【プロが語る!】介護福祉士の筆記試験講評。試験問題は「例年通り」?


1/29(日)に第29回介護福祉士の筆記試験が行なわれました。

受験生の皆様、介護福祉士の筆記試験、お疲れ様でした。

さて、今年度より、試験制度が変更され、新体制になった初の試験でした。

変更点は下記になります。

1)国家試験の実技試験が無くなった

2)その代わりに、介護職員実務者研修(以下、実務者研修)を受講することになった

3)試験問題数が120→125問になった

4)医療的ケアの問題が5問新設された

5)実務経験が、試験前日までから、年度末までの3年間に緩和された

 

出願者半減というニュース

試験前に、衝撃的なニュースが飛び込んできました。

「介護福祉士 出願者半減 「受験資格に研修義務」が要因」(毎日新聞より)

記事によると、「社会福祉振興・試験センターによると昨年度は16万919人だったが、今年度は7万9113人。合格率は例年6割前後」とあります。

半減!?

少なくなるのは予想していましたが、半分まではいかないだろうと思っていたので、びっくりしました。

ただでさえ、現場にスタッフが居ない・・と言われている中、わざわざ試験のハードルを上げなくても良いのでは?と思われている方も多いと思います。

今後、3月末の合格発表を経て、介護職員実務者研修をどうしていくのか?の再議論になっていくと思います。

この制度が定着するかどうか?いきなり正念場になってしまいました。

 

スッキリしないのも仕掛けの1つ。試験問題について

今年の試験問題を先ほど解きましたが、「例年通り」という印象でした。

実技試験が無くなるので、多少、問題レベルが上がる可能性もあるのかな?と思っていましたが、「易しくもなく、難しくもなく」というところに落ち着いたと思います。

ただ、国家資格の試験は、毎年徐々にレベルが上がっていきます。

ここ何年かの試験レベルと特徴を踏襲していて、解いても解いてもスッキリしない状態の試験でした。

特に、午前中は、みなさんのイライラが募るような問題だったと思います。

資格試験は、受験生が、気持ちよく解答できるようには作られておらず、どちらかというと、みなさんのメンタルを崩すための仕掛けがたくさん用意されています。

スッキリしないのも仕掛けの1つです。

特に、午前の前半、問題1~20は、難しい問題が続くため、頭から普通に解答するだけで(問題1から)、罠に掛かってしまいます。

それを防ぐために、問題30以降から解き始めると良いと思います(回答欄のズレには注意してください)。

イライラを感じなくて済みますので、テストの結果が良くなる人が多いと思います。

試験では、自分がイライラしたり、時間が足り無いと思いながら解答するだけで、ポイントを見落としたりすることが多くなるのです。

また、介護福祉士の試験は、すべての選択肢を、正誤判断すると、難問になる問題もありますが、ほとんどの問題は、過去問の知識だけで解ける選択肢の1つで、正答できる問題が多いと思います(この辺もスッキリしない原因ですが・・)。

焦らずに、自分の知っている知識で、正答を出すことも必要です。

実際に、全員が解けない問題というのは、合否に関係しないのです。

今年も、障がい者の問題は、難しいですね。

昨年より、問題数が増えましたが、今回もその傾向が続きました。細かいサービスを聴いてくる問題が増えたと思います。

総合問題は、面白い事例が多く(帯状疱疹のKさん、MRSAのJさん、起立性低血圧のLさん、ダウン症のMさん)、3番目の事例が歯ごたえがありました。

 

気になる「医療的ケア」の問題レベルは?

今回の目玉となった、「医療的ケア」ですが、易しい~標準問題が多かったので、1点以上は取れているのではないでしょうか?

筆記試験は今までの「10科目群」から、「医療的ケア」が増えて「11科目群」となりました。

総合点が60%をクリアしていても、各科目群に1つでも0点があると、不合格になります。

医療的ケアの問題が「5問」なため、問題レベルが高すぎると、残念ながら5問全滅!になりかねません。

そのため、問題レベルが気になっていました。今回は、「医療的ケア」の講義で、講師が力説するところが論点になっているため、みなさん、クリアされていると思います。

ほかの科目群は、少なくとも8問(介護過程、発達と老化の理解)から20問(生活支援技術)になっています。

特に、午前の前半部分が、正答できていない方が、この科目群をとても心配されますので、必要な方は、チェックしてみてください。

<11科目群と問題数>

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本(全18問)
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術(全10問)
  3. 社会の理解(全12問)
  4. 生活支援技術(全20問)
  5. 介護過程(全8問)
  6. 発達と老化の理解(全8問)
  7. 認知症の理解(全10問)
  8. 障害の理解(全10問)
  9. こころとからだのしくみ(全12問)
  10. 医療的ケア(全5問)
  11. 総合問題障(全12問)

 

今回の試験の難問はこれ!

今回は新しく、計算問題が出ていました。

問題56の可処分所得、問題102必要エネルギー量です。簡単な計算問題でしたが、あれ!?とびっくりされたかもしれません。

今回、難しかったと思われる問題を挙げておきます。

午前の問題
4、5、12、13、14、15、17、18、29、32、43、52、56、57、65、68

午後の問題
70、71、74、75、79、83、93、94、102、115、122

特に印象に残ったのが、

絶対に満点を取らせないための 問題17 → 分科会

え?それで良いの?と目を疑う 問題52 → 自動排泄処理装置 でした。

3月末の、公式解答が楽しみです。

あと、午後中盤の、「こころとからだのしくみ」は、医療用語が、難しくなっている印象でした。

将来的に、介護福祉士と准看護師、保育士などの資格を統合するという話があり、その実現のために、試験問題をそれっぽくしているのかなぁと思いました。言葉遣いが難しいので、医療問題は全般的に難しくなっています。

現時点では、125点の60%、「75点」を超えている方は、一安心になると思います。

その近辺の方は、3月末の発表まで、お待ちください。

現在、各社で予想合格点を出そうと、みなさんから実際の点数を集めています。

気になる方は、登録されると良いと思います。

もしかすると、安心材料が増えるかもしれません。

以上、簡単でしたが講評をお伝えしました。

本当にお疲れ様でした。

ゆっくり体を休めて、労ってください。

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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。