わたしの娘、あゆみへ

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今は亡き子どもたちへ

あゆみ、大好きなじいちゃんやババちゃんにかわいがってもらってますか? 役に立っていますか?

ママがあゆみを送って二年半が経ちました。あゆみとの時間はどれだけ時が過ぎても忘れることなんか一つもなくて、いつも心の中にあります。

あゆみの笑い声、肌の温かさ、目の輝き、親指の形、へたくそなカラオケ、泣き顔、水層をじっと見ている背中の感じ。今にも「ママ!」って、そこから手を振ってくれそうな気がします。羽田空港で待っていたらゲートから出てくるんじゃないかな、なんて本気でいつも思っています。

あゆみ、お世話になった高校の吉田先生が教頭先生になったんだよ。嬉しいでしょ。

あの時、訃報を聞いた先生は、お花を持ってすぐに来てくれたんだよ。「とても上がれないから」と言って、玄関でお帰りになりました。

あの時の先生の表情も、ママは決して忘れてはいけないものだと思いました。

先生は「あゆみさんの手がけた研究を必ず引き継いで、絶対に形にします」とおっしゃっていました。救いなど一つもないあの時のママにとって、神様の言葉でした。

それから三ヵ月くらいたった朝、新聞を読んでびっくり!

「高校生、うなぎのふ化に成功」の見出しです。

ママは朝から嬉し泣きです。あゆみの手がけた研究が実を結んだから。吉田先生はあゆみとの約束を覚えていてくれたから……。

あの日、仕事を終えて帰ってみると、留守番電話が入っていました。吉田先生からです。

「とうとうやりました。ふ化に成功しました。あゆみさんとの約束が果たせました。あゆみさんが一番喜んでくれると思って電話しました」

吉田先生の声を聞きながら、ママは声を出して泣きました。

あゆみに届いていましたか? 嬉しかったね。

ずっと動かなかったあゆみの時間が、みんなのおかげで進みました。そして、あの日の新聞は我が家の宝物になりました。

ママはあゆみに伝えたいことが山ほどあります。パパのこと、弟のこと、ママのこと、ゴーヤのこと、あの金魚のこと……。嬉しい知らせがたくさんあります。

そして、いつも感じているのは、あゆみの応援のおかげだってことです。

神様の一番近くにいるあなたが神様に頼んでくれているのを、ママはちゃんと知っています。だから、こうして今日も頑張れているのだと感謝しています。

またね。あゆみ!

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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