夏のお葬式の服装は？夏に着る喪服の正しいマナーと暑さ対策を解説

夏のお葬式で、暑いからといって喪服の着こなしを崩すと、マナー違反になるかもしれません。季節に関わらず、お葬式にはマナーを守った正しい服装で参列するべきです。

この記事では、夏のお葬式にふさわしい服装と喪服のマナー、暑さ対策について解説します。

プロが解説！夏の葬儀の服装と喪服マナー

男性が夏のお葬式で着る服装と喪服のマナー

夏のお葬式で男性が着るのはブラックスーツ

夏のお葬式で男性が着る喪服は、漆黒のブラックスーツが基本です。

通夜なら濃紺やダークグレーのスーツも許されますが、葬儀・告別式に軽装で参加するのはふさわしくありません。お葬式にはブラックスーツを着て、クールビズも避けてください。

ワイシャツは白無地、ネクタイは黒無地

夏の葬儀でスーツの中に着るのは、白無地のワイシャツ。長袖が好ましいですが、ジャケットを脱がないのであれば半袖を選んでも構いません。ネクタイは黒色の無地で、柄・装飾のないデザインを選び、くぼみを作らないように結びましょう。

靴は黒色で革のひも靴

靴下と靴は、喪服とあわせて黒色に統一します。靴を脱いで座敷に上がるとき、白色や柄物の靴下だと目立つので避けましょう。

靴は、つま先に横一文字のステッチのある「ストレートチップ」か、ステッチのないプレーンタイプを選びます。また、靴ひもを通す部分が甲の下を潜る「内羽根式」の靴なら、なおよいです。

結婚指輪以外の装飾品は控える

お葬式では、派手な装飾品は控えるのがマナー。デザインや色の目立つ時計やカフスボタン、ネクタイピンなどはつけないのが無難です。結婚指輪以外の装飾品はつけないようにした方が安心でしょう。

女性が夏のお葬式で着る服装と喪服のマナー

夏のお葬式で女性が着るのはブラックフォーマル

女性が夏のお葬式で着るのは、ブラックフォーマルが基本。葬儀におけるブラックフォーマルとは、漆黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどを指します。

女性の場合、通夜・葬儀では素肌を見せるような服装を避けるのが大切。ワンピースやスカートはひざが隠れる長さで、短くなりすぎないように注意しましょう。また、半袖の喪服を着るときは、上からジャケットを羽織ります。

靴は黒色でシンプルなプレーンパンプス

靴は黒無地で、合皮または布製のシンプルなプレーンパンプスを選びます。リボンやスタッズなど装飾が派手な靴、光沢のあるエナメル素材の靴、つま先の開いたオープントゥパンプス、ピンヒール、ウェッジソール、サンダルなどはマナー違反です。

また、ヒールが低いとカジュアルな印象になるため、3〜5cmを目安に選びましょう。

薄手の黒ストッキングは夏でも必須

暑い夏のお葬式でも、ストッキングの着用は必須。30デニールを目安に薄手の黒ストッキングを必ず履き、素足やタイツの着用は避けてください。

装飾は結婚指輪とパールのアクセサリーのみ

装飾品はパールの一連ネックレスと一粒イヤリング（ピアス）、結婚指輪のみ着用できます。カバンは、布地で金具の目立たないデザインを選び、光沢のある素材や殺生を連想させる動物柄は控えましょう。

また、マニキュアは華美に見えるため、すべて落とします。メイクは薄めにして派手にならないよう注意してください。葬儀ではできるだけ地味な格好を心がけるのが大切です。

夏の喪服は半袖でもいい？正式なマナーは長袖

弔事では肌の露出がタブーとされているため、季節に関わらず、通夜・葬儀には長袖を着用するのが好ましいです。とくに故人や参列者が年配で、マナーを重視される通夜・葬儀に参列するときは、長袖のワイシャツを着用しておくと安心。女性は長袖以外に、ひじが隠れる5分丈・7分丈の洋服を選べば上品な印象になります。

ジャケットを脱がないのであれば、下に着るワイシャツやトップスは半袖でも構いません。移動中はジャケットを脱いで持ち運び、式場近くで着用するのがおすすめです。

夏の喪服はジャケットなし？基本的に上着は必須

通夜・葬儀では、ジャケットを着用するのが正式なマナーです。体調不良をはじめ、特別な事情がない限り、夏のお葬式でも上着は脱がないのが一般的。ただ最近の夏は従来以上に気温が高くなるため、会場で上着の着脱を認めるアナウンスが入る式もあるようです。

また、家族葬や一日葬といった小規模な葬儀が増えていて、会場が屋内になることがほとんど。室内の冷房が効きすぎていると、体が冷えてしまうかもしれません。会場の温度も考慮して、夏の通夜・葬儀でも上着は必須だと覚えておきましょう。

夏の喪服はワンピースのみで大丈夫？上着を持参して

夏の通夜・葬儀で気温が高かったり、喪家や参列者間で上着の着脱が認められていたりするなら、ジャケットなしでワンピースのみでも問題ありません。

ただ前述したとおり、季節に関わらず通夜・葬儀ではジャケットを着るのが正しいマナーです。夏の葬儀・通夜にワンピースのみで参列するときは、シーンや気温にあわせて着脱できるよう、必ず上着を持参してください。

夏用の喪服はいつから着る？衣替えの時期とあわせる

夏用の喪服は、衣替えの時期にあわせて着用しはじめるのが一般的です。

衣替えは、気温が高くなる前の6月と、気温が低くなる前の10月に行うのが通例なので、6月〜9月の間は夏用の喪服を着るとよいでしょう。

夏のお葬式を涼しく過ごすための喪服の選び方

夏に適した素材の喪服を選ぶ

漆黒の喪服は、太陽の光を吸収して熱がこもりやすいです。通気性・吸水性の高い生地でできた喪服を選ぶと、熱や汗を逃がしてくれるので快適。

冷感素材を使った喪服もあるので、あわせて検討してみてください。また喪服だけでなく、インナーも冷感タイプを選ぶとより涼しく過ごせます。

サイズにゆとりのある喪服を選ぶ

体にフィットする喪服だと、風が通りにくく、暑さを感じやすいです。サイズにゆとりがある喪服なら、暑さを上手に逃がしてくれるので、汗をかきにくく快適でしょう。

オールシーズンタイプの喪服を選ぶ

喪服には夏用と冬用があります。大切な弔事の場ですので、季節に応じてしっかりした喪服を用意しておくのは大切。ですが最近は、会場の冷房が効いている葬儀が多いため、夏冬兼用で1年中着られるオールシーズンタイプの喪服を選ぶ人が増えています。

男性は、生地が薄手で通気性のよいジャケットとパンツのセット。女性は、5分丈または7分丈のワンピースとジャケットのセットを選ぶと、1年中対応できるので便利です。

夏のお葬式には正しい服装とマナーで参列しよう

夏のお葬式とはいえ、一般的な葬儀の服装・喪服のマナーと大きく変わりません。肌の露出を避けるため長袖の洋服を選び、ジャケットも着用するのが正式なマナーです。

ただし気温やシーンにあわせて、ジャケットを脱いだり袖丈を調整したりするのは問題ありません。半袖の喪服で参列するときは、必ずジャケットを持参してください。

夏のお葬式にふさわしい喪服をもっていない方は、事前に購入しておくのがおすすめです。はじめて喪服を購入するなら、礼服を専門で扱うスーツ・紳士服専門店が最適。ベーシックで上質な喪服が揃っているのはもちろん、豊富な素材やサイズから好みの喪服を選べます。

何より、プロの意見を聞きながら喪服を選べるので、失敗する心配がありません。喪服の購入を検討している方は、お近くの店舗や公式通販サイトを利用してみてはいかがでしょうか。