介護の新しい資格と研修について


今回は、介護の新しい資格について話をしたいと思います。

現在、介護の資格というと、以下のものがあります。

 

1)介護職員初任者研修(130時間)

2)介護職員実務者研修(450時間)

3)介護福祉士(国家資格:実務経験3年必要)

4)介護支援専門員(ケアマネジャー:国家資格取得後、実務経験5年必要)

 

最近は、この資格の他に、各自治体で、生活支援員、生活支援の担い手もしくは生活支援ボランティア(名称はさまざまです)と呼ばれる資格者を養成しています。

これは、総合事業の訪問介護のサービスの1つ、「生活支援サービス(買物、洗濯、掃除などの生活援助を提供するサービス)」を提供する資格です。

この資格は、基本的には取得した自治体のみで有効となります(一部提携を結んでいる他自治体でも、有効となることもあります)。勉強時間は10~20時間程度です。

例えば、大田区で取得すると、基本的には、大田区のみで、生活支援サービスに携わる様なイメージです。

 

5)総合事業の生活支援員(市区町資格)

 

以前は、ヘルパー1・2・3級という資格がありましたが、現在は新規の募集を打ち切っていますので、ヘルパーの2級が1)の初任者研修に、ヘルパー1級が2)実務者研修に、それぞれ変更されています。

 

本来であれば、1)→2)→3)→4)と順番に取得するのがよいのですが、ハローワークなどで紹介されると、1)を除いた、2)→3)→4)というコースになる場合があります。これは、2)の中に1)の講義が含まれているためです。

 

1)は介護の基礎的な資格です。訪問介護(ホームヘルプサービス)の身体介護を提供することができます。

 

2)は、介護福祉士を受験する前に、この実務者研修を取得することが義務づけられています。主に、介護過程を学ぶことと、介護実技の試験に合格することが目的になります。

 

3)は、介護の国家資格です。ただし、受験するためには、3年間の実務経験と2)の受講修了が必要です。

 

4)は、ケアマネジャーと呼ばれる業務に就くために必要な資格です。

30年度から受験要件が変わり、医療介護の国家資格を取得後、実務経験が5年必要になりました。

 

介護業界で働く場合は、以下のルートがあります。

 

0)無資格で働く

1)介護職員初任者研修を受ける     研修時間130時間

2)介護職員実務者研修を受ける     研修時間450時間

5)総合事業の生活支援員(市区町資格) 研修時間10~20時間(自治体によって異なる)

 

という4パターンがあります。

 

介護の仕事は、無資格でも働くことが可能です。ただし、訪問介護サービスを提供する場合のみ、1)か5)の資格が必要になります(個人宅でサービスをするので、基本的な介護の勉強を課しています)。

 

30年度から、新たに2つの資格が加わります。

人材難が叫ばれる中、初めての方が、初任者研修(130時間)の研修を受講することを進められるのは、なかなか大変なので、

 

時間数を2割程度におさえた

6)入門的研修 研修時間21時間

 

時間数が約半分になった

7)生活援助従事者研修 研修時間59時間

 

が加わりました。

 

とはいえ、7)に関しては、昔の「ヘルパー3級」を復活させただけ?とも思ってしまいます(3級時代は、50時間でした)。

 

この2つの研修は、週40時間きっちり働くというより、週40時間未満の働き方を希望する人達、子育てが一段落する人達、定年退職してセカンドキャリアをどうしよう?と考える人達を対象にしています。

 

「介護の仕事」に興味をもってもらう、そんな「きっかけ」になる研修です。

面白かったら、次の資格をどうぞ!という感じで、介護への敷居を低くした研修になります。

 

特に入門的研修は、3時間の基礎講座のみ受講も可能になっています。

 

30年4月に具体的な研修内容が公開されました。

 

入門的研修の時間は、計21時間です(3時間は「基礎講座」、18時間は「入門講座」)。

今後は、この入門的研修を受講することで、他の講座(初任者研修)などの研修時間が免除されます。身体介護・生活援助などの「基本的な介護法」や「認知症」「障害」「安全確保」などを学びます。

 

もう1つの研修は、訪問介護の生活援助サービスを提供するための新しい研修です。

名称を「生活援助従事者研修」といいます。

 

訪問介護は、介護の仕事の中で唯一、資格が求められるサービスです。

訪問介護は大きく分けて、3つの業務があります。

 

A)身体介護(入浴、食事、排泄などの、利用者の体を触るサービス)

B)生活援助(掃除、洗濯、買物などの生活を支えるサービス)

C)通院等乗降介助(ヘルパーの車を使用して、病院への送り迎えをする)

 

この研修では、B)が提供できるようになります。

 

ちなみに、上記の1)初任者研修を受講すると、A)B)C)の全てのサービスが提供できるようになります。

 

身体介護・生活援助などの「基本的な介護法(時間数UP)」や「認知症」「障害」「医療連携」「自立支援」などを学びます。59時間です。

 

 

また、5)総合事業の生活支援員(市区町資格)と、どう違うのか?ですが、こちらは、総合事業(要支援者、事業対象者)にプラスして、介護保険(要介護者)へのサービスが提供できます。

 

表にすると(取得しやすい順番)次の通りです。

訪問介護以外のサービス 総合事業の生活支援 介護保険の生活支援 介護保険の身体介護
0)無資格 × × ×
5)総合事業の生活支援員 × ×
6)入門的研修 × ×
7)生活援助従事者研修 ×
1)介護職員初任者研修
2)介護職員実務者研修
3)介護福祉士

 

また、5)6)に関しては、自治体が無料(もしくは低額)で研修を提供することになると思います。またそれ以外の研修も、最近は助成制度が用意されているので、市役所等でお問い合わせしてはいかがでしょうか?

 

新たな研修は、今までの研修よりも、時間数が少ないので、研修に参加しやすいと思います。

 

2つの研修ですが、介護に興味があるけど、時間もお金も掛けられない、家族の介護をすぐに始めることになった、ボランティアをしたいという方は、6)入門的研修 がおすすめです。

 

地域のために何かしたい!生活援助を提供したいという方は、5)総合事業の生活支援員、7)生活援助従事者研修 が良いと思います。

 

それ以外は、この2つの研修を受講してから、次を決めるのが良いと思います。

 

何かご意見がございましたら、お気軽におしらせください。

5/5 (2)


The following two tabs change content below.
橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。