施餓鬼とは何をする法要?意味とお布施の目安、マナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

お盆の時期に行われる施餓鬼供養
スマホCTA(電話をかける)
アイキャッチ下テキストリンク
記事を先読み
  • 施餓鬼とは、生前の行いによって餓鬼道に落ちた魂を供養する法要
  • 施餓鬼は、お盆の時期に先祖供養とあわせて行われることが多い
  • 施餓鬼法要のお布施の相場金額は3,000円~1万円

施餓鬼(せがき)とは、一般的にお盆の時期に先祖供養と一緒に行われることが多い行事の一つです。必ず行うものではありませんが、先祖と一緒に餓鬼供養も行うことで徳が積めると考えられ、お寺や希望する個人の家で行われます。ここでは施餓鬼の意味や、施餓鬼会での服装、お布施の相場について紹介します。

Adsense(SYASOH_PJ-195)

施餓鬼とは?意味・由来・行う時期

生前の悪行などにより餓鬼となった霊魂や、無縁仏など供養されない死者に施しを行う法会を施餓鬼会、または施餓鬼と言います。また、 施しを与える者・受ける者の間に貴賤の区別があってはならないという考えから、施食会(せじきえ)と呼ばれることもあります。

施餓鬼の「餓鬼」とは?

仏教には六道と呼ばれる世界があり、その中の一つに餓鬼道があります。生前の自らの悪行により餓鬼道へ落ちると、餓鬼という鬼になってしまうと考えられています。餓鬼になった者は常に飢えや喉の渇きに苦しんでいると考えられており、そういった餓鬼にも食べ物などの施しを与えることを施餓鬼と言います。

施餓鬼の由来

施餓鬼は「救抜焔口餓鬼陀羅尼経 (くばつえんくがきだらにきょう)」というお経に由来していると言われています。

施餓鬼の由来は、 『 救抜焔口餓鬼陀羅尼経 (くばつえんくがきだらにきょう) 』 というお経にあると言われています。

お釈迦様の弟子の一人である阿難(あなん)が、餓鬼に死を予告された際に、お釈迦様の教えに従って、陀羅尼(だらに)を唱えながら餓鬼に食事を施したところ、その功徳によって餓鬼が救われ、阿難も寿命を延ばすことができました。

こうした説話に基づいて、施餓鬼が行われるようになったようです。

施餓鬼を行う時期

執り行う時期に決まりはなく年に複数回行うこともありますが、 先祖供養とともに餓鬼の供養も行うことで徳が積めると考えられていたためか、お盆の時期に、盂蘭盆会と合わせて施餓鬼会が行われることも多いようです。

宗派によっても異なりますが、真言宗や浄土宗、曹洞宗などでは8月の盂蘭盆会に、精霊供養として行われています。禅宗ではこの施餓鬼は重要な法会とされています。 一方、浄土真宗では死者はすぐに成仏すると考えられているので、施餓鬼はありません。

お寺によっては施餓鬼に集まった檀家同士の交流の場を設けたり、食事を楽しんだり、ほかのお寺からゲストを呼んで法話するなどのイベントが催されることもあります。

施餓鬼のお布施マナー【相場・書き方・包み方】

施餓鬼には、基本的には平服・略礼服を着て供養を行います。お寺によって違いがあり、法事ではなく行事の一つであるため、ホワイト・グレー・ブラウンなどのシンプルな普段着でよいとする場合もあります。お寺によっても違いがあるため、確認しておくと間違いがありません。

施餓鬼のお布施の相場

施餓鬼の法要は必ず行わなければならないものではなく、行うかどうかは個人の意思によります。お布施の金額は特に決められていません。自分が出せる範囲内の金額のお布施を用意しましょう。

一般的にはお布施として3千円~1万円ぐらいを包むことが多いようです。また卒塔婆もお願いする場合はさらに塔婆料が必要になります。お寺・地域によってもお布施の目安には違いがあるので、不安な場合はお寺に確認しましょう。

施餓鬼のお布施の表書き・裏書きの書き方

施餓鬼のお布施袋には「御布施」と書きます。寺院によっては施餓鬼料、施餓鬼供養料などと書くこともあります。

特に指定がなければ、まずは白地の封筒の上部に御布施と書きます。お寺によっては施餓鬼料・施餓鬼供養料などと書くこともあります。

御布施と書いた下のスペースのちょうど真ん中に、バランスよく◯◯家もしくは自分のフルネームを書きましょう。裏面には住所と電話番号、金額を記入しておきましょう。こうすることでどこの誰からいくらもらったのかを寺院でも把握することができます。また、金額は頭に金と記載し、その下に旧字体の漢数字を使って書きましょう。3千円であれば金参仟圓也、一万円なら金壱萬圓也などと書きます。

お布施の封筒に文字を入れる際は毛筆や筆ペンなどを使用します。香典袋の表書きなどは薄墨を使いますが、お布施は僧侶への感謝の印であるため濃墨を使います。薄墨は悲しみの涙で墨が薄くなったという意味合いを持つため、葬儀などで使用されますが、施餓鬼は身内に不幸があったわけではないので使用する必要はありません。使う筆は筆ペンや筆タッチのサインペンなどを使っても問題ありませんが、薄墨用と濃墨用があるので注意しましょう。

お布施を入れる封筒の選び方・包み方

奉書紙(ほうしょし)または白地の封筒を用意します。奉書紙を使って包む方法が一番丁寧ですが、封筒でも構いません。葬儀などで使用する不祝儀袋は不幸があったときに限りますので、淡墨を使用しないのと同様の理由からお布施には使いません。お札も新札を使います。

奉書紙の場合は、半紙でお札を包む中包みをしてから奉書紙で包むのがマナーです。奉書紙には裏表があり、ツルツルした面が表、ザラザラした面が裏になります。包むときは上包みで折ります。一方、封筒の場合は白色の赤い郵便欄がないものを選びます。入れるときは肖像画を表書きの方に向け、封筒の口の近くに来るように入れましょう。

マナーを守って施餓鬼法要に参加しよう

先祖供養とともに餓鬼供養も行うことで徳を積めるという考えから、お盆の時期には施餓鬼法要も行われるようになりました。お寺で行う施餓鬼会に着ていく服装やお布施の相場などについては、葬儀ほど明確な決まりがあるわけではありません。

地域性などもありますので、気になる場合はお寺に確認することをお勧めします。また、お盆法要などでお坊さんをお探しの方には、宗教者をご紹介させいていただいています。お気軽にご相談ください。

葬儀・お葬式を地域から探す