葬儀を行う際、自宅は数日間留守になることが多いです。大変残念なことですが、この留守中を狙って、空き巣の被害に遭うケースもあります。大切な人と家の財産を同時に失ったご家族のお姿は、見るに堪えません。
このような事態を防ぐために、留守の間どのような対策を講じておくとよいでしょうか。また、葬儀会場で気をつけるべきことはあるのでしょうか。葬儀中の防犯という視点から、大切なことをご案内していきたいと思います。
空き巣は葬儀中の留守をどのように知るのか
留守宅を狙う空き巣は、どのような手段で情報を得るのでしょうか。
ひとつには、新聞や地域情報誌に掲載される訃報があります。葬儀会社などが掲載することもあれば、役所が新聞社へ連絡する場合もあります。通夜・告別式の日時や場所、故人と喪主の名前や関係、住所などが掲載されるので、地図などで場所を調べればすぐに分かってしまいます。
また、地方では、都会に比べて人同士の繋がりが強いところが多いです。緊急の回覧板が回ってきたり、町内の掲示板で掲示されたりして、町内で亡くなられた方の訃報と葬儀の案内が知らされることがあります。こうした情報を基に、空き巣が留守宅を狙ってくるケースがあります。
以前は、家族が亡くなると玄関などに忌中札を貼って、合わせて葬儀の案内も載せていたことがありました。現在、忌中札をほとんど見かけなくなったのは、防犯上の問題が大きいためという説もあります。
自宅での防犯対策について
以前は葬儀を自宅で執り行うことが多かったのですが、現在では斎場や寺院で行うことがほとんどです。通夜から葬儀までの一夜を故人と最後に過ごすために、家族が斎場などに宿泊する場合もあります。この間、自宅は誰もいなくなり、数日間留守の状態が続きます。また、香典は葬儀場で預かることが多いですが、中には棺が自宅に置かれている時間帯に、自宅へ弔問客が訪れることもあります。
その場合、一時的に自宅に置かれる現金が増えるため、犯人はこのお金も狙ってくるのです。
自宅でできる防犯対策を、いくつかご紹介します。
戸締まりをきちんと行う
防犯の基本ですが、家族は心の余裕がない上に、来客の対応などで疲れがたまってきます。家族同士で声をかけあって、留守になるときは鍵のかけ忘れをしないようにしましょう。
忌中札を貼らない
留守であることを公言しないために、特に自宅に誰もいないときには札を貼らない方がよいでしょう。忌中札を貼る習慣が残っている地域でも同様です。
信頼のできる方にできれば留守番を頼む
通夜・葬儀は、親せきも参列するので、留守番(留守居係とも言います)を頼むのは近所の方や特に親しい友人などが好ましいです。留守中に弔問客が訪れた場合に、香典を預かってもらったり、葬儀会場を伝えてもらったりすることもできます。
テレビやラジオ・電気をつけたままにしておく
家の中から物音がすると、空き巣が入りにくくなります。人の気配を感じさせることが大切です。
自宅の周囲や庭に、防犯砂利を撒いておく
空き巣は物音がたつのを嫌がります。防犯砂利の上を歩くと、通常の砂利よりも大きな音がするので、侵入を防ぐことができます。
貴重品をきちんと管理する
自宅にある現金やキャッシュカード、高価な品物などの貴重品は、すぐに出せないような場所に保管しましょう。自宅に金庫を持っている場合は、必ずその中で保管するようにしましょう。
葬儀会場での防犯について
葬儀会場は人の出入りがとても多く、遺族が面識のない弔問客が訪れることもあり、犯人が分かりにくくなってしまいます。慌ただしい中でも犯罪を防ぐには、どのような手段が有効でしょうか。
家族・親せき間で声をかけあう
特に喪主となる方は、さまざまな打ち合わせや弔問客への対応などに追われます。その合間に、つい気が緩んでしまい、カバンを置いたままにしてしまうなどのことが考えられます。ほんの小さなことでも、おかしいなと思ったら声をかけあいましょう。
見知らぬ人から手伝いの申し出があっても辞退する
万が一、参列者と思われる人から、手伝いの申し出があったとしても、きちんと身元がわからない場合には丁重にお断りしましょう。顔見知りでない人なら尚更です。犯人が、参列者を装って声をかけてくる手口もあるためです。きちんとした服装で現れるので、見ただけで犯人とは気づきません。
お香典の管理なども注意が必要です。
スタッフの顔を、できるだけ早く覚えておく
犯人が、スタッフを装って遺族に近づいてくることがあります。葬儀の終盤になって、香典を預かるという名目で声をかけ、そのまま持ち去る被害も出ています。これを防ぐために、葬儀会場で打ち合わせなどをする段階で、できる限り多くのスタッフと挨拶をしておくと安心です。
スタッフとの打ち合わせを綿密に行う
葬儀の流れ、受付や挨拶の担当、香典を預かる係など、事前に決めておけることはたくさんあります。その場になって慌てることを防ぐために、打ち合わせはできるだけ複数の家族とスタッフで行いましょう。
自宅の留守番を依頼する際に気をつけたいこと
葬儀の留守番について、まず考えたいのは、誰に依頼するかという点です。親族は、葬儀会場に向かうことがほとんどですが、もし会場に行かない親族がいるのなら、その人にお願いするのも一つの方法です。また、喪主と親しい友人がいて、留守番も頼める間柄であれば、お願いしてみるとよいでしょう。隣組の制度が残る地域では、隣組の方にお願いすることもあります。
留守番の方には家の鍵を預けたり、帰宅後の法要の準備をお願いしたりします。また、場合によっては香典、つまりお金を預かってもらう必要もありますので、信頼できる方に頼むことが大変重要です。
葬儀場で留守番を依頼する際に気をつけたいこと
葬儀場では、葬儀業者が対応を受けてくれる場合もあります。ただ、出棺後に遅れて焼香に訪れる弔問客もいますので、親族が留守番として対応できるほうがよいでしょう。
また、葬儀場での留守番の方には、ご遺骨を迎える準備や、お清めの塩の準備、式場の片付けなどをお願いすることもあります。誰が残るか、事前に決めておく必要があります。
留守番を頼まれた方がやるべきこと
留守番を依頼される場合、自宅か葬儀場かのどちらかを頼まれることが多いですが、ここでは自宅での留守番を中心にご紹介します。
自宅での留守番を頼まれたときは、やるべきことがたくさんあるので、事前に流れをつかんでおくとスムーズに対応ができるでしょう。留守を預かる人のことを、「留守居係」と呼ぶことがあります。留守居係の主な役割には、次のような事項があります。
- 自宅へ来られた弔問客へ、式場の案内
- 式場まで足を運べない弔問客から、香典や弔電を預かる
- 電話応対
- 法要が終わり、ご遺族が帰られるまでの掃除、食事の準備、中陰壇の設置・管理
中陰壇とは、火葬場から帰られたご遺骨を、四十九日法要まで安置する祭壇のことをいいます。葬儀業者が設置することもありますが、設置した後にろうそくを灯してお線香をあげるので、灯した後の火の管理が必要です。また、お供え物や精進料理なども用意します。お供え物は、故人が好きだった食べ物などにするとよいでしょう。
自宅での留守番を頼まれた際の服装
留守居係は、式場には出向きませんので、必ずしも正礼服を着用する必要はありません。略礼服(黒や無地の紺、ダークグレーのスーツ)であれば、問題ないでしょう。数珠やハンカチは用意しましょう。
弔電が届けられた場合に、前もって喪主に確認が取れているときは、時間などを考慮した上で、届いた旨を式場へ連絡します。留守居係は、留守中に起きた事項を喪主にきちんと伝えることが必要です。
また、特に親族が留守居係を引き受ける際は、通夜・葬儀で複数の人が交代しながら行うとよいでしょう。親族は、通夜・葬儀のどちらかは必ず参列すべきだからです。
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