【平成30年度】介護保険改正でデイサービスに新設された「生活機能向上連携加算」とは?


今回は、平成30年度の介護保険改正で、デイサービスに新設された、「生活機能向上連携加算」について、お話ししたいと思います。

たぶん記事を読まれるとびっくりされるかもしれません……。

 

この加算ですが、平成27年度の報酬改定で、訪問介護に導入され、今回、さまざまなサービスで新設されることになりました。

この加算の議論をここ1年ほど追いかけていました。

3月に公開された解釈通知やQ&Aで、使いにくい印象を持ったのですが、気になったことがあり厚生労働省に問い合わせたところ、私の認識が間違っていることがわかりました。

 

使いにくいどころか、現場で算定できる新しい加算になっており、機能訓練の新たな提供方法になっています。

とくに小規模のデイサービスは、報酬アップ、サービスアップにつながります。

 

そもそも、「どのように加算なのか?」についてですが、厚生労働省のhp「平成30年度介護報酬改定について」からです。

 

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示

通所介護p27

 

9 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定通所介護事業所において、外部との連携により、利用者の身体の状況等の評価を行い、かつ、個別機能訓練計画を作成した場合には、生活機能向上連携加算として、1月につき200単位を所定単位数に加算する。ただし、注10を算定している場合は、1月につき100単位を所定単位数に加算する。

 

注10は、個別機能訓練加算ⅠⅡです。

私も間違えて理解していたのですが、この加算で求められている要件は「個別機能訓練計画を作成」なのです。

個別機能訓練加算ⅠⅡの算定の有無は問われていません!!

 

ですから、現在この個別機能訓練加算ⅠⅡを算定していない、小規模事業所さんにこそ、この加算の導入を検討して欲しいと思います。

留意事項(解釈通知)では、どうなっているか?なのですが、

 

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について

通所介護p32

 

ちょっと長いので、シンプルにポイントをまとめると

 

(10) 生活機能向上連携加算について

① 通所リハビリ事業所の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は医師(以下、「理学療法士等」という。)が、通所介護事業所を訪問し、当該事業所の機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者(以下「機能訓練指導員等」という。)と共同してアセスメント、利用者の身体の状況等の評価及び個別機能訓練計画の作成を行う。

 

② ①の個別機能訓練計画には、利用者ごとにその目標、実施時間、実施方法等の内容を記載しなければならない。

 

③ 個別機能訓練計画に基づき、機能訓練指導員等が、計画的に機能訓練を提供していること。

 

④ 計画の進捗状況等について、3月ごとに1回以上、理学療法士等が通所介護事業所を訪問し、機能訓練指導員等と共同で評価した上で、機能訓練指導員等が利用者に対して個別機能訓練計画の内容(評価を含む。)や進捗状況等を説明し記録する。

 

⑤ 各月における評価内容や目標の達成度合いについて、機能訓練指導員等が、利用者及び理学療法士等に報告・相談する。

 

⑥ 機能訓練に関する記録(実施時間、訓練内容、担当者等)は、利用者ごとに保管され、常に当該事業所の機能訓練指導員等により閲覧が可能であるようにすること。

 

厚生労働省に確認したところ、この加算は、週2時間ほど、機能訓練を提供しているような小規模事業所に対して(機能訓練はしているが、個別機能訓練加算ⅠⅡの加算は算定していない)、

 

外部の通所リハビリ事業所のPT・OT・ST・医師(以下、リハビリ専門職)が通所介護を訪問し、他職種共同で一緒に個別機能訓練計画を作成する

それに基づいて機能訓練サービスを提供、その内容を日々記録する

3ヶ月毎に評価を行う

 

月200単位を算定できるものです。

もし、個別機能訓練加算を算定している場合は、月100単位に減額されます。

*この加算は、毎月算定することができます!!

 

 

この加算の面白いところは、小規模事業所の救済なので、③のサービスの提供者が「機能訓練指導員等」になっているところです。

「機能訓練指導員等」(ちなみに、機能訓練指導員等はこの加算だけの定義です)とは、「機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者」で、条文を読む限り、機能訓練指導員が配置されていない日でも、この加算を算定できるように思います(個別機能訓練ⅠⅡのような配置要件がないため)。

 

要するに、通所リハのリハビリ専門職をアドバイザーにして、通所介護の機能訓練指導員を窓口にして(計画書作成や相談役として)、少しでも専門的な機能訓練を、ご利用者に提供する体制を作ることを目標にしているようです。

週1回、月4回の利用であれば、毎回機能訓練をすることで1回50単位の報酬がもらえるような扱いになります。

 

ただ、小規模であっても、一般的な個別機能訓練ⅠⅡを算定している事業所レベルまでは、求められないとは思いますが、ある程度の書類は必要になるかと思います。

特に、目標に関しては、きちんと設定する事が求められます、ご注意ください。

 

④の要件(3ヶ月毎に通所リハのPTOTSTの訪問)が厳しめですが、毎月加算が算定できますので、複数の該当者がいれば、3ヶ月毎の交渉も可能かと思います。

都内では、訪問リハであれば、訪問1件分(9,000円)の金額で、訪問を行ってくれる事業所さんがあると聞いています。

 

通所リハ・訪問リハ事業所さんからすれば、デイサービスと連携を取ることは、社会参加支援加算の移行先として考えることもできますし、訪問の空き枠の減少にもつながると思います。

ただ、厚生労働省の担当の方からも言われましたが、上記については、サービスを開始される前に、みなさんの保険者の介護保険給付担当に、上記の様な理解で「大丈夫か?」ということをご確認ください。

実地指導で、認められないとなると、大事になりますので。

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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。