納骨堂とは?種類や費用、メリット・デメリット、改葬方法を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

お墓の簡単資料請求
お墓探しハンドブック

もれなく
全員に

お墓探しの資料をプレゼント!

お墓の選び方とポイントがわかる

記事を先読み
  • 納骨堂とは、法律で認可された遺骨を安置するための施設
  • 納骨堂の平均購入価格は77.6万円(2023年/いいお墓調べ)
  • 一般墓より費用が安く、管理や参拝の手間が減らせると人気

核家族化や価値観の変化によって、新しいお墓として注目されている納骨堂。通常のお墓と違い、建物内に遺骨を安置できて、管理を施設にまかせられるのが特徴です。永続的に管理を代行してもらう「永代供養」を兼ねた納骨堂も多いため、お墓の維持や継承に悩んでいる方におすすめです。

この記事では、納骨堂の種類や費用、メリット・デメリットなどを解説します。

Adsense(SYASOH_PJ-195)

納骨堂とは?遺骨を安置するための施設

納骨堂とは、遺骨を安置するための施設のこと。建物内に多数の収骨スペースがあり、「個人」「夫婦」「家族」などの単位で区画を購入できます。敷地内に多くの遺骨を収蔵できるため、通常のお墓より費用をおさえられるのが特徴。

また納骨堂は、「墓地、埋葬等に関する法律」 第2条6で定義されていて、経営するには法律に基づく許可が必要です。

この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。

引用元:「墓地、埋葬等に関する法律」 第2条6

納骨堂と永代供養墓の違い

納骨堂:遺骨を収蔵するための施設

永代供養墓:遺族の代わりに、寺院や霊園が遺骨を管理・供養するお墓

永代供養墓とは、寺院や霊園が管理・供養を代行するお墓。お墓の手入れが不要なので、遺族の負担を減らせたり、そもそも継承者がいらなかったりするのがメリットです。

納骨堂は遺骨を収蔵する施設なので、あくまで場所を意味する言葉。ですがなかには、永代供養を引き受けている納骨堂もあります。納骨堂は、永代供養墓の選択肢のひとつといえるでしょう。

納骨堂の運営母体

納骨堂の運営母体は大きく分けて、寺院・自治体・民間企業の3つ

寺院運営の納骨堂は、基本的に檀家になる必要がありません。お布施不要・宗旨宗派不問で利用できますが、供養方法はお寺の作法に従うことがほとんどです。

都道府県や市区町村などの自治体が運営する納骨堂は、価格がリーズナブルなのが魅力。ただ応募に条件や抽選があるかもしれないため、事前に各自治体へ問い合わせましょう。

宗教法人や社団法人、財団法人などの民間企業が運営する納骨堂は、設備やサービスが充実しているところが多いです。施設によってバラつきがあるので、契約前に確認してください。

納骨堂の種類

  • ロッカー型
  • 墓石型
  • 仏壇型
  • 位牌型
  • 自動搬送式

納骨堂の代表的な種類はこちらの5つ。納骨堂にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や料金が変わります。違いを理解したうえで、希望に合ったタイプの納骨堂を選びましょう。

ロッカー型の納骨堂

ロッカー型は、扉付きのロッカー棚に遺骨を納める納骨堂

以前はデザインがシンプルで、駅や街中にあるコインロッカーに似ていると避けられていました。ただ最近は、材質やデザインが多様で、ロッカー内に仏壇がある納骨堂もあり、人気を集めています。

ロッカー型納骨堂の費用相場は20万円前後で、上段より下段の方が安くなる傾向が強いです。

墓石型の納骨堂

墓石型は、建物内に墓石を並べて遺骨を納める納骨堂「室内墓所」とも呼ばれています。屋内にあるので、お墓が雨風で汚れにくく、劣化を防げます。また墓石に手を合わせたり、お花や線香を供えたりと、一般的なお墓と同じようにお参りできるのもポイントです。

墓石代が必要になる墓石型は、納骨堂のなかでは高額。個人で100万以上になる納骨堂もあります。

仏壇型の納骨堂

仏壇型は、区画ごとに仏壇が用意されている納骨堂「霊廟(れいびょう)型」とも呼ばれ、上段に仏壇と位牌、下段に遺骨を納められます。

個々のスペースが広く、遺影やお花、お供えなどを置けるので、お参りしやすいのがメリット。一方で仏壇にかかる費用が割高になりやすく、約50万円〜100万円が目安です。

位牌型の納骨堂

位牌型は、戒名や没年月日が書かれた故人の位牌を納める納骨堂

位牌と遺骨を一緒に置くか、別々に置くかは施設によって違います。位牌と遺骨を別に置く施設だと、個々のお参りスペースはありません。そのぶん費用をおさえやすく、相場は30万円前後です。

自動搬送式の納骨堂

自動搬送式は、コンピューターで遺骨を管理する納骨堂。ICカードをかざしたり、タッチパネルを操作したりすると、収蔵庫から参拝ブースまで遺骨が自動で搬送されます。スペースを節約できるため、都市部に多くあり、「ビル型」「マンション型」とも呼ばれる納骨堂です。

最新のテクノロジーを活用した自動搬送式の納骨堂は、約70万円とやや高めの相場になります。

納骨堂の費用はいくら?平均購入価格は77.6万円

【第14回】お墓の消費者全国実態調査(2023年/いいお墓調べ)によると、納骨堂の平均購入価格は77.6万円一般墓の平均購入価格は152.4万円なので、約半分まで費用をおさえられています。

ただ納骨堂は、種類や立地、収蔵する遺骨の数などによって費用・料金が変わるため注意が必要。デザインや材質が高級だったり、アクセスがよかったりする納骨堂は、割高になりやすいです。また個人用よりは夫婦用、家族用と、収骨する人数が多いほど金額は上がります。

また納骨堂の購入費以外に、戒名・法要のお布施や銘板彫刻料などがかかる場合も。施設によって内訳や金額が違うので、複数の納骨堂を見学して比較するのがおすすめです。

納骨堂はなぜ人気?メリット・デメリット

納骨堂のメリット

  • 一般墓より費用をおさえられる
  • お墓の掃除・手入れが必要ない
  • 雨風や天候の影響がない
  • 宗教・宗派に関係なく利用できる
  • 遺骨の移動がしやすい

納骨堂のメリットは、一般墓より費用をおさえられること。また、管理を施設にまかせられるので、お墓掃除や手入れの必要がありません。永代供養を兼ねている納骨堂なら、お墓の継承も不要です。

さらに屋内にあるため、雨風や天候の影響がなく、いつでもお墓参りできます。アクセスのよい立地にある納骨堂も多いので、お墓参りをする遺族の負担を大幅に減らせるでしょう。

その他、宗教・宗派に関係なく利用できたり、遺骨を移動しやすかったりするのもメリットです。

納骨堂のデメリット

  • 遺骨の収蔵期間が決まっている
  • 期間終了後は遺骨が合祀される

納骨堂は、遺骨の収蔵期間が決まっている施設がほとんど。期間が終わる前に、継続の手続きをしなければなりません。

もし継続しなかった場合、不特定多数の遺骨をまとめて埋葬する「合祀」で供養されます。一度合祀すると、故人の遺骨だけを取り出したり移動したりできないので、注意してください。

納骨堂を選ぶときの注意点

納骨堂を選ぶときは、実際にお墓参りをする遺族の立場に立ってみるのが大切です。

遺族が定期的にお参りするなら、立地を重視すべき。遺族の住居から足を運びやすい沿線や、駅からアクセスしやすい場所にある納骨堂を選びます。

あまり頻繁にお参りできないなら、立地より管理のしやすさを優先。納骨堂は運営者が管理するのが基本ですが、より手のかからない種類を選ぶと困りません。

継承者がいない場合は、永代供養のできる納骨堂が適しています。供養の期限はいつにするか、期限後は合祀にするかを、あわせて決めておきましょう。

また、そもそも納骨堂を選ぶ前に、家族や親族と話し合っておくこと。納骨堂は、一般的なお墓とは参拝や継承の方法が違います。遺族と事前に意志疎通をしていないと、トラブルに発展する可能性があるので、注意してください。

改葬とは?遺骨を別の場所へ移すこと

改葬とは、今あるお墓や遺骨を別の場所へ移すこと。
先祖代々のお墓から自宅に近い納骨堂へ遺骨を移すのも、改葬です。

改葬をするときは、必要な書類や手続きがあるので注意してください。書類や手続きなしで遺骨を移すのは、法律で禁止されています。また費用が発生するので、あわせて確認しておきましょう。

改葬の手続きと必要な書類

手続き

  1. 移転元の管理者に連絡する
  2. 移転先から墓地使用許可証・受入証明書を受け取る
  3. 移転元から埋葬証明書を受け取る
  4. 移転元の自治体に改葬許可申請をする
  5. 移転元の自治体から改葬許可証を受け取る
  6. 移転元から遺骨を引き取る
  7. 移転先に納骨する

必要な書類

  • 墓地使用許可証
  • 受入証明書
  • 埋葬証明書
  • 改葬許可証

納骨堂へ改葬する場合、まず現在のお墓を管理している霊園・寺院に連絡すること。改葬は、霊園からみると顧客を、寺院からみると檀家を失います。後々トラブルにならないよう、改葬の理由を冷静に伝えて、相手に理解してもらうのが大切です。

改葬手続きで必要になるのは、墓地使用許可証、受入証明書、埋葬証明書、改葬許可証の4つ。墓地使用許可証と受入証明書は移転先の管理者、埋葬証明書は現在のお墓の管理者から受け取り、現在のお墓がある自治体に改葬許可申請を出します。

問題なければ自治体から改葬許可証が発行されるため、日程を調整して遺骨を引き取りましょう。遺骨を引き取るときに閉眼供養(閉眼法要)や魂抜きをする場合は、お坊さんの手配が必要です。閉眼供養・魂抜きとは、お墓に宿るご先祖様の魂を抜き取る供養のこと。閉眼供養をせずに遺骨を勝手に移動できないので注意してください。

遺骨を引き取ったら、新しいお墓や納骨堂に遺骨を納めます。閉眼供養したなら、開眼供養や魂入れも忘れず行いましょう。

改葬の費用はいくら?200万円〜300万円が目安

改葬費用は、移転元の撤去や移転先の使用料、工事などをあわせて200万円〜300万円が目安

納骨堂に改葬する場合、墓地の使用料や工事が不要なので、費用をおさえられます。必要なのは、納骨費用に3万円前後、開眼供養料に3万円〜5万円、戒名料など。納骨費用や開眼供養料、戒名料は相場が変わることがあるので、管理者に確認してみましょう。

ちなみに移転元が寺院の場合、勝手に改葬すると高額な離檀料を請求されるケースがあるので要注意。また、新しくお寺の檀家になると、入檀料や年会費を請求されるかもしれません。

納骨堂をお探しなら「いいお墓」へ

通常のお墓より、費用や管理、アクセスなどのメリットが大きい納骨堂は、今後さらに注目されることが予想されます。とくに都心部では、お墓の維持や継承の悩みを解決する方法として、納骨堂を選ぶ方が増えるかもしれません。

一方で、お墓の継承ができなかったり、お墓参りのスタイルが変わったりするのは納骨堂のデメリット。残される家族や親族としっかり話し合い、ご自身と遺族の希望を叶える納骨堂を選びましょう

いい葬儀の姉妹サイト「いいお墓」では、日本全国の納骨堂情報を掲載中。納骨堂だけでなく、お墓のお引越し(改葬)や墓じまいなど、お墓に関するさまざまなお悩みにお応えいたします。墓じまいの専門サービスもご紹介しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

東京で人気の納骨堂ランキングはこちら

葬儀・お葬式を地域から探す