木野島光美の「女性のためのお葬式のマナー」


著名・有名人の葬儀参列者から学ぶこと~相手への気遣い~

前回から、著名人や芸能人の方々のご葬儀にまつわる参列の装(よそお)いや美しい所作・言葉使いについてご紹介しています。
装い一つとっても配慮が感じられ、著名な方々のエレガントな身のこなしに、自分が業務中にもかかわらずついつい目が行ってしまうことがあります。
美しい立ち居振る舞いの方は遠くからでも分かる、際立つ……というのはこういうことなのですね。

男性芸能人の中でもひときわ私の印象に残っているのは、俳優の椎名桔平(しいなきっぺい)さんです。シビアな役どころから、今ではコメディタッチの演技までこなされる名優さんのお一人。
初めてお目にかかったのは十数年前にさかのぼりますが、椎名さんは、間もなく本葬が開式……という時に式場にご到着されました。マネージャーさんが随行されたわけでもなく、その頃から若手俳優として注目されていましたので、受付から式場まで関係者が椎名さんをご案内されたのだと思います。

しかしながら、日本を代表する大御所の役者さんを葬送する本葬ということもあり、式場内は席が足りないほど多くの芸能関係者が参列、式場後方にはすでに立っていらっしゃる方も。
ただ、前方に一席だけ空席を見つけましたので、椎名さんに「ご案内致します」とお声をかけました。 そうしたところ、たいへんスマートな応対をされ、深く感動したことを今もはっきりと覚えています。

私が思うスマートな人とは、「所作や話し方が洗練されている人。さらに相手への気遣いができる人。心に余裕がある人」です。

椎名さんにお声をかけた際に、まず感謝の言葉がありました。
「ありがとうございます。私はあえて立ったままでお見送りしたいと思います。おじゃまでなければ、ここでお式を拝見します。声をかけていただき、ありがとうございます」

感謝の言葉は気持ちに余裕がないとなかなか言えるものではありません。
また、悲しみや張りつめた緊張感が漂う式典等の公式の場で自分の意思をきちんと丁寧に言葉で伝えられるというのも素晴らしいと思いました。
それからは椎名桔平さんのファンです。
 
もしもの時の心構えとマナー。
次回も「著名・有名人の葬儀参列者から学ぶこと」をエピソードまじえお伝えしたいと思います!  
 


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