アジアの聖地から 36年以上建設が進む“真実の聖域” サンクチュアリ・オブ・トゥース(タイ)


空と海にそびえ立つ、アジア各国の宗教と文化を統合させた宗教建築の傑作。
年に一度はお寺で修行、タイの若者の深い信仰とは。

1981年からいまだに工事中

タイのビーチリゾートで人気の高いパタヤ。歓楽街としても世界的に有名な場所です。そこの市街地から車で20分ほどのナクルアビーチ岬に”真実の聖域“と呼ばれる巨大な建造物があります。周囲は青い空と海だけ、他には何もありません。100mもの高さにそびえ立つ姿はSF映画に登場してくる異次元の要塞のようで、壮大さや美しさと同時に少々の不気味さすら感じさせる不思議な建物です。

日本では見慣れないスタイルの神仏

この建物の特徴は何と言っても1981年の着工以来、36年以上たった今でも完成しないこと。毎日なんと250人以上の職人が次々と彫刻を施し、新しい神仏を誕生させているのです。内外ともに隙間がないほどに埋め尽くされた宗教彫刻によって神話の世界へ入り込めます。

全てが手彫り、美しさは神話の世界

日本で知られた観音様やお不動様、インド神話に登場する神鳥ガルーダ、見たことのない神仏も混在してます。タイには仏教とヒンドゥー教が融合された寺院は多くありますが、それらの規模の比になりません。創作者であるタイの大富豪レク・ヴェクトリアは、タイ、インド、中国、カンボジアなどアジア各国の神仏を祀り、一体化させることがこの建築の作意なのです。

「いつ完成か?知らないよ!」と若い職人さん
意外にも女性の職人さんがたくさん

翻訳が難しかったのですが、彼は世界の宗教を同じ場所に集め、ここに宇宙と地球の縮図を造ったのではないかと思いました。そして「壮大な宇宙の中で出会った家族とのご縁は奇跡である。その奇跡をもっと感じるることで、もっと愛を深めよう。それが真実の幸福なのだ」ということを表し続けているのではないでしょうか。

浄土へ生まれ変わるために

ここには海外からの観光客だけでなく、タイの学生が遠足でも訪れ、デートスポットとしても有名です。タイの人々の信仰の深さは日本のそれ以上で、お寺に行くのは日常的なことです。どこのお寺でも、老若男女がお参りをしている姿があります。ご年配の方の信仰が深いのは日本も似たようなものですが、子供や若い方が目を閉じて一心に手を合わせる姿はとても美しく、タイでのこの光景にはホッとされられます。

ちょうどこの日も若い二人が写真撮影を楽しんでいました。よくお寺に出かけるとのことで、信仰についてお話を伺ってみました。
私たちはヒンドゥー教の神様には「幸せになりたい、お金持ちになりたい」など自分の欲をお願いします。そして仏教へのお願いはたった一つ「お釈迦様のいる極楽浄土へ生まれ変われるように」だけです。浄土は人との別れ、悲しみ、苦しみのない世界です。私たちはそこに生まれ変わるために徳を積む必要があるのです。善いと思うことは何でもします。お坊さんへの食べ物やお布施をすることもその一つ。誰かが困っていれば助けます。日頃からお寺でお祈りするのはもちろんですが、一年に一回はお寺へ9日間の修行に行き、そこで瞑想したり、お経をあげたりするのです。その時の食事は1日1食ですが苦になりません。

信仰を教えてくれた爽やかなお二人

タイの人々は本当に親切です。道に迷ったり、体調を崩したり、私も何度も助けて頂いたことがあります。この親切な心は浄土へ行きたいという願いと、徳を積むことが若いころから習慣となっているからでしょう。改めてタイの人が好きになりました。
彼女の方は日本が好きで東京、静岡、大阪にも行ったことがあると楽しそうに話してくれました。それにしても美男美女の爽やかなお二人。お幸せに。

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齋籐 浩司

齋籐 浩司

齋藤浩司(株式会社B-WAYグループ 代表取締役) 互助会から葬儀社を経て2001年同社創業。2002年に葬送支援NPO法人を創設。2010年には宗教法人を新規認証。CSR活動として、2007年お寺で余ったお供え物を困窮世帯へ届けるフードバンクを設立。2013年からは東南アジアの貧しい子ども達への生活・教育支援を開始し、現在はカンボジアのスラムで孤児院と幼稚園を運営。活動時に各国の聖地を訪れ、宗教家や現地の人々から文化を学んでいる。東京都新宿区出身。