「納棺」と「六文銭」とは?納棺時に気をつけたいマナーについて

納棺時に棺に収める六文銭について
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納棺とは

お葬式における地方色(風習など)が時代とともに薄れる中、通夜の前に行われる「納棺(のうかん)」は、その土地の慣習が未だ色濃く残っています。

納棺は、故人を棺に安置するだけでなく、その土地で継承されてきた副葬品なども旅支度の装いとともに納める大切な儀式。

あの世への旅支度として、葬儀担当者または納棺士の手により故人は白装束にお着替えされます。
これは、白無地の着物で左前に着せますが、最近ではご遺族のご希望にそって、故人が生前お好きだった洋服や着物などを用いることもあります。

六文銭とは

納棺時、頭陀袋(ずだぶくろ)といわれる袋に印刷されたお金「六文銭」も一緒に入れますが、この「六文銭」については知らない方が非常に多いのが現状。

六文銭は、江戸時代に使われていたお金の単位で、今の180円~300円くらいの価値になるのではないかといわれています。

江戸時代は本物のお金を納棺していたようですが、文の廃止、火葬の際、炉内に金属を入れることが禁止されたことなどの理由から、紙に印刷されたものが使われるようになりました。

この六文銭は、三途の川の「渡し賃」といわれ、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六道にいる地蔵菩薩に一文ずつ置いていくためだそう。

私は研修講師としても各地にうかがう機会がありますが、これまでに納棺の際の副葬品で印象に残った地域は福島と長崎でした。

福島では(上記の) 頭陀袋に印刷された六文銭だけでなく、お味噌や五穀米が遺族の手で納められていました。旅立つ道中の食事代わりですね。一方、長崎では「四十九髪(しじゅうくかみ)」の風習が一部地域で今も残っています。

これは、近しい人、四十九人の髪や爪を切って頭陀袋に入れるというもの。仏の元へ向かうとされている、亡くなってから四十九日まで故人がさみしくないようにと気遣った先人たちの想いでしょう。

納棺時に気をつけたいマナー

ところで、納棺の儀式時は普段着で大丈夫です。ただ、最近は、納棺後すぐに通夜ということもあるため、その際には喪服で立ち会います。

今回、ご紹介してきた仏教的な副葬品以外に思い出のお写真や愛読書、衣類などの愛用品が納められることも多いのですが、金属やガラス品はご遺骨を傷つけてしまうため、お柩に入れることはできません。事前に葬儀担当者に確認しましょう。

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