ママが今でも言うんだけどね。「パパの何が偉いって、一度も痛いと言わなかった」って

Adsense(SYASOH_PJ-195)

今は亡き父へ

次は勝ってよ

亡くなった人に「元気」って可笑しいけど「パパ、元気にしてる? 天国で麻雀やってる?」

パパの麻雀の強さは、伝説だったよね。若いころの無茶ぶりは噂でよく聞いてたよ。麻雀なんてと、言う人もいるけど、私はどんなものでも他人より秀でてるところがあるパパを尊敬していました。

結局、一緒に卓を囲むことはなかったけど、その代わりトランプのセブンブリッジは、よくやったよね。これも、ホントに強かったね。子ども相手にも一切手抜きなしだものね。

妹なんて、とうとう「二度とパパとはトランプやらない!」なんて言い出す始末。ちょっとは、手を抜いてくれたって良いんじゃないと、さすがの私も思ったよ。だって、あれから二度と妹ったらトランプやらなくなっちゃったんだもの。

パパが末期の胃がんで余命三か月の宣告をされた後。食事がほとんど喉を通らなくなっていたよね。ただ、私が焼いたチーズケーキだけは食べてくれたから、あの頃は、ほとんど毎日のようにチーズケーキを焼いたっけ。

もう、一生分のチーズケーキは焼いたような気がするよ。息子から「チーズケーキ」のリクエストをされるんだけどね。作る気にならないのは、そのせいかなぁ。

ママが今でも言うんだけどね。「パパの何が偉いって、一度も痛いと言わなかったこと」なんだって。確かに、痛みで不機嫌になることはあっても、一度も痛いって言わなかったね。痛いって言えるほどの軽い痛みじゃなかったんじゃないかと、私は思ってるんだけど、もう、パパ、その時の痛みは忘れてるよね。忘れてくれてた方が嬉しいな。

ほとんど、ベッドで横になってたパパだけど、調子が良いときは起き上がって、一緒にトランプで遊んだよね。もちろんセブンブリッジ。でも、あの頃は辛かったなぁ。何故って、パパが弱くなっていたから。私なんて掌で転がすように、簡単に勝てていたパパが、私に連敗するんだもの。

今は天国でお仲間作って、麻雀やってるよね?私も何十年かしたら、そちらに行くからその時はセブンブリッジで対戦しましょう。

その時は、絶対に勝ってよ!

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

葬儀・お葬式を地域から探す

最新情報