ひとくちに喪服といっても、デザインやサイズはさまざまです。とくに喪服のスカート丈は身長や体形によって変わるため、葬儀で着てマナー違反にならないか心配かもしれません。
この記事では、喪服の適切なスカート丈と裾直しの方法、喪服の着こなしマナーを紹介します。葬儀で短い・長いスカート丈の喪服を着て失礼にならないよう、ぜひ参考にしてください。
目次
まずは格式別の喪服の種類を確認

スカート丈を直す前に、まず知っておきたいのが喪服の格式について。
喪服は、正喪服、準喪服、略喪服の3種類に分けられます。
一番格式が高いのが正喪服で、喪主や遺族が葬儀で着用する喪服です。黒紋付の着物やブラックフォーマルが基本で、洋装ではスカート丈が長いほど格式が高いとされています。
次に格式が高いのが準喪服。参列者が着用するのが一般的ですが、最近は葬儀の簡略化が進み、喪主や遺族が着用することも多いです。正喪服と同じくブラックフォーマルを着用しますが、スカート丈は膝下くらいが目安になっています。
一番格式が低いのは略喪服で、参列者が通夜や三回忌以降の法事で着用します。略喪服はダーク系のスーツやワンピースを指し、パンツスーツを履いても問題ありません。
喪服のスカート丈・長さは?膝下5cm以上
準喪服・略喪服で葬儀に参列する場合は、椅子に座ったり、正座したりしたときに膝が出ない丈が好ましいです。喪服のスカート丈は、膝下5cm以上からふくらはぎまでを目安に考えてください。20〜30代の女性なら、ひざ丈のスカートが年齢的にもふさわしいでしょう。
反対に、準喪服・略喪服でくるぶし丈のスカートを履くと、正喪服より格式が高くなってマナー違反になりかねません。また、喪服はおしゃれをするための服ではないので、目立たず控えめなほうが無難です。肌の露出も避けなければならないので、膝が見える丈やミニスカートにならないよう注意してください。
喪服でロングスカートは失礼?立場によってはOK
前述した通り、喪服のスカートは長いほど格式が高くなります。そのため、喪主や遺族が着る正喪服なら、くるぶし丈のロングスカートが望ましいとされています。
一方、参列者がロング丈の喪服を着ると、喪主や遺族より格式の高い服装になりかねません。葬儀では、主催側である喪主・遺族がもっとも格式高い喪服を着るのがマナーなので、失礼にあたる可能性があります。立場によって、喪服のスカート丈にも気を配るようにしてください。
また喪服のスカート丈は、地域によってマナーが違います。なかには、60代以降の方はもちろん、若い世代もロング丈の喪服を着用するのが望ましいとする地域もあるようです。喪服のスカート丈に迷ったときは、地域にお住まいの年配者や親戚に相談してみましょう。
喪服のスカート丈が短い・長いときはお裾直し
喪服のスカート丈が短い・長いときは、お裾直しを検討してみましょう。
喪服は葬儀で着用する格式高い服装ですから、お裾直しはプロにおまかせするのが安心です。喪服を購入したお店に相談したり、洋服のお直し専門店に依頼したりしてみましょう。通常、喪服のお裾直しには数日ほどかかりますが、なかには当日〜翌日に仕上げてくれるお店もあります。
また、もし手元の喪服が古かったりサイズが合わなかったりするなら、これを機に買い替えるのもひとつの方法。紳士服専門店なら、豊富なサイズ・デザインを取り扱っているため、自分にピッタリの喪服を選べます。
たとえば、洋服の青山では、豊富なサイズの喪服を揃えているのはもちろん、即日のお裾直しも受け付けています。他社製品やお持ちの喪服も対応してくれるので、相談してみるのがおすすめです。
スカート丈以外におさえておきたい喪服のマナー

- 肌の露出を控える
- 薄手の黒ストッキングを履く
- 靴は黒のプレーンパンプスを選ぶ
- アクセサリーは結婚指輪だけが基本
- 派手な色柄、素材の小物は避ける
スカート丈以外にも、喪服には着こなしのマナーがあります。ここでは女性向けに、おさえておきたい喪服のマナーを5つご紹介します。
肌の露出を控える
通夜や葬儀では、肌の露出を控えるのがマナーです。胸元が開いたデザインの喪服は避け、首が詰まっているトップスや首元までボタンのあるジャケットを選びましょう。
また、袖丈は長袖が望ましいですが、肘が隠れる5分〜7分丈の喪服でも問題ありません。シースルー素材やノースリーブの喪服は、上着を羽織って肌を見せすぎないようにしてください。
薄手の黒ストッキングを履く
喪服には、薄手の黒ストッキングをあわせます。素足で葬儀に参列するのはタブーとされているので、必ず薄手の黒ストッキングを履きましょう。
また、肌色のストッキングやタイツもマナー違反になる可能性があるため、避けた方が無難です。
靴は黒のプレーンパンプスを選ぶ
女性がお葬式で履く靴は、黒のシンプルなプレーンパンプスが基本です。素材は光沢のない布か革で、ヒールの高さは3〜5cm。つま先はラウンドトゥかスクエアトゥのパンプスを選びましょう。
サンダルやミュール、スニーカーなどは、通夜・葬儀にふさわしくありません。また、オープントゥやポインテッドトゥ、ウエッジソールの靴もカジュアルな印象が強いため、避けてください。
アクセサリーは結婚指輪だけが基本
お葬式では本来、結婚指輪以外のアクセサリーをつけないのがマナーです。ただ洋装の場合、故人を悼む涙を表す、真珠のネックレスとイヤリング(ピアス)はつけても問題ないとされています。
真珠のネックレスは鎖骨にかかる短めの1連タイプ、イヤリング(ピアス)は1粒の固定タイプを選ぶこと。2連ネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させますし、2粒タイプや揺れるイヤリング(ピアス)は、華美な印象を与えるのでつけないようにしましょう。
派手な色柄、素材の小物は避ける
葬儀では、派手な色柄、素材の小物は身に着けないように注意しましょう。とくに、ワニやヘビといった動物柄の革製品は「殺生」を連想させるため避けてください。ちなみに、本来は革製品すべてがマナー違反とされていましたが、最近は動物を連想しにくい無地の本革や合皮は問題ないとする風潮が強いです。
葬儀に持参するカバンやアクセサリー、ハンカチなどで迷ったときは、黒色・無地・装飾のない小物を選んでおけば間違いありません。
スカート丈のマナーを守って喪服を着こなそう
お葬式は、故人と最後のお別れをする大切な儀式。ご遺族や参列者に不快な思いをさせないよう、葬儀にふさわしい服装で参列すべきです。女性の場合、スカート丈はもちろん、ストッキングや靴、アクセサリーにまで配慮して、失礼のない服装をしなければなりません。
もしお手元の喪服が、スカート丈の調整が必要だったり、サイズが合わなかったりするなら、一度紳士服専門店に足を運んでみるのがおすすめです。プロにスカートの裾直しを依頼できるのはもちろん、買い替えも視野に入れつつ喪服について相談できます。
いざ訃報を受けたときに慌てないよう、大切な儀式であるお葬式にふさわしい喪服を用意しておいてはいかがでしょうか。
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