融通念仏宗とは?宗派の教えや歴史、葬儀の特徴、マナーを解説

兵藤 大介【記事監修】
小林憲行

記事監修兵藤 大介

融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)とは、平安末期に大阪市の大念佛寺を総本山とする宗派で、天台宗の影響を受けています。念仏を善行の根源と捉え、口に出して唱えることで仏の功徳を得られるという教えがあります。華やかな葬儀が特徴ですが、焼香やお経にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは融通念仏宗の葬儀の特徴について紹介します。

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融通念仏宗とは?

融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)は、天台宗の僧侶として修行を積んだ聖応大師 良忍 上人(せいおうたいし りょうにん しょうにん)によって平安時代後期(1117年)に開宗された日本生まれの仏教で、開宗当初の「大念仏宗」という呼称で親しまれています。融通念仏宗の要となる教えは、「念仏の融通(和合)によってすべての人がこの世で極楽往生することできる」というもので、信徒は毎朝10遍と日に100編の念仏を読み上げることを日課としています。

仏教といえば古くより「三国伝来(インド・中国・朝鮮半島から伝来した仏教)」が主流でしたが、融通念仏宗は12歳から日本で仏教を学び、純粋に仏道を求めてきびしい修業を続けた良忍が日本で開宗した初の国産仏教です。日本仏教の系統においては、奈良仏教系、密教系、禅系、日蓮系などと並ぶ「浄土系」の一派として数えられ、日本仏教13宗のうち6番目に成立した宗派として、浄土系の中ではもっとも長い歴史があります。
融通念仏宗の総本山は、大阪市平野区に所在する「大念佛寺(だいねんぶつじ)」で、総けやき造りの本堂は国の登録有形文化財にも指定されています。経典は華厳経・法華経・阿弥陀経などで、お葬式でも念仏が称えられます。

融通念仏宗が説く「他力往生」「速疾往生」とは?

融通念仏宗は、当時の仏教が極楽に行くことを極めて困難であると教えていたのとは対照的に、誰でも念仏を称えることで「来世(死後)ではなく現世(この世)」が光り輝く浄土に変わると説き、のちに広まった「念仏信仰」の先駆けともなりました。
開祖・良忍が世俗化した当時の仏教を離れ、真摯に仏道を求め続けた末に、目前に出現した阿弥陀仏によって直々に「一人一切人一切人一人、一行一切行、一切行一行、是名他力往生、十界一念、融通念仏、億百万遍、功徳円満」という御文が授けられたと伝えられています。これは「ひとりが唱える念仏は小さいが、すべての人に功徳を分け与えるものであり、同時にすべての人の念仏がひとりの上に注がれる」という他力往生(たりきおうじょう)の教えであり、誰もが生きながらにして速やかに浄土に至る道であることから「速疾往生(そくしつおうじょう)」とも称されています。
このように自分が唱えた念仏だけでなく、人が唱えた念仏も自分の功徳になるとする教えは葬儀にも影響しています。

融通念仏宗の「お葬式」の特徴は?

融通念仏宗では念仏をとても大切にしており、お葬式でも故人が迷うことなく浄土へ行けるようにとの願いを込めて、僧侶だけでなく参列者一同が「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」を読み上げます。「南無」はサンスクリット語で仏への敬意をあらわし、仏は「阿弥陀如来(あみだ にょらい)」のことです。
お葬式には銅鑼(どら)や太鼓などの葬具を多く用いるのも融通念仏宗の葬儀の特徴のひとつです。荘厳な音色と華やかな色彩は、光あふれる極楽浄土を思わせるとともに、故人を力強く導く阿弥陀如来の御姿と功徳を彷彿させます。また、誰もが念仏によって浄土へ行けるとしているため比較的自由度が高く、形式張っていないという特徴があります。

融通念仏宗の「焼香」の作法は?

融通念仏宗のお葬式では、焼香(しょうこう)の作法に独自の決まりはありません。一般的な手順としては、祭壇の手前で僧侶と遺族に一礼したあと、焼香台の前まで進んで一礼します。数珠を左手にかけ、右手の親指と人差し指で少量の抹香をつまみ上げて、香炉の灰の上に落として香をくべます。この所作を3回繰り返しますが、参列者が多い場合は心を込めて1回とすることもできます。
また、つまんだ抹香を額に戴く(軽く自分の額に付けるような仕草をする)という作法もありますが、省略しても構いません。最後に合唱したら焼香台から一歩下がり、ふたたび僧侶と遺族に一礼してから自分の席に戻ります。焼香の様式がきになるようでしたら自分の宗派の作法であげれば問題ありません。
そのほか、狭い室内で行われる葬儀では、盆の上に香炉を載せた「回し焼香」で焼香を行うこともあります。自分に香炉が回ってきたら両手で盆を扱い、同じ手順で隣の人に回しましょう。

まとめ

融通念仏宗は念仏を大切に考える日本発祥の仏教です。日本仏教の系統としては「浄土系」に属する宗派で、のちの念仏信仰の先駆けとして長い歴史をもちます。お葬式は参列者による「南無阿弥陀仏」の念仏と極楽浄土を思わせる華やかさが特徴で、とくに難しい作法はありません。融通念仏宗のお葬式についてのご相談や見積りをご希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

兵藤 大介【記事監修】
兵藤 大介

記事監修兵藤 大介

大学卒業後、広告業界で20年にわたりキャリアを築く。スタートアップの広告代理店立ち上げに参画し、代表取締役を務めた経験も持つ。 2020年、これまでの経験と異なる領域へ挑戦する「キャリアの逆張り」として株式会社鎌倉新書に入社。相続関連の新規事業立ち上げを1年間担当した後、2年間葬祭事業部に従事。その後、事業横断型の営業推進組織の責任者として、広告商品の新規開発や終活領域のデジタル広告運用支援を2年間リードした。 2024年より現職。事業部長として2回目の就任。社内のデータ分析と全国の葬儀社との対話から得られるリアルな現場の声を掛け合わせ、業界が抱える課題の解決に挑んでいる。 主なメディア出演やコメント掲載として、フジテレビ「めざまし8」、テレビ東京「LIFE IS MONEY~世の中お金で見てみよう~」、日本経済新聞がある。

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