10月22日に亡くなった俳優、平幹二朗さんのお通夜が2016年10月27日、東京・港区の青山葬儀所で営まれました。
蜷川幸雄作品をはじめ、数々の舞台、映画、テレビドラマなどで活躍。現在、フジテレビで放映中の『カインとアベル』が遺作となりました。
18時から始まったお通夜には、関係者らが訪れ、名優の突然の死を悼みました。喪主は息子で俳優の平岳大さん。施行は株式会社公益社(燦ホールディングス株式会社)。
白を基調にシンプルなデザインの祭壇
祭壇は白を基調に、段々が美しい落ち着いた印象です。シンプルなデザインで、中央の遺影の周囲にはグリーンのカーネーションを配しています。
使用されている花は、コチョウラン20本、バラ1,200本、スプレーマム200本、カーネーション500本、トルコキキョウ400本、カーネーション300本、ブプレリューム200本、そのほかレザーファン、ロベです。
遺影はプロフィール写真で、3年ほど前に撮影されたそうです。
お通夜は真宗大谷派の僧侶の読経によって営まれました。
蜷川幸雄さんのお葬式で、再会を約束してた?
平幹二朗さんは、2016年5月12日に亡くなった演出家、蜷川幸雄さんの舞台にも多数出演していて、5月16日、同じく青山葬儀所で開かれた蜷川幸雄さんの合同葬では、蜷川さんのために弔辞も奉読していました。
その弔辞の締めくくりは、『タンゴ・冬の終わりに』の中の一節から、「僕らはまた近いうちに再会する」という言葉を捧げています。
もしかしたら、この日が訪れることをどこかで感じていたのかもしれません。
元妻、佐久間良子さんもお別れに
お通夜の会場には、女優の三田佳子さんや、狂言師の和泉元彌さんら、多くの関係者らが集まりました。
また、女優で平幹二朗さんの元妻、佐久間良子さんも駆けつけました。喪主を務めた平岳大さんのことについて「ご立派でしたね」という報道陣の言葉に「ありがとうございます」と一礼されていました。
女優の高橋惠子さんは、「舞台を拝見した時、『(身体の)中身はボロボロだよ』とおっしゃっていましたが、舞台では(そのようなことは)全く感じさせませんでした」とコメントしていました。
数年前に平幹二朗さんと「共演させていただいた」という和泉元彌さん。
「本当に勉強させていただくことが多くて。あのご年齢で、若者を引っ張って体現してくださる方でした」と故人を偲びました。
会場にはファンのためのお別れの場も
会場には、ファンの方のために特設の祭壇も用意されました。
平幹二朗さんは広島県広島市出身で、1956年に俳優座から舞台デビュー。
俳優座を退団した後も、浅利慶太さん演出の『ハムレット』で主役を演じるなど数々の舞台で活躍。1970年代以降は、蜷川幸雄さん演出の作品でも長い年月にわたって主役を演じ、国内外で高い評価を得てきました。
映画やテレビドラマなど映像の分野でも幅広い活躍を続け、フジテレビで現在放映中の『カインとアベル』では、高田宗一郎役を演じていました。
(取材:草川一、小林憲行)