日の事をお母さんに話しましたね。

そうそう一週間に一度、近所のおばさんの家でお風呂に入れさせてもらった時、マキが消え、目をまっ赤にしてフーフー吹きました。

何もかも夢のようですが、どんな小さな事でもしっかり覚えています。中学出て、薬屋の住込み小僧になれたのに、身体をこわしてしまい家へ返されました。ごめんなさい。

近くの工場で仕事させてもらえ、月末に給料をお母さんへ渡すと、お母さん泣いて受け取って下さり、嬉しかった!

「大人になったら、どんな人になりたいの、よーく考え、がんばるのよ」

何時も励ましてくれましたね。

上役とお母さんの許しを頂き、定時制高校。そして夜間大学卒業と同時に高校英語教師になり、お母さんだけにお話した夢、ついに手に入れました。

あの夜、肩抱き合い大声で泣きましたね。姉妹も喜んでくれました。

夢を抱き、自分を信じ、実現する為に全力を傾ける。

お母さんのお言葉、片時も放さず燃えました。

ありがと、お母さん。

まもなくお会い出来ます。楽しみでーす。

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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