【オトナの社会科見学】イケメン職人が造る!こだわりの“純国産のお墓”ができるまで


今、日本の多くのお墓は海外から輸入された石を使っています。また、日本の石を使っていても加工は海外で行うというケースも少なくありません。

そんな中、国産の石国内で加工する、「純国産」にこだわってお墓を造っているところがあります。

今回は、国産のお墓の製造・卸で国内トップクラスのシェアをほこる、鳴本石材株式会社(本社:岡山県笠岡市)の本社工場にお邪魔して、生産管理部の中尾亮太主任に、工場のすみずみまで案内していただきました。

 

お墓造りの一歩は、切り出した石を“見る”ところから

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国産のお墓を造るためには、まず国産の石から。

工場の敷地には、日本各地の産地から集まった石が、山のように並んでいます。

これらの石を一つひとつ見るところから、「国産のお墓造り」は始まります。

 

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今回、工場を案内してくれた中尾さんが、すべての石を“職人の目”で確認していきます。これを「検品」といいます。

白い筋や黒い筋、石の模様にムラがないかを確認。さらに傷も細かくチェックします。

 

お墓は何十年、何百年と立ち続けます。

そのため、たとえ小さな傷であっても見逃すわけにはいきません。そこから雨水が入って時間とともにお墓を壊してしまうかもしれないからです。

ちなみに石の表面に水をかけると、傷などがある場合には浮かび上がって見えるそうです(私には、全くわかりませんでした……)。

 

石のきれいな“顔”を探す

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検品の目的は、傷を探すためだけではありません。

石は、同じ産地でも採掘した場所や、採掘した日によって、少しずつ表情が変わります。

それらを確認しながら、お墓の上の部分(「竿石」といいます)と、台の部分の模様がしっくりと合うように、組み合わせていきます。

 

さらに、1つの石でも「必ず3つの顔があります」と中尾さんは説明します(「面」ではなくて、「顔」です)。

ものすごくきれいな顔と、中くらいに顔と、ちょっときれいな顔。

それらの顔をお墓のどの部分に持ってくるのかを考えながら、向きなどを決めていきます。

 

大きな石を、大きく切る

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工場の中に入ると、大きな円盤型のカッターが回転しています。

ここで、石を大まかな形に整えます。

カッターの刃の部分には人工ダイヤモンドが入っていて、固い石を切っていきます。

 

切った後にもう一回チェックして、寸法を決める

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石を切った後にはもう一度、チェックします。

切ってみないとわからない問題、例えば石の内側に隠れている傷もあるので、もう一回チェックをする必要があるのです。

 

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そこからさらに、注文を受けたお墓に合わせて、寸法を決めて切っていきます。

歯が大きければ大きいほど、ブレも大きくなるため、石の大きさに合わせて、使用するカッターの大きさも変わります。

 

自動と手動! 石の表面をつるつるに磨く

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お墓の形に切った石の表面に磨きをかけていきます。

 

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研磨機を使いますが、これも自動で磨いていくものと、半分手動で磨いていくものと、いくつかの種類があります。

その違いは何か? というと、自動研磨機の場合、機械が石の表面を読んで、一定の圧力で同じように磨いていくので、表面を真っ平らに磨き上げることができます。

一方、手動の機械の場合は、腕にかかる力によって石にかかる負荷も変わります。

圧力も力の入れ具合によって、磨かれる石の表面が微妙に変化します。研磨機が石の表面を移動するスピードなども調整しながら、仕上げていきます。

 

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また、カーブなど、人の手で形を作っていく工程もあります。

機械では磨けない細かい部分は人間の手作業。やっぱり最後は人の力なのだそうです。

 

光を当てて、再度検品

お墓の形が出来上がって、表面をきれいに磨き上げると、ここでもまた検品をします。

今度は水をかけるのではなく、磨かれた表面に強い光を当てて、やはり一つひとつ、熟練した職人の目で、見ていきます。

 

墓石に、文字を彫る

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検品が終わったら、今度は文字を彫ります。

ノミをふるって彫っていくようなイメージですが、実際には、石の表面に鉄砂をぶつけて、削っていきます。

 

まず、名前や、お客様が希望する言葉、家紋などを書いたゴムのシートを用意して、お墓の字を彫りたい面に貼ります。

そのゴムのシートから、彫りたい形(文字とか、家紋とか、模様とか)を切り抜きます。

そこに高圧で砂をぶつけていくと、ゴムの切り抜かれた部分に砂が当たって、文字が彫られていくという仕組みです(文字を彫らない部分は、ゴムのシートがかかっているので傷はつきません)。

 

大きな文字を彫る際に使用した鉄砂は、石にぶつかって小さくなります。

今度はその小さくなった砂を、細かい文字を彫る時に再利用していきます。

 

 

しばったロープが、お墓を守る!

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完成した墓石は全国の石材店に出荷されます。

この時、石をロープでくくります。

 

持ち上げる時に持ちやすいようにロープをかけるのかな? と思ったら違いました。

そもそも、手で持てるような重さじゃない……

 

実はこのロープ、緩衝材となって、出来たての墓石を守ります。

これがないと、石と石がぶつかってしまうと、すぐに欠けてしまうのです。

 

また、発泡スチロールなど、ほかの緩衝材を使用すると簡単にずれてしまうとか。

ずれにくくて、角もきちんと守れる。さらに墓石の形に合わせて自由に結べる。きっちりと墓石を保護するには、やっぱりロープじゃないとダメみたいです。

ちなみに、全部手作業でロープをかけていくそうです。

 

1,600基のお墓が入る自動倉庫

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自動倉庫には1,600基のお墓が入ります。

制御室で番号を入れれば、欲しいお墓が出てくるシステムです。

もしも「明日、お墓が欲しい!」という場合も、在庫があればすぐに取り出して出荷できます。

 

*通常、お客様の希望でデザインやサイズや寸法などを確認し、そこから一つひとつ造っていくオーダーメイドなので、完成までの日数もその時々で変わります。

 

 

今、求められる“守り続けた技術”

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国産のお墓ができるまで、いかがでしたか?

頑丈そうなお墓なのに、何度も何度も、検品を繰り返す。その過程に何十年、何百年も残るモノを造る日本の職人さんたちの姿を見たように思いました。

 

今回、見学させてくださった鳴本石材株式会社は、かつて日本中の工場が賃金の安い海外に次々と拠点を移していく中、「日本のモノづくりを守る」という信念の下、この工場を稼働させ続けました。

 

現在、日本国内で、これだけの規模で国産のお墓を造れる場所は限られています。

国産の石を国内ですべて加工して墓石を造りたいという希望が近年、増えている中、守り続けた技が改めて脚光を浴びています。

 

ちなみに、「国産のお墓が欲しい」という問い合わせを受けることもあるそうですが、同社では一般消費者向けにはお墓は販売していません。

国産のお墓をお求めの際には、全国の石材店にご相談ください。姉妹サイト、「いいお墓」でもご相談を受け付けています。

 

(文・構成:小林憲行)

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