【棺と柩】「ひつぎ」を漢字で書くときの注意点~社会人のためのマナー講座【調べてみた】

兵藤 大介【記事監修】
小林憲行

記事監修兵藤 大介

新しく社会に出る方々にとって、ぜひとも身に着けておきたいのが、社会人としてのマナー。

特にお葬式は日ごろ頻繁にあるものではありません。でも、だからこそ「いざ」という時のマナーがバッチリ決まると「おお! やるな!」と周囲の評価も上が ります。反対に、逆もまた真なり。日ごろカッコよく仕事はできても、いざという時にダメダメだと、その後の評価は残念なモノに…。

そこで、今回は、もしも「ひつぎ」を漢字で書かなければならなくなった時に、「棺」にするべきか「柩」にするべきか? その書き分け方のマナーについて調べてみたいと思います。

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「ひつぎ」って何?

「ひつぎ」というのは埋葬する時に遺体を入れる入れ物のことです。「かん」という場合もあります。

寝棺(ねかん)、座棺(ざかん)、桶(おけ)、甕(かめ)などさまざまな形があります。

古くは甕型の土器でできた甕棺(かめかん)が用いられていました。この形が後に座棺へと変化していったと言われています。

身分の高い人が漆(うるし)塗りの棺に葬られるなど、身分の高い低いによっても使用される棺の種類は異なります。江戸時代にはほとんどの場合が座棺でした が、それでも格式の高い甕棺で葬られてきた人、正方形の木製の棺で葬られた人、早桶(はやおけ)などに入れられた人など、葬られ方に違いがあることがわ かってきているようです。

ちなみに「早桶」というのは人が亡くなったらすぐに作った円筒形の棺です。「急いで作る」ことから「早桶」と言い表されるようになりました。

主に土葬が行なわれていた時代には座って入る「座棺」が多かったのですが、火葬が広まるにつれて横になって入る「寝棺」が増えてきました。火葬がすっかり定着した現代の日本では「寝棺」が最も多く使われています。

さらに現代の棺には材質もさまざまあり、天然の木を用いた高級なものから、ベニヤなどで作られたもの、桐のものもあれば、布棺と呼ばれる表面が綺麗な布で覆われたもの、さらにダンボールから作られている棺もあります。

デザインも豊富で、最近では華道家 假屋崎省吾さんがプロデュースした棺なども登場しています。

漢字の意味を調べてみた

さて、うっかりパソコンなどで「ひつぎ」と書いてしまうと、自動で変換されてしまいます。そのまま使用して良いのかどうなのか? デキる社会人としては、注意したいところです。

ネットなどを見てみると、「棺」は普通に「“棺”はおいくらですか?」という場合や、葬儀社のホームページなどで「このプランに含まれているもの:“棺”」みたいな使い方をされているのが多いようです。

熟語になると、「納棺」とかも「棺」を使っているところが多いようです。

一方、「柩」は、「霊柩車」の「きゅう」の字で使われています。

そのほか、アーティストの方の中にも、お名前で、この字を使っていらっしゃる方がいるようです。

ということで、まずは辞書で調べてみました。

かん【棺】

死体を入れる箱やおけ。ひつぎ。

(コトバンク 大辞林 第三版の解説より)

 

きゅう【柩】

遺体を入れて葬る箱。ひつぎ。

(コトバンク 大辞林 第三版の解説より)

 

どっちもその意味は「箱」で「ひつぎ」です。ただし、両者の間で入れるものが「死体」と「遺体」の違いはあるようです。

この違いは、「死体」は死んだ人や動物の体などを、客観的にさすのに対し、「遺体」は人格をこめて、丁寧にいう場合に用いられるようです。また、報道関係の場合、身元の分からない方は「死体」、身元がわかる方は「遺体」といった区別もあるそうです。

ちゃんと使い分けがあるんですね。

また、「柩」は、「棺」と比較して、“葬るため”の箱という点が、強調されているようです。

では、「棺」と「柩」の違いは結局、どう違うのというと……、どっちかというと「柩」の方が、うやうやしい感じはします……。

中に入っているか、いないか、それが問題だ!

辞書を眺めても決定打が見つからなかったので、今度は葬儀社で務める方が葬祭ディレクター試験を受験する際や、日ごろの業務で疑問に思うことを調べたりするときに使っている本を調べてみます。

すると、

あえて厳密に区別すると、物としてのヒツギが「棺」で、遺体が納められた状態の棺を「柩」と書き表します。

碑文谷創著 増補三訂 『葬儀概論』  表現文化社 より

とありました。

誰も入っていない「ひつぎ」に納めるから納“棺”で、遺体が納められている「ひつぎ」を運ぶから、霊“柩”車なんですね。

満足しました。

まだまだある、「ひつぎ」を表す漢字

これで、「棺」と「柩」の問題は解決しました。

でも、いくつか、漢字辞典なども見てみると、もう少し違う意味もありそうです。

例えば、「棺」。

これには「なきがらを布にくるんで納める木箱」といった意味があるようです。

一方、「柩」には「長期間にわたって遺体を納める箱」という意味もあるとか。

このほかにも「ひつぎ」を表す漢字はいくつかあります。

「槥」には小さいという意味があるようです。小さな棺桶、棺の意味があります。

次に「槨」。これには「囲い」という意味があるそうです。棺の外を囲う「外棺(そとかん)」ということで、棺を入れる外箱を指します。

最後に木へんに親と書いて「櫬」。なきがらを直接納める「ひつぎ」。死体に最も近い内側の「ひつぎ」という意味があるようです。

(文・構成 小林憲行)

>>棺に掛ける布がある!?棺掛けとは?

兵藤 大介【記事監修】
兵藤 大介

記事監修兵藤 大介

大学卒業後、広告業界で20年にわたりキャリアを築く。スタートアップの広告代理店立ち上げに参画し、代表取締役を務めた経験も持つ。 2020年、これまでの経験と異なる領域へ挑戦する「キャリアの逆張り」として株式会社鎌倉新書に入社。相続関連の新規事業立ち上げを1年間担当した後、2年間葬祭事業部に従事。その後、事業横断型の営業推進組織の責任者として、広告商品の新規開発や終活領域のデジタル広告運用支援を2年間リードした。 2024年より現職。事業部長として2回目の就任。社内のデータ分析と全国の葬儀社との対話から得られるリアルな現場の声を掛け合わせ、業界が抱える課題の解決に挑んでいる。 主なメディア出演やコメント掲載として、フジテレビ「めざまし8」、テレビ東京「LIFE IS MONEY~世の中お金で見てみよう~」、日本経済新聞がある。

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