香典返しのお礼状とは、香典のお返しを贈る際に添えるご挨拶状のことです。いただいた香典に対するお礼という意味のほかに、弔事が滞りなく終了したことへの感謝・報告という意味合いでも、ぜひお礼状は添えたいところです。
ここでは、お礼状を送るタイミングや内容・文例・ポイントなどについて紹介していきます。ぜひ香典返しを送る際の参考にしてください。
お礼状を送るタイミング
香典返しとお礼状は、「忌が明けた後」に送るのが礼儀となります。「忌が明ける」のは、故人が亡くなって49日後の「四九日法要が終わった後」になります。香典返しとお礼状は四九日法要が無事終わったタイミングで送ることになります。
お礼状の書き方と基本的な構成
お礼状の内容については主に、香典へのお礼や生前の故人とのお付き合いへの感謝など5つのポイントに沿って書くのが一般的です。お礼状の基本構成について説明していきます。
香典へのお礼
最初に必ず添えるのは香典に対するお礼の言葉です。
香典をいただいたことへの感謝の気持ちをしっかりと記します。
弔事が終了したことを報告
次に四九日法要までの弔事を、無事に終えたことを報告します。
戒名があれば添えると、なおよい印象になります。
故人との付き合いへのお礼
生前に故人とお付き合いしていただいたことへの感謝の気持ちもしっかりと入れ込み、お礼の言葉を書きます。
香典返しについて
香典をいただいたお礼に、香典返しの品をお送りする旨も忘れずに記載します。
お詫び
最後に必ず入れるのが、直接ではなく略儀でお礼を述べてしまったことへのお詫びです。
本来は直接会って感謝の気持ちを伝えるのが礼儀なため、このお詫びの言葉は忘れずに記するようにします。
お礼状の文例
次に、お礼状の文例について紹介していきます。
お礼状はすべて縦書きで記すのが礼儀となりますので、実際は縦書きになることにご注意ください。また、下記は仏教の場合の一般的な例であり、宗教や宗派によって異なる場合があります。
頭語
謹啓、拝啓など
香典に対するお礼
先般 (続柄)(俗名) 葬儀に際しましてはご多用の中にもかかわらず多くのお気遣いと香典を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます。
忌明けの法要が無事終わったことの報告
おかげをもちまして (戒名) ○月○日に四十九日の法要を滞り無く営むことができました
故人との付き合いへのお礼
生前 故人が皆様にどれだけ支えられていたかと感謝の気持ちでいっぱいです
香典返しの品物を贈ったことのお知らせ
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたします
略儀で済ませることへのお詫び
本来であればお目にかかりお礼申し上げるべきところ 失礼ながら書中をもってご挨拶申し上げます
結語
敬白、敬具など
日付
〇〇年〇月〇日
差出人の名前
喪主〇〇 〇〇
親族一同
お礼状を書く時のポイント
お礼状を書く際には、一定のルールが存在します。ポイントや注意点を押さえ、書き方や使う言葉に注意しながらお礼状を作成しましょう。
縦書きにする
文例の部分でも説明しましたが、お礼状は縦書きで作成するのがルールです。
故人の名前の書き方
故人の名前の書き方にはいくつか種類があるので紹介していきます。
「亡父 ○○」「亡母 ○○」「亡祖父 ○○」「亡祖母 ○○」「故 ○○儀」「弊社社長 ○○儀」などです。
季節の挨拶は不要
お手紙とは違い、冒頭に季節の挨拶を入れる必要はありません。
句読点を使わない
もともと、日本語の縦書きの挨拶状では句読点を使いません。
句読点には文章を「止める」「区切る」などの意味合いがあることから、葬儀や法要が滞りなく進むようにと句読点は使わないとも言われています。
また、句読点は読み手の読みやすさを補助するためのものであり、読む力のある相手に使うのは失礼にあたるという説もあります。
正しい敬語を使う
故人に対する言葉など、身内側の言葉を正しく使うように注意が必要です。
よく間違われるのは、「逝去」と「死去」です。
お礼状を書くのは身内になるので、「死去」を使います。
宗教・地域に適した言葉を使う
仏教・神教・キリスト教など、宗教・宗派・地域によって使用される言葉は異なります。先ほど文例であげた内容は仏教の場合の例となります。お礼状を書く前に、それぞれに適した言葉をしっかりと勉強・理解し、失礼のないように言葉を選び、使用するようにしたいものです。
まとめ
ここまで香典返しのお礼状について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
自分の宗教・宗派・地域によって、どれが本当に正しい書き方なのか、書いたり調べてみても分からないこともあると思います。また、香典返しに関わるほかの質問や不明点も出てくるかと思います。
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