「ぼたもち」と「おはぎ」の違いって何?季節?材料?実は「同じモノ」という説も!

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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お彼岸の悩みと言えば、「ぼたもち」と「おはぎ」。一体、どっちを食べればいいのでしょう。

両者の違いを論じた記事は多数ありますが、ありすぎてよくわからないという状況に陥っていませんか?

そこで、今回は、「ぼたもち」と「おはぎ」の見分け方について、諸説をまとめました

*この記事は2019年2月28日に投稿した記事に新たな情報を加えてリライトしたものです。

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忙しい方へ、単刀直入に正解はこちら

春のお彼岸(3月くらい) → ぼたもち

秋のお彼岸(9月くらい) → おはぎ

諸説1:「ぼたもち」と「おはぎ」では、大きさが違う

牡丹(ぼたん)は、花が大きく、豪華なので、どかっと大きいのが「ぼたもち」。一方、萩(はぎ)の花は、小さく、しとやかな感じなので、上品な小ぶりのものが「おはぎ」という説です。

「大きさが違う」のまとめ

大きい → ぼたもち

小さい → おはぎ

諸説2:「ぼたもち」と「おはぎ」では、コメが違う

本体(あんこではない部分)を構成している、主たるお米の種類が異なるという説です。

「ぼたもち」はもち米、「おはぎ」はうるち米がそれぞれ、主成分となっているというものです。

しかし、料理レシピを紹介するサイト、クックパッドを拝見すると、「もち米不要」とうたって、材料も、白米、十六穀ごはん、お餅と、もち米もうるち米も使用しない(もち米から作ったであろう、お餅は使っていますが)「おはぎ」のレシピも登場しています。

作り手や状況によって材料は異なるのでそのたびに名称を変えるのはやや、大変に思えます。

「コメが違う」のまとめ

もち米  → ぼたもち

うるち米 → おはぎ

諸説3:「ぼたもち」と「おはぎ」では、手加減が違う

もち米を、おもちになるまでついたものを「ぼたもち」と呼び、まだ粒が残る程度に着いたのが「おはぎ」という説です。

「手加減が違う」のまとめ

(もちのつき方が)容赦なし → ぼたもち

(もちのつき方が)容赦あり → おはぎ

諸説4:「ぼたもち」と「おはぎ」では、あんこが違う

本体ではなくその周りにつける、あんこの違いによって、呼び名が変わるという説です。

この説によれば、こしあんを用いているのが「ぼたもち」。つぶあんを用いているのが「おはぎ」となります。これは、あんの材料となる小豆の収穫時期に由来すると言われています。

小豆は秋に収穫されます。秋に食べる「おはぎ」は、とれたての小豆を使っているので、粒のままでも皮も柔らかく、美味しく食べられるのです。

ところが、春になると、小豆も時間が経って固くなるため、こしてからあんを作ります。そのため、春に食べる「ぼたもち」にはこしあんを使うというわけです。

このほか、牡丹の花らしく、「ぼたもち」はこしあんのつるりとした感じ、萩の花らしく、「おはぎ」はあずきのつぶつぶした感じ(おもちのつき加減も粒が残ってる)という説もあります。

「あんこが違う」のまとめ

こしあん → ぼたもち

つぶあん → おはぎ

最有力説:「ぼたもち」と「おはぎ」は、実は同じモノ!

同じ物だけど、それぞれの季節に咲く花によって名称が変わったという説です。

春に花が咲く「牡丹(ぼたん)」から、春食べるものは「ぼたもち」、秋に花が咲く「萩(はぎ)」から、秋食べるものは「おはぎ」となったという説です。

ちなみに、夏は「夜船」、冬は「北窓」と呼ぶそうです。

まとめ

春 → 牡丹 → ぼたもち

秋 → 萩  → おはぎ

3月はお菓子の消費量に変化が?

ちなみに、お彼岸の時期にどのくらいぼたもちやおはぎが消費されているかという点については、明確なデータなどは見つかりませんでした。

しかし、全日本菓子協会が公表しているデータ「平成30年1世帯当たり(2.98人)月別の菓子支出金額(二人以上の世帯・全国)」を見ると、おはぎを含む、ようかん、まんじゅうに分類されない和生菓子に対する支出が3月に増えていることがわかります。

ぼたもちやおはぎに限定した数字ではありませんが、この結果を見ると、お彼岸の需要も影響していることが予想できるのではないでしょうか。

1世帯当たりの月別の菓子支出金額(単位:円)

全日本菓子協会公表データ「平成30年1世帯当たり(2.98人)月別の菓子支出金額(二人以上の世帯・全国)」より/作図は鎌倉新書

まとめ

このほか、きな粉をまぶしたものと、あんこのもので呼び名が違うといった説もありましたが、すりゴマをまぶしたものなどもありますので、本記事への採用は見合わせています。

結果として、おはぎとぼたもちの明確な違いは判明しませんでしたが、お彼岸の意味を考えると、名称の違いなど小さなことにこだわるのではなく、美味しくいただくことの方が大切なのかもしれません。

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