【移乗介助】車椅子からベッドに移乗する手順と7つの注意点

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  • 車椅子からベッドに移動するときは、事故が起こりやすい
  • 移乗介助では、気を付けるべき7つのポイントがある
  • 移乗をより安全に行うには、車椅子の定期的なメンテナンスが重要

車椅子からベッドへの移乗とは、車椅子で生活する方が、介助者の力を借りて車椅子からベッドに移動することです。
移乗の際はできるだけ少ない負担で安全に行うために、いくつか注意すべきポイントがあります。正しい姿勢や力のかけ方を意識し、声かけなどの工夫を行うことによってスムーズな移乗が可能になります。また、車椅子の点検も欠かさず行うことが重要です。
ここでは、移乗の際の手順や気を付けるべきポイントについて解説します。

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車椅子からベッドへの移乗は事故が起こりやすい

車椅子は、病気や怪我で歩きにくくなった方にとって、とても大切な移動手段です。
しかし、そんな車椅子からベッドに戻るときは、事故が起こりやすいタイミングでもあります。もし転落すれば骨折などの重大な怪我に繋がるおそれもあるため、移乗の際は注意深く行わなければなりません。
また、移乗は1日に何度も行うことがあるので、できるだけ、介助者にとっても本人にとっても負担の少ない方法で行う必要があります。

車椅子からベッド(移乗介助)手順と方法

まず、できるだけ車椅子をベッドに寄せ、ベッドサイドと平行になるように車椅子を付けます。車椅子のブレーキをしっかりかけ、移乗時の振動で動いてしまわないようにしましょう。さらに、事故防止のためにフットレストを上げます。
介助者は被介助者の腰や背中に腕を回して添えます。どこかに痛みなどがあるようであれば、そこは避けて触れるようにします。被介助者の腕は、介助者の肩に置くように促しましょう。
介助者は車椅子に座った被介助者の上半身を自分の方に引き寄せて、体を密着させます。前かがみで体を預けてもらうような形です。このようにすることで、被介助者は負担が軽くなり、自力で立ち上がりやすくなります。また、車椅子から上に引き上げるよりも、前に引き寄せることで立ち上がりやすくなります。
下半身は、介助者が足をしっかり開き、開いた足の間に被介助者の両足を入れます。そして、被介助者の足を軸にしてベッドへ移動させましょう。
移乗するときは、お互いにタイミングを合わせるための合図をあらかじめ決めておくなど、負担がより少なくなるよう工夫するのもおすすめです。

車椅子からベッド(移乗介助)7つの注意点

上記の手順で移乗を行う際、特に気を付けるべきポイントを7つご紹介します。

フットレストを必ず上げる

フットレストを下げたままにしておくことで、事故が起こる危険性は高くなります。フットレストに被介助者の足が当たって肌が傷ついてしまったり、誤ってフットレストを踏んで車椅子が動き、被介助者に当たり怪我に至ったりすることもあります。

腕力だけで持ち上げない

介助者が腕力だけで被介助者を持ち上げようとすると、そのまま体勢を崩してベッドなどに倒れこんだり、転倒したりしてしまうことがあります。女性が男性を介助する場合や、体格差がある場合などは特に注意が必要です。

関節や腰への負担に注意する

介助する際は、背中をまっすぐにして行いましょう。前かがみやそりすぎた姿勢では、関節や腰に大きな負担がかかります。

ベッドに腰を下ろす際はゆっくりと

ベッドに移動して腰を下ろす際、勢いよく座ってしまうと腰椎圧迫骨折の危険があります。浅すぎず深すぎず、安全を確認しながらゆっくりと座るよう気を付けてください。

できるだけ被介助者自身の力で行う

介助全般にいえることですが、被介助者の残っている能力を最大限活用することも重要です。例えば移乗の際に被介助者自身の軸足をうまく使えれば、筋力を維持するためのリハビリになります。
被介助者自分でできることがあるのにすべてを介助してしまうと、かえって筋力を衰えさせてしまいかねません。また、介助者にとっても負担が減り、無理なく介助することができます。移乗などの際には、被介助者に残された能力を活かすことを意識して行うことも必要です。

当事者に合わせた方法で

移乗介助のやり方は、ここで紹介した以外にもバリエーションがあります。介助者や被介助者の体力や体格などに応じて使い分けることで、より負担をかけず、柔軟に介助を行うことができます。

車椅子の点検はしっかり行う

日ごろ使う車椅子に何らかの不具合が起きていないか、点検を欠かさず行う必要があります。やり方のポイントは、次の項目で詳しくご紹介します。

移乗介助をより安全に!車椅子の点検ポイント

移乗をより安全に行うためにも、車椅子の定期的なメンテナンスが重要です。常に良い状態を保つようにしましょう。
まずは、全体的に壊れているところや、異音やガタつくところがないか確認します。
次に、長時間座って過ごすものなので、座り心地を整える必要があります。座り心地が悪いと腰痛や床ずれの危険性があるので、クッションやマットを利用し、できるだけ負担なく座れる状態にします。
そして、停車するときの事故を避けるために、ブレーキの利きをチェックしておきます。問題があれば、ワイヤーやタイヤをしっかりと整備・点検しましょう。タイヤの空気圧や、車輪がきちんとまっすぐに進むか、歪みなどはないかも確認します。

車椅子を定期的に点検することで、安心かつ使い心地の良い状態を維持できるでしょう。

移乗介助は介助者・被介助者の息を合わせて

車椅子からベッドに移乗するための手順や工夫、注意すべき7つのポイントについてご紹介しました。介助の際には、介助者の負担をできるだけ減らす方法で、被介助者の残存能力を活かしながら息を合わせて行うことが大切になります。

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