納骨式はいつまでに行う?準備と流れ、費用を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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  • 納骨式とは、故人の遺骨をお墓や納骨堂に埋葬する儀式
  • 時期に決まりはないが、四十九日法要とあわせて行うのが一般的
  • お墓があるなら費用は10万円前後。新しく作るならお墓代が必要

納骨式とは、故人の遺骨をお墓や納骨堂に納める儀式。納骨をする時期に明確な決まりがなかったり、準備方法がわからなかったりして、困っている遺族の方もいるかもしれません。

この記事では、納骨式の時期や準備の流れ、服装や費用などについて詳しく解説します。

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納骨式(納骨法要)とは?

納骨式(納骨法要)は故人の遺骨を埋葬する儀式

納骨式とは、故人の遺骨をお墓や納骨堂に埋葬する儀式のこと。正式には「納骨法要」と呼ばれ、遺族や関係者が集まって、故人の供養と納骨を行います。

納骨式をする時期に明確な決まりはありませんが、故人が亡くなってから49日目の忌明けに行う四十九日法要」とあわせて納骨するのが一般的です。

納骨法要と四十九日法要の違い

納骨法要=故人の遺骨を埋葬する法要

四十九日法要=故人が極楽浄土に行けるよう供養をする法要

同時に行うことの多い「納骨法要」と「四十九日法要」ですが、それぞれ目的が違う別の法要なので注意が必要。

納骨法要は故人の遺骨を埋葬する儀式で、四十九日法要は故人が極楽浄土に行けることを祈って供養する法要です。また四十九日法要は、喪に服していた遺族が通常の生活に戻る「忌明け」の祝いともされています。

納骨式はいつ行う?納骨する時期

納骨式を行う時期・タイミング

納骨式を行う時期・タイミング

  • 四十九日法要のとき
  • 百箇日法要のとき
  • 新盆(初盆)のとき
  • 一周忌法要のとき
  • 三周忌法要のとき

前述した通り、納骨式を行う時期はとくに決まっていません。喪家の事情によってさまざまですが、葬儀後の忙しい時期が終わり、気持ちが落ち着いた時点で行うご遺族が多いようです。また、納骨するお墓や納骨堂がすでに決まっている場合と、新たに探す場合で時期が変わってきます。

ただ実際に納骨式がよく行われているのは、四十九日法要や一周忌法要のとき。葬儀直後や火葬当日に納骨式をするご遺族も多く、遅くとも三回忌法要までに済ませる方がよいとされています。

納骨式がよく行われている時期・タイミングを紹介しますので、日程の参考にしてください。

四十九日法要のとき

納骨式のもっとも一般的な時期は四十九日四十九日法要を終えたあと、そのまま納骨式を行う流れが多いです。

そもそも四十九日とは、故人が亡くなった日から数えて49日目のこと。故人は亡くなったあと、7日おきに閻魔大王の裁きを受けており、最終的に極楽浄土へ行けるのか、結果が出るのが49日目と言われています。四十九日法要は、故人が極楽浄土に行けるよう願い、盛大に送り出すために行う法要です。

四十九日に納骨をするのは、故人の魂が死後の世界へ向かうタイミングで、死後の家であるお墓や納骨堂に遺骨を移動させるため。仏教の教えから見ても、四十九日法要は納骨式に最適な時期だと言えるでしょう。

ただ、四十九日法要とあわせて納骨法要をするなら、すでにお墓がないと難しいです。新しく墓石を購入する場合は、早めに手配しても49日までに完成しないことがほとんど。四十九日に納骨をしなければならないわけではないですし、大切な家族のお墓ですから、慎重に準備を進めましょう。

百箇日法要のとき

四十九日法要に間に合わなかった場合、百箇日法要とあわせて納骨をするご遺族が多いです。

百箇日法要とは、亡くなった人の命日から数えて100日目に行う法要のこと。百箇日は「卒哭忌(そっこくき・そっこっき)」と呼ばれており、「泣いて暮らす日々から卒業して、それぞれの生活に戻ろう」という意味が込められています。百箇日は遺族にとってひとつの区切りであり、納骨式にふさわしいタイミングです。

くわえて同じ理由から、百箇日法要までに形見分けや遺品整理も済ませたほうが良いとされています。百箇日に向けて故人の遺品を整理すれば、自分の気持ちも整理できるかもしれません。

新盆(初盆)のとき

新盆(初盆)とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のこと。故人の魂が現世に戻ってくるため、親戚や友人を招いて盛大に法要を行う遺族が多いです。人が集まりやすい時期なので、納骨をするのに向いているタイミングでしょう。

ちなみに忌明け前にお盆を迎える場合、一般的には次の年のお盆を新盆とします。ただ家族によっても異なるため、判断に迷ったら菩提寺や付き合いのあるお寺に相談してみてください。

一周忌法要のとき

故人が亡くなって一年目にあたる一周忌のタイミングで、納骨する場合もあります。

一周忌までは「喪に服す」時期であり、遺族は故人の死を悼み、慎み深い暮らしをするのが一般的。喪中の間は、結婚式や神社の参拝などを避けるべきとされているほどです。

遺骨を手元に置いて故人を偲んでいた人にとって、喪が明ける一周忌はひとつの区切りを意味するはず。一周忌で納骨すると決めたら、一周忌法要にあわせて納骨式の準備を進めましょう。

三周忌法要のとき

納骨式は、遅くとも三回忌までに終わらせるのが良いとされています。
「大切な遺骨を手元に置いておきたい」「家族と離れてお墓にいれるのはかわいそう」こんな理由から納骨しないのは、故人の魂がいつまでも安らげる家に辿り着けないとも考えられます。

また納骨をしないと、遺骨を自分で管理しなければなりません。長期間家を空けて盗まれたり、災害が起きたりしたとき、遺骨を失ってしまう可能性があります。

故人の魂は位牌に宿るとされているため、故人に傍へ来てほしいなら、位牌を手元に置いておきましょう。故人だけでなく家族にとって次の段階に進むステップだと捉え、納得できるタイミングで納骨式を行ってください。

納骨式のやり方と準備の流れ

納骨式のやり方と準備する流れはこちら。
当日納骨式をスムーズに進められるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。

1.納骨する場所・方法の選定

日本では、お墓もしくは納骨堂に納骨するのが一般的。すでにお墓があるならお墓に、新しく購入するなら一時的に納骨堂へ納め、用意ができ次第お墓に移すことも可能です。

ただ最近は、永代供養墓や自然葬、海洋葬など、さまざまな供養・納骨方法があります。もしお墓や納骨堂以外を考えているなら、事前に納骨場所を選定しておいてください。

ここからは、お墓に納骨することを前提として準備の流れを紹介していきます。

2.納骨式の日程の決定

納骨する場所を選定したら、次は日程の調整。四十九日や百箇日、初盆など納骨する希望時期を決めたら、お寺や霊園に連絡して予約を入れなければいけません。

納骨式は故人の遺骨を納める大切な儀式なので、親族や知人とスケジュールを調整する必要もあるでしょう。時期にこだわりすぎず、周りと予定を調整しながら時期を決めてください。ちなみに、葬儀は友引を避けた方が良いとされていますが、納骨式は六曜の影響を受けません

3.納骨式の場所(お寺・霊園)の予約

納骨をするお寺・霊園に、納骨式の日程を伝えて予約をしましょう。とくに僧侶に読経してもらう納骨法要では、僧侶の予定をおさえる必要があるため、忘れずに行ってください。

土日やお盆・お彼岸に重なると予定が混みやすいので、早めに連絡することをオススメします。

4.【必要であれば】墓地の名義変更の手続き

墓地の名義人が故人の場合、納骨式までに名義変更を行っておきましょう。

お墓を管理している霊園やお寺に問い合わせれば、手続きに必要な書類や方法を教えてくれます。納骨場所を予約するときにあわせて確認をとると、手間が省けて便利です。

5.納骨式の参列者への連絡

納骨式の日程と場所が正式に決まったら、参列者に連絡をします。

納骨式は身内だけで行うことが多いですが、漏れがないようきちんと連絡しておくのが大切。家族だけで納骨式を行う場合も、念のため親戚や友人に声をかけておくと安心です。知らないうちに納骨式が終わってしまい、「招待されていない」「参列したかった」などと言われる心配がありません。

また身内以外の参列者が多い納骨式なら、招待状を出すと親切です。

6.お墓の文字彫刻(お寺・霊園に相談)

お墓に納骨する場合は、お墓に故人の戒名や氏名、没年月日を彫ってもらうことが多いです。

お墓のあるお寺や霊園に相談して、石材店を紹介してもらうのが基本的な流れ。相談したうえで、自由に石材店を選んで問題ないと言われたら、ご自身で石材店を探して依頼しましょう。

お墓の文字彫刻は、納骨式までに完成させる必要があるので、日時を決めたらすぐ手配してください。お墓の納骨室が簡単に開閉できないタイプであれば、納骨式当日に墓石を動かしてもらえるよう伝えておくとスムーズです。

7.埋葬許可証の用意

墓地に納骨をするためには、必ず「埋葬許可証」が必要です。

埋葬許可証とは、火葬許可証に火葬場の捺印が押された書類。一般的に、お住まいの市区町村に死亡届を提出すると、代わりに「火葬許可証」を渡されます。火葬許可証は、遺体を火葬する際、火葬場への提出が必要。遺体を火葬した証明として、火葬場で捺印してもらえます。

埋葬許可証を紛失すると、死亡届を提出した自治体で再発行手続きをしなければなりません。再発行手続きを申し込めるのは、死亡届を提出した人か故人の直系親族・祭祀継承者のみのため注意してください。また再発行に必要な書類は、申請者の身分証明書と認印、火葬証明書です。

8.お供え物や供花の用意

喪家の宗教が仏教なら、墓前に菓子や果物、お酒などのお供え物を用意します。また、祭壇の前に生花を飾るため、忘れずに手配してください。

その他、数珠や線香、お布施など、納骨式に必要なものをあわせて用意しておくと安心。用意すべきものが分からない場合は、お寺や霊園などに確認すると教えてくれます。

9.【必要であれば】料理やお茶などおもてなしの準備

四十九日や一周忌など、法要と同時に納骨式を行う場合は、会食の手配が必要です。また納骨式だけを行う場合も、参列者へのお茶やお菓子などを用意しておくとよいでしょう。

また会場と料理が決まったら、あらかじめ席順を決めておくこと。席順の基本は、上座に僧侶、その隣に施主、僧侶の近くから参列者、末席に親族が座ります。座席表や席次を用意しておくと、納骨式当日スムーズに会食をはじめられます。

納骨式にかかる費用

納骨式にかかる費用

納骨式にかかる費用一覧

  • 納骨作業費用(1万円~3万円)
  • 彫刻料(3万円~5万円)
  • 塔婆料(2,000円~5,000円/1本)
  • お供え物・お供え花代(5,000円~1万円)
  • お布施(3万円~5万円)
  • 【必要であれば】法要部屋の使用料(1万円~3万円)
  • 【必要であれば】会食費(5,000円~1万円/1人)

準備の流れとあわせて、納骨式にかかる費用を確認しておきましょう。

すでにお墓があるなら、上記の内訳で納骨式の費用は10万円前後。法要後に会食を行う場合は、さらに会食費用が上乗せされます。

またお墓を新しく作るなら、墓石代などで追加で200万円前後必要なので、注意してください。

納骨作業費用

納骨作業とは、遺骨を納骨するとき、お墓や納骨式の入り口を開ける作業のこと。1万円~3万円が相場で、石材店などの業者に支払います。

遺族が入り口を開けられるのであれば、業者に依頼する必要がないため、費用はかかりません。

彫刻代

墓石に故人の戒名や没年を彫る場合、石材店に依頼しなければなりません。相場は3万円~5万円です。

塔婆料

塔婆(とうば)とは、故人を供養するために、お墓の後ろに立てる細長い木の板のこと。戒名、経文、命日、供養日などが書かれ、お寺に依頼して作ってもらうのが一般的。1本あたり2,000円~5,000円ほどかかる場合が多いです。

お供え物・お供え花代

納骨式では、墓前にお供え物と供花を用意します。供える品物によって変わりますが、5,000円~1万円ほどが相場。故人が生前好きだった食べ物やお花を用意すると、喜ばれるでしょう。

お布施

納骨式では、故人を供養するために僧侶に読経してもらいます。
お布施は、読経に対する謝礼として僧侶にお渡しするお金のこと。3万円~5万円が相場とされていて、交通機関や車両を使って墓地に移動した場合は、5,000円~1万円の「お車代」も必要です。

【必要であれば】法要部屋の使用料

納骨法要を自宅以外で行う場合、法要部屋の使用料を支払わなければなりません。お寺や霊園の法要部屋を使うなら、1万円~3万円かかるのが一般的です。事前に費用を確認しておきましょう。

【必要であれば】会食費

納骨式のあとに会食を行うのなら、会食費が必要です。1人あたり5,000円~1万円を目安として、料理のグレードを選ぶとよいでしょう。僧侶が会食を辞退した場合は、お布施とは別に「お膳料」として5,000円~1万円お渡しします。

納骨式当日の流れ

納骨式当日はどのような手順で儀式が進むのか見ていきましょう。一般的な流れを紹介しますが、宗教や宗派、地域によって多少の違いがあるため、注意してください。

1.お礼の挨拶

納骨式では最初に、遺族の代表または施主が参列者へお礼の挨拶を述べます。あわせて、遺族の近況を報告したり、葬儀後の変わらぬ付き合いへの感謝を伝えたりしましょう。また納骨式の後に会食がある場合は、お礼の挨拶の最後に忘れず案内してください。

ちなみに挨拶の前に、お墓の周りに焼香台やお供え、お供え花などを準備しておきましょう。

2.僧侶による読経

代表者の挨拶が終わったら、故人の冥福を祈り、僧侶が読経をします。
そのまま墓前で読経することが多いですが、会場を変えて行うケースもあります。

3.納骨

読経後は、お墓の納骨室を開けて遺骨を納めます。納骨室はお墓の下にあり、すぐ開閉できるなら遺族が開け、特別な処置が必要なら石材店におまかせしましょう。

お墓を開けたら、納骨室に骨壺を収納します。関東地方では骨壷ごと、関西地方では納骨袋に入れ直して納骨することが多いです。

4.再び読経

納骨が終わったら、僧侶が再度読経をします。2回目の読経は「納骨経」と呼ばれ、故人の魂を供養する意味が込められています。

5.焼香

納骨経を終えたあとは、僧侶の合図や指示を待ち、墓前で焼香をします。焼香は施主からはじまり、遺族、近親者、知人の順番で行いましょう。

一般的には、挨拶から焼香までが納骨式とされます。参列者の人数にもよりますが、30分から1時間程度で終了する納骨式が多いようです。

6.会食

四十九日や一周忌の法要と同時に納骨式をする場合は、儀式のあとに会食をします。

供養をしてくれた僧侶や遺族に感謝の気持ちを込めて、料理やお酒を振る舞い、もてなすのが目的。ただし宴会ではないため、生前の思い出を語り合い、静かに故人を偲ぶ場としてください。

納骨式に参列するときの服装

四十九日より前一周忌より前一周忌より後
喪服の種類正喪服準喪服略喪服
男性の服装和装
モーニングスーツ
ブラックスーツ暗い色のスーツ
女性の服装和装
ブラックフォーマル
ブラックフォーマル暗い色のスーツ
暗い色のワンピース

納骨式の服装は、納骨をするタイミングによって変わります

四十九日より前に納骨式をするなら、遺族は正喪服、参列者は準喪服を着用するのが一般的。葬儀に参列するときと同じ服装を着用しておけば問題ありません。

四十九日を過ぎていても、一周忌より前の時期に納骨式をする場合は、遺族・参列者ともに準喪服を着用してください。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを選ぶよう注意すること。

一周忌を過ぎたあと納骨式をするなら、喪服を着用しなくて大丈夫。黒や紺、グレーなどの暗い色のスーツまたはワンピースを着用して参列しましょう。

また、派手の装飾品やメイク、髪型は避けて、女性は黒いストッキングを着用するのがマナーです。

納骨式当日に必要な持ち物

納骨式の持ち物

  • 埋葬許可証
  • 墓地使用許可証
  • 塔婆
  • お布施

納骨式当日に必要な持ち物は、主にこちらの4つ。
忘れてしまうと納骨できない可能性があるため、必ず持参しましょう。

埋葬許可証

埋葬許可証は、納骨式で必ず持参が必要な書類。埋葬許可証がないと、そもそも納骨ができません。納骨する墓地の管理者に忘れず提出してください。

墓地使用許可証

墓地使用許可証は、埋葬許可証と同様に自治体が発行している証明書。墓地の所有者を証明する書類で、霊園墓地を使用する際に必要です。あわせて印鑑も準備しておきましょう。

塔婆(とうば)

塔婆とは、戒名、経文、命日、供養日などが書かれた木の板。故人の冥福を祈って、お墓の後ろやそばに立てるのが一般的です。事前にお寺にお願いしておき、納骨式の日に代金を支払います。

お布施

お布施の書き方(表書き・金額・連絡先)

納骨式では僧侶に読経してもらうお礼として、お布施を用意します。お布施の相場は3万円~5万円ですが寺院によっては金額が決められているため、心配なときは直接尋ねてもかまいません。

お布施は、封筒にお金を入れ、袱紗に包んで持参します。

封筒には、表側の中央上部に「御布施」、中央下部に姓名または「◯◯家」と記入するのがマナー。裏側には、住所とお布施の金額を書き、誰がお渡ししたかわかるようにしておきましょう。

納骨式の香典はいくら包む?

納骨式の香典の相場金額

5,000円~1万円

納骨式の香典の表書き

四十九日法要の前:御霊前

四十九日法要の後:御仏前

納骨式に招待されたら、参列者は香典を包んで渡すのがマナーです。
納骨式における香典の相場金額は、5,000円~1万円。納骨式のあと会食があるなら、会食費を上乗せして1万円前後の金額を包んでおけば問題ないでしょう。

また服装と同様に、香典の表書きは、納骨式を行う時期によって変わります。
納骨式が四十九日法要の前、もしくは当日に行われるなら「御霊前」、四十九日法要が終わったあとは「御仏前」と書くようにしてください。

表書きが変わるのは、49日を境に故人が霊魂から仏になるとする仏教の教えがあるから。喪家の宗教・宗派がわからないのであれば、事前に確認しておいた方が安心です。

埋葬方法別の納骨場所

埋葬方法別の納骨場所(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・海洋散骨)

日本では、先祖代々受け継がれているお墓に納骨するのが一般的。ですが少子化や核家族化の進む現代では、お墓以外にもさまざまな納骨場所や埋葬方法が登場しています。

ここでは、近年注目されている永代供養墓や納骨堂、樹木葬、海洋散骨などの納骨・埋葬方法を紹介します。

※費用相場は、姉妹サービス「いいお墓」が運営するはじめてのお墓ガイドを参考にしています。

永代供養墓(合祀墓・合葬墓)

永代供養墓とは:寺院や霊園が永続的に管理・供養する納骨方法

永代供養墓の費用相場:10万円~150万円

永代供養墓とは、寺院や霊園が永続的に管理・供養してくれるお墓のこと。墓石を作るのではなく、骨壺のまま安置し、一定期間経ったら散骨するのが一般的です。

永代供養墓は、他家の遺骨と一緒に埋葬されるため、合祀墓・合葬墓と呼ばれます。宗教・宗派を問わずお墓に入れて、お墓を継承する必要がないのがメリット。お墓の費用をおさえたかったり、継承者がいなかったりする方に向いている納骨方法です。

納骨堂(室内墓・屋内墓地)

納骨堂とは:遺骨を安置する屋内型施設

納骨堂の費用相場:50万円~100万円

納骨堂とは、遺骨を安置する屋内型の施設のことで、室内墓や屋内墓地と呼ばれています。もともとは遺骨の安置場所として使われていましたが、最近はお墓の代わりとする方が増加中。室内にあるため天候に関わらず参列でき、お墓の手入れをする必要がないのが魅力です。

また、仏壇と遺骨をまとめて置ける「仏壇式」や棚に遺骨を収骨する「ロッカー式」、タッチパネルで遺骨をお参りスペースに移動できる「機械式」など、納骨堂の種類はさまざま。設備が整っているぶん、費用相場は80万円~100万円と高額ですが、注目されている納骨方法のひとつです。

樹木葬

樹木葬とは:樹木を墓標に見立てて遺骨を埋葬する方法

樹木葬の費用相場:60万円~70万円

樹木葬は、樹木を墓標に見立てて遺骨を埋葬する方法。容器や袋に入れるか、遺骨を細かく砕いて(粉状砕骨)埋葬します。自然回帰志向が高まり、近年人気を集めている埋葬方法のひとつです。また、墓石代がかからなかったり、管理の必要がなかったりするのも人気の理由でしょう。

庭園や公園、里山など、さまざまな環境に埋葬してもらえるので、ご自身の希望にあわせて選べるのもポイントです。

海洋散骨

海洋散骨とは:遺骨を粉砕して海に撒く埋葬方法

海洋散骨の費用相場:依頼する事業者によって変動

海洋散骨とは、遺骨をパウダー状に粉砕して海に撒く自然葬の一種。樹木葬と同様、死後は自然に帰りたいという志向をもつ方から人気を集めている葬儀形態です。また生前海に関わる仕事をしていたり、海が好きだったりする方によく選ばれています。

海洋散骨は、宗教やしきたりに縛られないのはもちろん、お墓の維持費もかかりません。ただし、散骨できる海域は決まっているため、専用サービスや業者に依頼する必要があります。依頼先や日程によって費用が変わるので、事前に確認しておきましょう。

宗派の違うお墓へ入りたいときは

宗派の違いは、収骨をするときに気になることのひとつ
生前信仰していた宗派のお墓に入るのが一般的ですが、普段から意識していないと、納骨の段階でお墓の宗派が本人と異なって戸惑うケースがあります。

別の宗派のお墓に入れるかどうかは、お墓の管理者によって違うため注意が必要。民営や公営の霊園なら、宗派のくくりがなかったり宗派不問だったりすることが多いので、別の宗派のお墓でも問題なく入れます。ただお寺のお墓に入る場合は、本来なら通夜・葬式の段階で菩提寺に連絡が必要。納骨の段階でお願いすると断られるかもしれません。

別の宗派のお墓に入りたいなら、お寺ではなく民営・公営の霊園を選ぶとスムーズでしょう。

納骨式に関するよくある質問

納骨式とは何ですか?

納骨式とは、故人の遺骨をお墓に埋葬する儀式のこと。正式には「納骨法要」と呼ばれ、故人が亡くなってから49日目の忌明けに行う「四十九日法要」とあわせて納骨するのが一般的です。

四十九日法要に納骨式を行うのは、仏教では、亡くなってから49日目に故人が極楽浄土に行けるかどうか決まるとされているから。故人の魂がこの世からあの世に向かう四十九日のタイミングにあわせて、死後の家であるお墓に遺骨を移す納骨式を行います。

納骨式はいつまでに行う?

納骨式を行う時期・タイミングに明確な決まりはありません。

ですが、四十九日や百箇日、初盆、一周忌、三周忌などの法要とあわせて納骨式を行う遺族が多いです。また早ければ葬儀当日、遅くとも三回忌までに納骨式を行うのがよいとされています。

納骨式の服装と持ち物は?

四十九日より前一周忌より前一周忌より後
喪服の種類正喪服準喪服略喪服
男性の服装和装
モーニングスーツ
ブラックスーツ暗い色のスーツ
女性の服装和装
ブラックフォーマル
ブラックフォーマル暗い色のスーツ
暗い色のワンピース

納骨式が行われるタイミングにあわせて、服装を決めるのがベター。

一周忌より前に納骨式をするなら、遺族も参列者も準喪服を着用してください。四十九日より前であれば、遺族はより格式の高い正喪服を着用しましょう。一周忌より後に納骨式をするなら、暗い色のスーツやワンピースなど、略喪服を着ておけば問題ありません。

また納骨式では、下記の持ち物を必ず持参するようにしましょう。

  • 埋葬許可証
  • 墓地使用許可証
  • 塔婆
  • お布施

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