心を落ち着かせる!写経の意味や効果とは

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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写経とは、仏教の経典を書き写すことを意味しますが、中でも有名なものが般若心経です。般若心経は276文字から成る短い経典で、7世紀に書かれたといわれています。ストレスの多い社会に生きる私たちですが、般若心経を使った心経は誰でも簡単に取り組め、心身によい効果も期待できることから、最近では若い女性からも人気が集まっています。この記事では、写経の目的や得られる効果、正しい書き方などをまとめてご紹介いたします。

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写経から得られる功徳

写経の歴史は7世紀までさかのぼり、日本各地に寺院が建立され、多くの仏教経典が必要になったことから始まったといわれています。
経文には仏教のありがたい教えが書かれており、さまざまな真理や思想が込められています。その内容を1文字ずつ手で書き写すことにより、そこに書かれたことが自分の思いの中に入り、功徳を積むことができると考えられました。そこで得られる功徳とは、善い行いを積み重ねることで、やがてそれが報いられることを指します。
本来の写経とは、特定のご利益を目的に行うのではなく、私利私欲を捨てて全身全霊で経文を写すことです。しかしそうはいっても、どんな効果があるのか全くわからなくてはやる気も起きないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、写経によって得られるとされる効果をいくつか挙げて見ていきましょう。

指先を使うことで、脳が活性化する

漢字で書かれたお経を1文字ずつ正しく書き写す。こうした繊細な作業を続けることで、脳の働きが活性化するといわれています。体は使っていないのに、普段の日常生活よりもはるかに脳を使うことになるのです。
実際に、脳機能研究で有名な大学と教育事業関連企業が行った調査では、認知症の治療や予防に、写経が役立つことがわかりました。写経をすると、行動やコミュニケーションを司る前頭葉と、空間認識などを司る前項葉の血流量が増えたのです。その数値はともに11段階あるレベルの最高値で、特別な道具や設備も不要なことから、大いに推奨がされています。

無心になることでリラックスできる

最も短いお経といわれる全体で般若心経でも、276文字を書き写すのには1〜2時間ほどの時間がかかります。そうして長い時間黙々と写経をしていくと、やがて雑念が取れ、心の中が澄んでいきます。安定した境地、いわゆる「無心」の状態になれるといわれています。普段、いろいろなことを考え、悩み、緊張している脳にとって、ストレスから解放されてリラックスできる時間帯は重要です。心を無にしてひたすら写経に打ち込むことで、自分を一度リセットでき、明日への活力を得ることができるでしょう。

集中力が身に着く

筆を使った写経では、一般の筆記具以上に強い集中力が要求されます。

筆にどれくらいの墨を含ませるか、どの程度の力で書き始めるか、そしてどのように強弱や筆の角度を変化させながら、字の形を作っていくか。これらの作業に求められる集中力は大変なものです。常に筆先に神経を尖らせ、感覚を研ぎ澄まさなければなりません。写経を繰り返すことで、ひとつのことに集中して取り込む力が育てられます。

字が綺麗になる

当然ですが、字は練習をすればするほど上手になります。しかし闇雲にただ書いてみても、思うほどには上達しません。練習にはお手本が必要だからです。写経の場合、すぐ横には上手に書かれたお手本としての経文があります。それを同じように書き写していくことで、いつしか自然な文字矯正のトレーニングになっているのです。特に般若心経を使った写経は文字の数が少なめのため、何回も同じ文面を書き写すことになります。そうすることで反復練習にもなります。

姿勢が良くなる

写経をする時は、畳の上で正座になるのが基本的なスタイルです。そしてその姿勢を保って机に向かい、筆を持ちます。この状態では背筋が真っ直ぐ伸びているため、姿勢の改善につながります。体幹が鍛えられるため猫背が治り、後ろ姿も美しくなるなど、人に見られた時の印象アップも期待できます。

まとめ

写経は高額な道具や設備が不要で、スポーツのように激しく体を動かす必要もありません。それでいて心身によい効果が期待できるため、年齢や性別を問わず、おすすめできる方法です。写経会を開くお寺も多いので、初めての方はそうした集まりに参加するのもよいでしょう。

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