【アジアの聖地から】アジアを代表する世界遺産 アンコール・ワット(カンボジア)


壮大なヒンドゥー教の世界観

アンコールワット。言わずと知れたアジアを代表する世界遺産です。カンボジア、当時のアンコール王朝に12世紀後半に約30年の歳月をかけて造られた寺院。東京ドーム15個分という広さは、アンコール遺跡群の中でも最大級の規模を誇ります。

ここはヒンドゥー教の世界観を壮大なスケールで表しています。訪れる人々は、先ず幅190mもあるお堀を渡ります。豊富な水でいっぱいのお堀は大海を表し、正門の先に三重に造られる回廊はヒマラヤ霊峰、その壁面は彫刻で覆いつくされ、そこは正にクメール劇場。躍動感ある天地創造の物語や、迫力ある天国や地獄絵が生々しく描かれ、旅人を飽きさせることがありません。

その回廊を超えるにつれ、高さ65mもある中央祠堂が近づき、そこは須弥山、宇宙の中心にたどり着くのです。この世界が、クメール芸術の最高傑作であることに誰もが納得するでしょう。

美しい大自然との調和

この壮大さに加えて、大自然との調和が圧巻です。

これほどまでに自然との美しさを追求した構造は、数ある世界遺産の中でも屈指です。

時間、角度、太陽の位置によっても景色が変わる、美しさが計算し尽された設計。睡蓮が咲く聖池には伽藍が幻想的に映し出され、祠に登れば周囲には緑豊かな森林が広がります。

特に朝日、夕日との鑑賞は必見です。太陽、空、気温、風、見るもの、感じるものの全てが一体化する、この瞬間こそが世界中の旅人が「人生で一度は見ておくべき」という絶景なのです。

カンボジア国民の誇り

ここはカンボジアのシンボルであり、国民の誇りです。国旗にも紙幣にもアンコールワットは描かれています。

アンコール王朝時代に隆盛を極め、かつてこの国は東洋のパリとまで賞されるほど魅力的な国でした。しかし戦争、植民地支配、世界を震撼させたポルポトの内戦の後、アジア最貧国とまで衰退したのです。いまだに、貧困、人身売買、捨て子など、暗く悲しいイメージが拭い去れません。

しかし負のイメージばかりが先行してしまっている偏見もあります。実際には、今やカンボジアは若さと活気に満ち溢れた急成長国でもあるのです。

付近で観光客に蓮の実を売る子ども達に出会いました。この子たちも、ついついストリートチルドレンか、児童労働かと心配してしまいます。しかし実際はそんなことばかりではありません。家族の愛情に包まれ、家計の助けをしたくて、働くことを楽しんでいる子ども達もいるのです。この二人もその通りでした。

「学校には毎日行ってるよ。今日も午前中は勉強してきて、午後時間があるからここで仕事してるの。ここは特別なお寺だから、お客さんが多いからね。お父さんもお母さんも一緒に来てるよ。」

確かに少し離れたところには、ご両親やご親戚らしき方々が、レジャーシートに座って談笑しています。

お姉ちゃんは「将来はパイロットになりたいの」、弟は「僕は医者になるんだ」「だから今は一生懸命に勉強してるよ」と、夢を教えてくれました。この子たちにとっても、ここはこの国の栄光を感じることができる特別な場所なのです。この子たちが、大人になって、この国をどこまで成長させてくれるのか楽しみです。

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齋籐 浩司

齋籐 浩司

齋藤浩司(株式会社B-WAYグループ 代表取締役) 互助会から葬儀社を経て2001年同社創業。2002年に葬送支援NPO法人を創設。2010年には宗教法人を新規認証。CSR活動として、2007年お寺で余ったお供え物を困窮世帯へ届けるフードバンクを設立。2013年からは東南アジアの貧しい子ども達への生活・教育支援を開始し、現在はカンボジアのスラムで孤児院と幼稚園を運営。活動時に各国の聖地を訪れ、宗教家や現地の人々から文化を学んでいる。東京都新宿区出身。