木野島光美の「女性のためのお葬式のマナー」


火葬場でのマナーと知識 VOL.2

式典が終わり、ホッとする間もないまま火葬場に向かいますが、喪主様やご遺族の多くがこのようにおっしゃいます。
「葬儀のことはある程度、進行や注意事項は知っているが火葬場でのマナーについてはまったく知らない。」
確かにそうですよね。
実は地域によって、荼毘にふされるまでの式典の流れや火葬時間、その間のご遺族の過ごし方は大きく異なります。(VOL.63をご参照ください)

この回では、「副葬品」について触れたいと思います。副葬品とは、葬儀を行うとき、棺に納める故人またはご家族との思い出の品のことをいいます。
案外知られていないのは、副葬品の中には火葬できないものもけっこうあるということです。例えば、ガラス(メガネ)・時計などの金属・陶器などの不燃物です。
不燃物は火葬中、故人様のお身体を傷つけてしまったり、燃え残ってしまいます。
さらに高温によって溶けることがあり、ご遺骨に付着し変色してしまう可能性も。
蓋付きの瓶・ボトル・缶詰といった密閉容器も挙げられます。生前、お酒がお好きでいらした故人様の場合、こうした副葬品は火葬場で禁止となっているため、出棺前のご対面の際、瓶やボトルを開け、綿花などにしみこませて故人様のお口元にご家族からそっと触れて頂くようにしています。

また、空気が抜けないボール(生前、野球がご趣味だったケース)などは、火葬中、ボールが爆発する危険性もあり、禁止となっています。
では、読書好きだった故人様の場合はどうでしょう。ご家族からすれば旅立たれるときに愛読書を持たせてあげたいというのが心情ではないでしょうか。
厚みのある書籍などは、燃えるのに時間を要し灰が大量に出ることから拾骨の障害になってしまいます。衣類なども同じです。
思い出の品が少しでも納めることができるよう事前に葬儀社に確認するといいですね。
以前、故人様の愛用されていた時計を棺に入れてあげたいというご家族がいらっしゃいました。時計は前述のように不燃物のため、納めることはできませんが納骨の際、骨箱に入れて差し上げることができます。
私が父を亡くした時には父の形見として、その時計を私が使うことにしました。

ご遺品は副葬品として火葬するだけでなく、このように選択肢がありますので故人にとってもご家族にとっても一番良いカタチでご供養できるといいですね。

「知っているようで知らない火葬場でのマナー」

次回は、故人様を骨壷に収める儀式『収骨(拾骨)』(『骨揚げ』)についてのマナーを解説させて頂きます。


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