ずーっと心の奥底にかなえたい思いがあった

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今は亡き父へ伝えたい言葉

亡き父へ

ずーっと心の奥底にかなえたい思いがあった。

その思いが亡き父が安心できる場所、父の家(お墓)を建てる事。

私達は私を含めて、五人家族だった。田舎育ちで私の大好きな場所は、父が生まれ育った場所でもあり、父の父や兄弟が眠る場所でもある。

家は、祖父母が住んでいた昔ながらの古い家であった。物心ついた時からそこで育ち、私達兄弟は中学まで住み、それ以降は親元を離れる生活となった。

父は普段はほとんど喋らず、お酒を飲むと喋りだすといったシャイな性格の父だった。子供だった私から見ても人付き合いが上手な方ではなく、父方の兄弟も多かったが私達が成長するとともに疎遠になっていった。

その親せき付き合いの中の大きな出来事があった。父が兄弟で建てた祖父の墓に自分は入らないと言った事だ。たぶん父の思い兄弟の思い、それぞれの思いがうまく伝わらずその事は良い方向へはいかなかったのだろうと、大人になった私は感じていた。

両親は、ふるさとを離れ街の方で暮し始めた。どんな思いがあったのだろう。古い家は住まなくなり、どんどん住めない状態となった。両親がその家に帰る事はなく、私達も同じだった。帰る家がなくなった。

父は歳を重ねるごとに体調を崩しだし、十年前に亡くなった。しかし、私達は自分の生活が精一杯でお墓を建てる事が出来ず、父はどんな思いで私達を見ていただろうか。

今回、兄弟でようやくお墓を建てる場所ができたと。父がゆっくり安心できる場所ができたと信じたい。

その場所は、ふるさとではない場所。でも、私がいつでもどんな時でも会いに行ける場所だから、許してくれるかな?父ちゃん、みんなの想い届いてるかな?

「桜島(ふるさと)を背にして亡き父なに想う」

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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