お釈迦様ゆかりの三大法会!涅槃会、灌仏会、成道会とは?

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

スマホCTA(電話をかける)
アイキャッチ下テキストリンク

法会とは、仏教で僧侶や檀信徒が法(仏教の教え)を説くためや供養するために集まることです。仏教には、「三仏忌(さんぶっき)」というお釈迦さまにゆかりのある大切な忌日があります。その3つの忌日に、宗派を問わず営まれる大切な法会のことを三大法会と呼びます。今回は、三大法会とは何か、そしてそれぞれの法会の意味やどのような行事が執り行われるのかなど、三大法会について詳しくご紹介します。

Adsense(SYASOH_PJ-195)

三大法会とは

三大法会とは、涅槃会(ねはんえ、2月15日)、灌仏会(かんぶつえ、4月8日)、成道会(じょうどうえ、12月8日)の3つの法会のことです。全国各地の寺院で、お釈迦さまの遺徳を偲ぶ法会が営まれます。平安時代末期に日照りや疫病の流行などによる社会不安の高まり、その際に極楽浄土を願う浄土信仰の貴族や庶民へ浸透しました。この信仰が隆盛するとともに、法会が仏事として定着していきました。

お釈迦様が入滅した日、涅槃会とは?

涅槃会は、お釈迦様が80歳で入滅(にゅうめつ)した2月15日に営まれます。実際に、お釈迦様が入滅された日ははっきりとしていませんが、南伝仏教ではインド暦の2番目の月がヴァイシャーカ月の満月の日と定められていることから、一般的に2月15日とされています。

入滅は涅槃に入ったということであり、涅槃はニルヴァーナの和訳で、煩悩や迷いがなくなり、悟りを開いた境地を意味します。涅槃会は、日本では飛鳥時代に奈良の興福寺で始まったと言われています。涅槃会では、お釈迦さまが沙羅双樹の木の下で、頭を北にして西を向き、右脇を下にした姿で臥している最期の様子を描いた涅槃図を本尊として掲げ、お釈迦さまの最後の教えを伝える遺教経(ゆいきょうぎょう)をあげます。

京都では、涅槃会は春の風物詩として親しまれており、旧暦の2月15日にあたる3月14~15日に涅槃会を営む寺院もあります。涅槃会の際には、東福寺や泉涌寺では日本最大級の涅槃図や本法寺では長谷川等伯が描いた涅槃図など、各寺院では普段は見ることのできない涅槃図が公開されます。また、花供御(はなくそ)と呼ばれるあられを授与する寺院もあり、食せば無病息災になると言われています。

お釈迦様の誕生日、灌仏会とは?

灌仏会は、お釈迦様の誕生日である4月8日に営まれます。花まつりや降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)などとも呼ばれます。

お釈迦様は、花々が美しく咲き誇るルンビニー園で誕生し、生まれてすぐに7歩ほど歩かれ、右手は天を、左手は大地を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」とおっしゃったそうです。そして、天から9匹の龍が舞い降り、お釈迦さまの上に甘露の雨を降らしたと言われています。

この伝説にちなみ、灌仏会ではルンビニー園を模した花御堂を祀ります。花で飾られた花御堂の中には、甘茶を湛えた灌仏盤を置き、右手は天を左手は大地を指している誕生仏を安置します。そして、柄杓で甘茶を誕生仏に注いで、お釈迦さまの誕生を祝うのです。灌仏会の「灌」は、水を注ぐという意味です。

灌仏会に欠かせない甘茶は、ユキノシタ科のアマチャの若葉を煎じたもので、無病息災のほか、虫よけの効能もあるそうです。灌仏会では、甘茶のほか、お菓子なども振る舞われます。また、作り物の白い象の上に花御堂を乗せて乗り歩く稚児行列や子どものためのイベントなど、子どもや地域の人々が楽しめる行事を開催する寺院もあります。

お釈迦様が悟りを開いた日、成道会とは?

成道会は、お釈迦様が35歳で悟りを開かれた12月8日に営まれます。旧暦の12月は臘月(ろうづき)とも言われることから、臘八会(ろうはちえ)とも呼ばれます。

お釈迦様は、29歳で出家し、6年間の苦行の末、菩提樹の下で悪魔からの誘惑に負けずに坐禅修行を行い、12月8日に暁の明星をご覧になり、悟りを開いて仏陀となったとされています。つまり、12月8日は仏教の教えが生まれた大切な日なのです。各寺院では、お釈迦様の悟りを称える法要や修行、行事などが執り行われます。

曹洞宗などの禅宗では、お釈迦様に倣い、12月1日から8日までの8日間にわたり、臘八大摂心(ろうはつおおぜっしん)と呼ばれる集中的な坐禅修行が行われます。坐禅修行の後は、雪山での苦行を終えたお釈迦さまの姿を描いた「出山釈迦像」を掲げ、法要を営みます。

京都では、味付けして煮た大根を参拝者に振る舞う大根焚きがあり、初冬の風物詩として親しまれています。中でも、千本釈迦堂・大報恩寺の大根焚きが有名で、大根を食べると厄除けになると言われています。

まとめ

三大法会と呼ばれる涅槃会と灌仏会、成道会の意味や行事の内容などについて、詳しくご紹介しました。三大法会のほか、仏教では節分会や放生会、盂蘭盆会、彼岸会など、一年を通してさまざまな法会が営まれています。各法会の意味や時期、行事の内容など、仏教の法会について詳しく知りたい方は、是非調べてみてください。

葬儀・お葬式を地域から探す