桂歌丸さんの告別式。横浜・妙蓮寺に2,500名もの参列者が最後のお別れに

2018年7月2日に慢性閉塞性肺疾患で亡くなった落語家、桂歌丸さんのお別れ会(合同葬告別式)が7月11日、横浜市北区の妙蓮寺で行われました。会場には関係者約1,000名、ファンの方々約1,500名、合計約2,500名の人々が集まり、最後のお別れをしました。お別れ会は桂歌丸さんのご家族と、公益財団法人落語芸術協会の合同で、施行は株式会社メモワールです。

 

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桂歌丸さんのお別れ会(合同葬告別式)式次第

 

7月11日、14時から始まった合同葬告別式の式次第は次の通りです。

また献花の間は、歌丸さんの噺す落語が流れていました。

 

式次第

黙祷

弔辞

公益社団法人 落語芸術協会 最高顧問 桂米丸

一般社団法人 落語協会 会長 柳亭市馬

笑点代表 林家木久扇

挨拶

友人代表 中村吉右衛門

弔電奉読

内閣官房長官 菅 義偉

横浜市長 林文子

日本放送協会 会長 上田 良一

謝辞

公益社団法人 落語芸術協会 会長代行兼副会長 三遊亭小遊三

単独指名献花

献花

 

白い菊のラインが美しい祭壇

真っ白なラインと青がきれいな生花祭壇は桂歌丸さんが生涯を過ごした、横浜の海を表現しています。戦時中の疎開していた時期を除けば、ずっと横浜で暮らしていたという歌丸さん。「横浜で生まれて横浜で最期を迎えた」と桂米助さんは言います。

横浜の海をイメージした祭壇(画像提供:落語芸術協会)

 

中央に飾られた遺影は、2015年に国立演芸場の高座に出演した際に撮ったもので、法名は「眞藝院釋歌丸(しんげいいんしゃくかがん)」です。真摯に芸に取り組んだこと、生まれ育った町が横浜市の真金町ということを表し、この法名になったそうです。

 

桂歌丸さんへの弔辞

落語芸術協会最高顧問で、歌丸さんの師匠でもある桂米丸さん、落語協会会長の柳亭市馬さん、笑点を代表して林家木久扇さん、そして友人を代表して中村吉右衛門さんが弔辞を奉げました。

桂米丸さんの弔辞(画像提供:落語芸術協会)

桂米丸さんは、歌丸さんが米丸さんの弟子になったころの思い出や、歌丸さんが古典落語の道に入ったときの様子など、さまざまなエピソードを紹介。「みんながあなたを守っていた」と歌丸さんをそばで支えたご家族の話も交えながら、「お見事でした」と語りました。

 

柳亭市馬さんの弔辞(画像提供:落語芸術協会)

続く、柳亭市馬さんは、歌丸さんが後輩に対して、いつどこで会っても「本当にやさしく、いつくしむように接してくれた」といいます。歌丸さんが『笑点』の大喜利の幽霊姿で出てきてくれたら、とても嬉しいと笑いを誘います。

 

林家木久扇さんの弔辞(画像提供:落語芸術協会)

『笑点』を代表して、林家木久扇さんは、歌丸さんとの50年近い長いお付き合いの中での楽しい事件を暴露。東南アジアに旅行へ行った際に飛行機に乗り遅れた話や、時代劇に出演して「台詞を減らしてくれ」と頼んで監督に驚かれたといった話で会場を沸かせました。

 

中村吉右衛門さんの挨拶(画像提供:落語芸術協会)

さらに歌舞伎俳優の中村吉右衛門さんが、友人を代表して最後の挨拶を行いました。

途中、涙で言葉を詰まらせながら、「落語を遺し、そして落語のお客様を遺し、やるべきことをすべてやりつくして旅立たれました。言ってみれば独り勝ちみたいなもの」と歌丸さんの人生を評し、「師匠、勝ち逃げはずるいよ」と締めくくりました。

 

「機嫌よく旅立てたのではないかな」三遊亭小遊三さんの謝辞

友人代表の挨拶の後は、落語芸術協会の会長代行兼副会長の三遊亭小遊三さんが「みなさま方のおかげをもちまして、歌丸師匠も機嫌よく旅立てたのではないかなと思っております」と謝辞を述べました。

そのうえで、遺族の方の悲しみはもちろんのこと、落語芸術協会にとっても「シンボルであり、大黒柱であった歌丸師匠を失うということは大変な痛手。遺された会員一同、一人一人が力をつけて、以前にも増した確固たる落語芸術協会を築いていきたい」と語りました。

三遊亭小遊三さんの謝辞(画像提供:落語芸術協会)

メモリアルコーナーには人気番組『笑点』のセットも

ネタ帳をはじめ、歌丸さんの愛用の品々(画像提供:落語芸術協会)

開場の別室にはメモリアルコーナーが設けられ、歌丸さんが高座に出演している写真の数々がパネルで展示されたほか、着物や扇など、愛用品の数々が展示されていました。

 

中でも目を引くのが、歌丸さんが長年司会を務めた『笑点』のセットです。歌丸さんは『笑点』の前身となった番組『金曜寄席』の第1回目から出演していました。

『笑点』50周年記念の車いす(画像提供:落語芸術協会)

 

「あの背中は追い越せません」歌丸さんのお別れ会 参列者の声

桂歌丸さんのお別れ会には、落語会をはじめ、多くの方々が集いました。

三遊亭小遊三さんと桂米助さんは、インタビューに応えて、『笑点』の大喜利で歌を歌ったら座布団をとられてしまうので歌が嫌いなのかと思っていたら、歌丸さんご自身は自宅で歌を歌っていたらしいといった話を披露し、笑いを誘いました。

「あの背中は追い越せません」「あんなにきっちりする師匠はいない」と改めて歌丸さんの存在の大きさをかみしめていました。

 

桂歌丸さんのお別れ会に参列した方々

桂文珍さん

 

泉ピン子さん

 

尾上松也さん

 

林家たい平さん

 

(取材・執筆/小林憲行)

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