木野島光美の「女性のためのお葬式のマナー」


「生前葬」実例エピソード

関心が高まりつつある葬儀の新しいカタチ【生前葬】について、シリーズでお送りしています。
前回は生前葬を行うメリット・デメリットについて私なりに解説させていただきました。
シリーズ3回目は弊社が実際にお手伝いした、今、思い出しても心が温かくなる素敵な送る会をご紹介致します。

生前葬をご希望されたのは60代半ばのご夫婦。子供さんはいらっしゃいません。
お二人の趣味は社交ダンス。
とはいってもご主人は、定年後、奥様の趣味につきあうつもりで渋々、社交ダンスを習いはじめました。寡黙で人づきあいも苦手、仕事一筋の方だったようです。
健康診断で奥様にガンが見つかり、あと三年という余命の宣告が。
「私が先に亡くなったら・・・。仕事一筋で趣味もない夫のことが一番心配。」と、奥様は生前葬に興味をもたれたのです。
「生前に葬儀ができれば、予算も分かるし、私の病気を皆さんにお伝えできる。私に何かあってもダンスの会の皆さんが出不精の主人を元気付けてくれるかもしれない」
こうした想いを胸に生前葬は社交ダンスの会の皆さんを招いて無宗教スタイルで行われました。葬儀会館はまるで社交ダンスの会場のよう。
喪服は禁止、ダンスの衣装のみが許されました。
会場ドアオープンとともにはじめに献花。
お花がいっぱい飾られたステージには祭壇はありません。
たくさんのお花をバックにダンス衣装を身にまとったお二人が参会者の皆さんとなごやかに会話。そして、お二人への献花が始まりました。

司会者より開会の宣言をさせていただき、お二人から会の主旨がそれぞれ語られました。
挨拶の後、ご友人の方々からエールの言葉、思い出話などが披露され、立食しながらお食事は楽しくなごやかに。
最後は、お二人のダンス。
思い出の曲、江利ちえみさんの「テネシーワルツ」がかかると、ご主人が奥様の手をとってリードしはじめました。
私たちから見てもまだまだぎこちないご主人のリードでしたが、奥様は身をゆだね、たいへんお幸せそうでした。
ラストは参会の皆さん、ご一緒にダンス。
お二人は改めて一緒に共に生きていかれることを確認しあい、また、ご参会の皆さんも生ある尊さに感動されていました。 再出発の会として愛と感謝に充ち溢れたセレモニーとなったことは言うまでもありません。

シリーズ最後は、「生前葬」を行うために非常に重要となる施主側の「挨拶実例」を取り上げます。


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