【プロが語る!】平成30年以降はハードルが上がる?ケアマネジャー受験資格について

今回は、このケアマネジャーの受験資格についてお話したいと思います。

この連載でも、「ケアマネジャー」という言葉がよく出てきますが、正式な名称は「介護支援専門員」といいます。

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ケアマネジャーのお仕事とは

ケアマネジャー(介護支援専門員)のお仕事とは、要介護者と一緒に目標を定め、さまざまなサービスの中から、ニーズに合った必要なサービスを提案し、要介護者の同意をえて、ケアプランを作成します。また、毎月利用者の自宅を訪問し、必要があればケアプランを修正します。

在宅生活を続ける要介護者と面接をして、生活の課題を明らかにして、これからの生活をどのようにしていきたいのか?を確認し、要介護者と一緒に目標を定め、さまざまなサービスの中から、ニーズに合った必要なサービスを提案し、要介護者の同意をえて、ケアプランを作成します。

作成後は、月に1回要介護者宅を訪問し、利用状況を確認し、また各サービス事業所との連携をとって、ケアプランのサービスがうまく提供できているか?などを確認します。

遠距離に住んでいる家族との連絡なども担当します。そして必要があれば、ケアプランを修正します。

ケアマネジャーさんが中心となって、サポート体制を作っているため、介護保険制度では、なくてはならない職種になっています。ご本人家族からすると、要所要所で一番に相談できる人でしょう。

とはいえ、ケアマネジャーの基礎資格によって、ケアプランの作成能力やコミュニケーション能力にばらつきがあり、今までの審議会、検討会でも、この基礎資格の見直しが何度も提案されていました。

* 基礎資格とは、そのケアマネジャーが持っている他の資格のことです。

医療介護の国家資格と国家資格以外(初任者研修、ホームヘルパー、実務者研修)に分けられています。

平成27年2月12日の厚生労働省の通達により、介護支援専門員に係るさまざまな課題が指摘されている中で、今後、介護支援専門員の資質や専門性の向上を図っていくことが必要であることから、受験要件について、『法定資格保有者(=医療介護の国家資格)に限定すること』を基本に見直すことになりました。

介護の資格は、他の資格と違って、「実務経験○年」という実務経験が必要になります。このケアマネジャーも、実務経験が5年間必要になります。

しかも、ただの5年ではなく、従事日数900日が必要になります(実際に現場で働いた日数です)。

従って、非常勤などで働いていた場合は、この従事日数が足りなくなり、6年7年と必要になる場合があります。一方、介護福祉士は、実務経験が3年必要になります。

ケアマネージャー試験について

ここ数年、このケアマネジャーの試験も改正がありました。

今までは基礎資格により、解答免除がありましたが、27年度から解答免除がなくなり、全員が60問を解くようになりました。また研修時間が増えました

ちなみに今年度の試験は、合格率が13%台となり、10人に1人合格というかなり難しい試験になっています。

試験は10月に行われます。合格率は、都道府県によって異なります(最高は愛知県16.8%、最低は、青森県7.8%、東京都は16.6%)。

ケアマネージャー試験は、国家資格とよく間違えられますが、都道府県資格になります。現在は、この見直し前の「従来の受験資格対象業務<平成27年度から平成29年度の試験に限り適用>」が特例で適用されています。

ただし、平成30年度からは、見直し後の受験資格対象業務になります。

受験要項

申込み受付期間は、平成30年5月31日から6月30日までの1ヵ月間です。試験日は10月14日(日)になります。

今回、受験資格が変わったのは、平成27年2月12日の厚生労働省の通達によります。

「介護支援専門員に係る様々な課題が指摘されている中で、今後、介護支援専門員の資質や専門性の向上を図っていくことが必要であることから、受験要件について、『法定資格保有者(=医療介護の国家資格)に限定すること』を基本に見直すことになりました。」

要するに、「ケアマネジャーが持っている基礎資格を、医療介護の国家資格に限定する方向になりました」ということです。ただ、例外として、施設系の相談援助業務は、国家資格が無くても要件として認められます。

介護系の資格は、他の資格と違って、実務経験○年という実務経験が必要になります。介護福祉士の3年とか、ケアマネの5年などです。

この国家資格を得てから(資格に合格した日ではなく、資格を登録した日から)、実務経験が5年間必要になります。ただ5年あれば良いのではなく、従事日数900日が必要になります(実際に現場で働いた日数です)。

非常勤などで働いている方は、この従事日数が足りなくなるため、実務経験が6年7年と必要になります。

平成30年度からの受験資格の変更点

平成30年度からのケアマネジャー(介護支援専門員)受験資格の変更点

受験資格について、どう変わったのか?ですが、従来で認められていた、医療介護の国家資格以外資格の実務経験(い)、無資格の実務経験(う)が認められなくなります。

あ)福祉事務所のケースワーカーで5年以上

い)以下の資格をもって介護等業務で5年以上

  • 社会福祉主事任用資格
  • 介護職員初任者研修
  • 実務者研修
  • 訪問介護員1級、2級

う)無資格で介護等業務で10年以上
30年度からは、以下の受験資格のみになり、対象者がかなり限定されます。

  1. 別表1に定める国家資格等に基づく業務に従事する者
  2. 別表2に定める相談援助業務に従事する者

A 及びB の期間が通算して5年以上であり、かつ、当該業務に従事した日数が900日以上であること

【注意】

1. A に該当する者の当該業務従事期間は、当該資格の登録日以降の期間であること

2. A の資格を有していても、要援護者に対する直接的な対人援助ではない業務(教育業務、研究業務、営業、事務等)を行っている期間は、実務経験には含まれない

3. 受験資格に該当する業務であることを確認するために添付書類が必要な場合がある

4. 同一期間に重複して複数業務に従事した場合は通算できない(また、1 日に2 ヶ所で業務に従事した場合、従事日数は1 日とする)

【別表1の国家資格とは?】

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士

【別表2の相談援助業務に従事する者とは?】

・(地域密着型)特定施設入居者生活介護、介護予防特定施設入居者生活介護、(地域密着型)介護老人福祉施設の生活相談員

・介護老人保健施設の支援相談員

・障害者総合支援法の相談支援専門員

・児童福祉法の相談支援専門員

・生活困窮者自立支援法の主任相談支援員

……ようするに、国家資格を取得して5年以上、もしくは施設系の生活相談員を5年以上のみを実務経験と認めるということになります。

* 高齢者分野のデイサービスの生活相談員は、要件から外れました。

従来の受験資格で受験できるのは、今年1回のみ、29年度まで(試験日29年10月)となります。また、今回、介護等業務5年以上で受験される方が、残念ながら落ちてしまうと、場合によってはしばらく受験できなくなります

今までは、初任者研修修了後3年+介護福祉士2年という混合された実務経験で、受験できましたが、30年度からは、国家資格の実務経験に限定されるため介護福祉士取得後から、5年の実務経験が必要となるからです。

通常介護福祉士は1月に試験、3月に発表、4月に登録になりますから、試験を受けるまで実質5.5年が必要になり、福祉系高校や介護系専門学校を卒業していない方は、介護福祉士を受験するまで3年、そこからケアマネ受験まで5.5年、計8.5年!!かかるようになります。

それにしてもハードルが上がりましたね。びっくりです!今までは、現場の介護職員さん達が、受験しやすい条件だったので、この落差は大きいと思います。

詳しく知りたい方は東京都福祉保健財団のHPをご覧ください。もしくは、住所地のある都道府県のHPをご確認ください。

それにしても、こんなに受験資格をあげて、人は増えるのでしょうか?今回は、ケアマネージャーの受験資格についてお話ししました。何かご意見がございましたら、お気軽におしらせください。

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