2017年3月10日、東京・港区の青山葬儀所で、故・坂本龍馬さんをテーマに「お別れ会体験イベント『龍馬Story』」が開催されました。
日本の歴史上の人物の中でも、もっとの人気の高い人物のひとり。数々の功績を残しながらも若くして非業の死を遂げた坂本龍馬さん。その死に目に会えずに帰りを待ち続けていた妻、おりょうさんが150年の時を経て、お別れ会を主催しました。
株式会社鎌倉新書が運営するお別れ会プロデュースサービス「Story」と、青山葬儀所の指定管理者である日比谷花壇グループとのタイアップ企画。
日ごろ、各界の著名人の葬儀やお別れの会が行われている会場の中央には山を模した生花祭壇が登場。月琴の音色にあわせて故人への手紙の朗読や、献酒で故人を偲びました。
さらに、故人と同じく土佐出身の直木賞作家、山本一力さんも登壇し、坂本龍馬さんの生きざまを語りました。
目次
施主は妻のおりょうさん
今回のお別れ会の施主は、坂本龍馬さんの妻・おりょうさん。
おりょうさんが坂本龍馬のお別れ会を「Story」に依頼してきたという想定で、新しいお別れのカタチを体験するという内容でした。
坂本龍馬さんとおりょうさんと言えば、日本で最初に新婚旅行をした二人としても知られています。
この時、二人が薩摩に到着したのがちょうど3月10日だったこともあって、今回のイベント「龍馬Story」は3月10日に実施しました。
当日は、「Story」のウェブサイトで事前に申し込みをした坂本龍馬ファンら、約100名の方が集いました。
和服姿の方や、華やかな洋装の方もいれば、スーツ姿の方やラフな服装の方も。まるで袴にブーツを履いていた龍馬さながら、それぞれがおもいおもいの自由なスタイルで訪れています。
空間を大胆に利用した会場
会場の中央には、龍馬とおりょう、二人が新婚旅行で訪れた鹿児島・高千穂の霧島山の風景をイメージした祭壇を設置。
大きく引き伸ばした龍馬の写真を囲むように、野の花のようなかわいらしさを表現したたくさんの生花が飾られ、山の周囲には献酒台が設けられていました。
供花芳名版には幕末の人物が名を連ねました
供花芳名版には、勝海舟、松平春嶽、西郷隆盛、桂小五郎、後藤象ニ郎、長岡謙吉、陸奥宗光、中江兆民、トーマス・グラバー、小曽根英四郎、河田小龍、三吉慎蔵、登勢と、幕末に活躍した人物らが名を連ねていました。
また、祭壇の後方となった舞台のスクリーンには、出席者の方々から事前に寄せられた、龍馬への思いも投影していました。
ちなみに、この供花芳名版は、「龍馬Story」のロゴを書いた書道家の方が、すべて手書きで書き上げたものです。
このロゴも、5名の書の専門家がそれぞれ書いた「龍馬」という文字の中から、今回のお別れ会に最もイメージの合うものが選ばれています。
おりょうさんが弾いていたという月琴の生演奏
開式後、まずは黙祷です。
出席者は全員が起立し、祭壇に向かい黙祷を捧げます。
おりょうさんが弾いていたという月琴の生演奏を聞きながら、司会がおりょうさんの手紙を朗読。龍馬と過ごした3年間や、薩摩で過ごした3か月間の思いなどを記した内容に聞き入りながら、龍馬を偲びました。
演奏は、月琴奏者の永田斉子さんです。
献酒でお別れ
続いて、月琴の音色とともに、参加者が一人ずつ献酒を行いました。
日本酒のしっとりとした香りが会場をほんのりと満たしていきます。
「世の中が複雑になるほど、龍馬の志が大事になる」
献酒を終えると、龍馬さんと同郷、高知県出身の直木賞作家、山本一力さんが登壇。山本さんが龍馬への熱い思いを語りました。
19歳で江戸に出てきた龍馬が黒船を見たことや、トーマス・グラバーとの出会いなどを挙げ、「大事な局面に居合わせることのできる星の強さ」についてや、「プラスマイナスを考えて世の中に役立つのかなどを考えることなど、わずか30数年の生涯で教えてくれた」と述べ、「世の中が複雑になるほど、龍馬の志が大事になると思う」と語りました。
土佐の料理と酒で偲ぶ
祭壇を囲んで、土佐の郷土料理、名酒ととも和やかに歓談のひとときを送ります。
出席者からは「龍馬は、日本を語るうえで欠かせない人物。今回のテーマは良かったと思う。プラスの空気を感じた」(義仙会会長の長塚正晃さん)と語っていました。
祭壇を飾ったお花を最後にプレゼント
今回の「龍馬Story」で祭壇を飾った花々は、お別れ会の終了後、集まった方々にプレゼントされました。
青山葬儀所の利用促進日とは?
青山葬儀所の利用促進日とは、青山葬儀所指定管理者が主催者となり、共催者と共に青山葬儀所で執り行う葬儀やお別れの会について広くアピールする専用の日です。
共催者は社葬セミナー、模擬の葬儀やお別れの会、お料理の試食会などの各種イベントに、青山葬儀所を活用できるというもので、青山葬儀所の設備点検日の午後、本来葬儀の行われない時間を活用するため、会場利用料は無料となります。
第1回となる今回は、青山葬儀所始まって以来、初の試みということもあって、各方面からの注目を集めました。こうした催しを行う日として、今年度中にあと3回の利用促進日が予定されています。
(田沢理恵)
大切な方を偲び、思い出を語る「お別れ会・偲ぶ会」
お別れ会・偲ぶ会というと、著名人や経営者の方が行うイメージがありますが、実は最近では一般の方が行うケースも少なくありません。新しいお別れのカタチとして「お別れ会・偲ぶ会」が広まってきた反面、何をどのように進めたらいいのかまったく分からない……という方も多く、お別れ会の企画・会場選びから当日の運営まで専門会社に依頼して行う方が増えてきました。
当サイトを運営する鎌倉新書でも、お客様のご要望にお応えするため、お別れ会プロデュース専門サービス「Story」を提供しています。ライフエンディング事業を長年に渡って行ってきた経験から、参加される方々にご満足いただけるお別れ会・偲ぶ会をプロデュースいたします。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。