故人を悼み偲ぶ葬儀に参列するときは、ふさわしい服装が求められます。子どもの喪服に大人ほど厳密なルールはないですが、普段着で参列するのは望ましくありません。遺族や故人へ失礼のないように、子どもの喪服マナーを把握しておきましょう。
この記事では、赤ちゃんから幼児、中高生、大学生まで、年代別に子どもの喪服マナーを解説します。
目次
子どもの喪服はどうする?私服で代用できる?
葬儀では、故人を偲ぶ気持ちを表すため、喪服を着用するのがマナー。子どもとはいえ、大人と同じく葬儀にふさわしい服装で参列するようにしましょう。
通夜・葬儀に参列する子どもの喪服(礼服)は、制服が基本です。通っている幼稚園・小学校・中学校・高校などの制服があるなら、一式着せておけば大丈夫。シャツをズボンに入れたり、スカート丈をひざ丈にしたりと、正しい着こなしで参列してください。
子どもに制服がなくても、わざわざフォーマルな喪服を揃える必要はありません。黒やグレーなどの暗い色を基調にした控えめな服装を選びましょう。派手な色柄や素材、デザインを避ければ、大人ほど服装に気を遣わなくて問題ありません。
ただし大学生は、大人と同じく喪服を着用するのがマナー。手元に喪服がないなら、訃報をきっかけに1着購入しておくと安心です。
乳幼児の喪服

0〜3歳ごろの乳幼児は、葬儀に参列するのが難しい年齢。積極的に連れていかない方がよいですが、参列せざるを得ない場面もあるでしょう。
赤ちゃんが葬儀に参列するとき、わざわざ喪服を購入する必要はありません。黒を基調としたモノトーンが無難ですが、白やベージュ、グレーなどの淡い色で無地の服装なら問題ないです。慶事を連想させる紅白色や原色、花柄、キャラクター柄などは避け、できるだけ肌を露出しない服装を選びましょう。
不慣れな葬儀会場で長時間過ごすため、乳幼児は世話をしやすく負担のかからない洋服にするのが大切です。
保育園児・幼稚園児・小学生の喪服

子どもの通っている保育園・幼稚園・小学校に制服があるなら、制服を着用するのが正装。制服がない場合は、黒や紺、グレーを基調にしてできるだけフォーマルな服装にします。
葬儀における男の子の服装は、白シャツに黒・濃紺・グレーのズボン。同系色のジャケットやベストを羽織ってもよいでしょう。シャツやジャケットは無地が無難ですが、控え目なワンポイントや目立たないチェック柄は大丈夫です。夏場でブレザーやジャケットが子どもの負担になるなら、上品なポロシャツでも構いません。また就学前の子どもは、無理にネクタイを付けなくてOKです。
女の子の服装は、白い襟付きブラウス・シャツに黒・濃紺・グレーのスカート・ズボン。ワンピースに、落ち着いた暗い色のジャケットやカーディガンを合わせるスタイルが一般的です。スカートは長めの丈を選び、ミニスカートにならないよう気をつけましょう。
中学生・高校生の喪服

中学生・高校生の子どもは、通っている学校の制服を着用します。学生は学校の制服が正式礼服とされるので、別途喪服を用意しなくて大丈夫。本来お葬式にはふさわしくない明るい色のネクタイやリボン、ローファーなども、制服ならマナー違反になりません。ただ、気になるなら外したり、別の靴を用意したりしてください。
中学校・高校の制服がない場合は、制服に近い私服か、大人と同じブラックフォーマルを着用します。私服では、白のシャツ・ブラウスに、黒や紺、グレーなどのボトムス・スカートを合わせましょう。ブラックフォーマルでは、黒のスーツやワンピース、セットアップを選びます。
大学生の喪服

大学生には制服がないため、大人と同じように喪服を着用するのが基本。突然の訃報で駆け付けることの多い通夜は、リクルートスーツやビジネススーツでも構いません。ただ、葬儀・告別式は喪服で参列するのがマナーなので、いずれにせよ喪服が必要になります。
手元に喪服がないなら、訃報を機に喪服を購入するのが一番です。購入する場所に迷うかもしれませんが、はじめての喪服なら紳士服・スーツの専門店が安心。マナーに沿わない喪服を選ぶ心配がなく、長く愛用できる上質な商品が多いです。紳士服・スーツの専門店は、店舗数が多いので直接足を運びやすいですし、最近はインターネット通販でも購入できます。
また、親族から借りたり、レンタルサービスを利用するのもひとつの方法です。
お葬式の子どもの身だしなみ
髪型
お葬式における子どもの髪型は、清潔感を心がけるのが大切。すっきりした髪型にするため、男の子は髪が目や耳にかかるなら少しカットします。また、髪型のセットに大量のワックスやスプレーを使うのは、不潔な印象になるので控えましょう。
髪の長い女の子は、お辞儀をしたとき顔にかからないよう、髪を1つにまとめるのがマナーです。黒色のヘアゴムで、耳より下の位置で1つに結びます。できるだけ、おくれ毛もかからないよう上手く結んでください。
靴・靴下
子どもがお葬式で履く靴は、男女ともに、黒や茶、グレーなど暗い色の革靴・スニーカーが望ましいです。また、シンプルなデザインなら、白色のスニーカーも許容範囲でしょう。サンダルやブーツ、蛍光色の入ったスニーカーなどは控えてください。
靴下は、無地の白色か黒色で、ふくらはぎからひざ丈の長さが適しています。裸足やくるぶし丈のソックス、ひざ上丈のソックス(ニーハイソックス)はマナー違反です。リボンやフリルが目立つ派手なデザインは避け、上品な印象にまとめれば、地味なレースや柄が入った靴下でも大丈夫です。
小物類
子どもがお葬式に参列するときは、アクセサリーやバッグ、時計などの小物類は持ち込まない方がベター。ふだん持ち歩いていないと、無くしたり置き忘れたりするかもしれません。ハンカチやティッシュなど必要な小物類は、親が用意しておくか、ポケットに入れるのがおすすめです。
小物類を持たせるなら、大人と同じく、光沢や金具のない地味なデザインを選びます。
子どもの喪服・お葬式の注意点とマナー
目立つ色柄・デザインは避ける
子どもをお葬式に連れていくときは、目立つ色柄や素材、デザインの服装は避けてください。キャラクターものはもちろん、光沢のあるサテン地やジーンズ、毛皮(フェイクファー)などは、お葬式にはふさわしくありません。
また、子どもは多少許容されるとはいえ、本来葬儀でタブーとされるエナメルや金色の金具は控えた方が安心です。その他、サンダルやブーツ、ローラーのついた靴、音のなる靴などは避けましょう。
負担のかからない服装を選ぶ
服装に気をとられて、子どもの身体に合わない喪服を無理に着せないようにしましょう。とくに小さな子どもは、着心地の悪い洋服を着せてしまうと、式の途中で気分が悪くなったりぐずったりする原因になります。
また、慣れない場所での葬儀は緊張感もあり、長時間拘束されるので体力を使います。葬式は1時間ほどですが、移動やその後の会食も考慮して、身体に負担のかからない服装を着せてください。さらに寒い冬場は、体温の調節ができるよう、軽く羽織れる上着を用意しておくと安心です。
子どもの参列を事前に伝えておく
小さな子どもを連れて参列するときは、遺族や葬儀社のスタッフにあらかじめ声をかけておきます。「小さな子どもがいます」と伝えておくことで、席の位置に配慮してくれたり、ベビーカーの移動を手伝うスタッフを配置してくれたりするかもしれません。
また、ベビールームや多目的トイレ、授乳室などの有無を確認しておきましょう。小さな子どもと葬儀に参列するのはハードルが高く感じますが、葬儀社のスタッフをはじめ、周囲のサポートがあれば安心して参列できます。
出入口に近い席に座る
乳幼児と一緒の葬儀では、式場の出入り口に近い席に座ること。ぐずったり泣いたりしたとき、サッと外に出て対応できるような場所を選ぶのが重要です。おもちゃやお菓子、オムツなどを別室・廊下に用意しておけば、持ち運びの負担も減らせます。
また、小学生でも低学年くらいの子どもだと、式場で長時間じっとしているのは難しいでしょう。席を外しても目立たないよう、出入りしやすい場所に座らせてあげてください。
子どもの喪服を購入する場所
ユニクロ・ジーユーの子ども喪服
ユニクロ・ジーユーの子ども用フォーマルは、シンプルでベーシックなデザインが特徴。価格帯は2,000円~4,000円と手頃で、サイズ展開は100〜160が主流です。ダークカラーのジャケットに、男の子ならパンツ、女の子ならスカートやワンピースを合わせましょう。
ユニクロ・ジーユーは、実店舗が多く、すぐに買いに行けるのがメリットです。喪服は着る機会が少ないため、成長途中の子どもはすぐサイズが合わなくなってしまいます。突然訃報を受け、限られた時間で喪服を揃えたり、買い替えたりする必要があるときに、ユニクロ・ジーユーは便利です。
西松屋の子ども喪服
手頃な価格で、さまざまな子ども服を購入できると人気の西松屋。1,500円以内で購入できるアイテムが多く、すぐにサイズアウトする子ども服では大きなメリットです。
西松屋の子ども用喪服は、ベビーから小学校中学年まで、豊富なサイズが揃っているのが特徴。デザインも選べるので、本格的なフォーマルでなくても許容される低学年の子どもに向いています。慣れない葬儀に落ち着いて参列できるよう、着心地を重視して子ども用喪服を選んでもよいでしょう。
人気ブランドの子ども喪服
受験・入園入学・結婚式などの予定があるなら、イベントで着まわすことを前提にして、きちんとしたフォーマルウェアを購入してもよいかもしれません。
ファミリア、ミキハウス、コムサイズムなどのブランド子ども服は、デザインが上品で着まわしやすいです。慶弔問わず使える黒無地のジャケット・ズボンとワンピースを購入しておけば、シャツやネクタイ、アクセサリー、小物類を変えるだけで、さまざまなフォーマルシーンに対応できます。子ども用フォーマル服として人気なので安心して着せられますし、1着用意しておけばあらたまったお呼ばれの場で着まわせて重宝します。
Amazon・楽天市場・イオン・ベルメゾンなどの子ども喪服
子どもを連れて喪服を選びに出かける余裕がないなら、ネット通販を利用するのもひとつの方法。子ども用の喪服は、Amazonや楽天市場、イオン、ベルメゾンなど、さまざまな通販サイトで扱っているので便利です。遠方のお葬式に駆け付ける場合、配送先に宿泊先を指定したり、お急ぎ便を利用したりすると、より手間を省けます。
またネット通販は、店舗より選択肢が多く、商品を比較しやすいのも魅力です。一方で、サイズを間違えたり雰囲気が想像と違ったりと、トラブルが起こる可能性もあるので注意が必要。過去に利用経験のあるショップを選んだり、余裕をもって注文したりするのが大切です。
お葬式は子どもの喪服マナーを守って参列しよう
制服のない小さな子どもなら、派手な色柄や素材、デザインを避け、落ち着いた服装でまとめれば問題ありません。お葬式にふさわしい服装になるよう、親が配慮していることがわかれば大丈夫です。
ただ大学生以上になると、喪服を用意するのが正式なマナー。手元に喪服がないなら、葬儀のお知らせを機に1着購入しておくと安心です。
はじめて喪服を購入するなら、喪服を専門で取り扱っている紳士服・スーツの販売店がおすすめ。生地や裁断、縫製などの仕立てがよいのはもちろん、ベーシックなデザインの喪服が揃っているので長く着用できます。またサイズ展開も豊富だから、自分にピッタリな喪服を選べるのも魅力です。
大人のたしなみとして、喪服・ブラックフォーマルを購入してみてはいかがでしょうか。
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