遺言書のよくある間違い


最近では、生前対策の一つとして遺言書を作成する方が増えてきています。遺言書の作成方法として、自筆証書遺言・公正証書遺言が中心になりますが、中でも自筆証書遺言は手軽に作成できるため、内容に間違いがあるケースも少なくありません。せっかく作成しても、遺言書が無効となっては意味がありませんので、生前対策として作成した遺言書が自分の亡き後、無効になってしまうことは避けたいものです。

また、この自筆証書遺言書は、家庭裁判所での検認の手続きが必要になります。この検認の手続きをせずに誤って遺言書を開封してしまうと、法律上は5万円以下の過料となっていますので注意が必要です。

このように、遺言書のよくある間違いについて実際にどのような事で間違いが起こりやすいのか、詳しく確認していきましょう。

作成方法による間違い

・自筆証書遺言なのに、ワープロやパソコンで作成してしまった

自筆証書遺言は文字通り、自身の直筆で遺言書を作成しなければなりません。ワープロやパソコンで作成した遺言書や、自分以外の誰かが代筆した遺言書は無効となります。

 

記載不備による間違い

・署名・押印をしていない

署名と押印のない遺言書は無効となります。

・作成日の記載をしていない

作成日の記載がない遺言書は無効となります。記載があっても、“平成27年吉日”といった表記は間違った表記です。きちんと日付が特定できるよう記載しましょう。

・全ての相続財産の記載をしていない

こちらは不備とは言いませんが、せっかく遺言書を作成しても記載の無い相続財産に関しては、相続人全員による遺産分割協議を行って財産の分配を決める必要があります。必ずしも全ての財産を明記しなくてはいけないというルールはありませんが、出来るだけ全ての財産を明記してスムーズな遺産分割ができるように配慮してあげましょう。

 

「相続」と「遺贈」の間違い

「相続」とは、法定相続人に財産を残す場合に適切な表記です。遺言者が存命中は、法定相続人を推定相続人といいますが、推定相続人以外の人物に財産を残したいという場合には、「相続」ではなく「遺贈」という表記でなければなりません。

例えば推定相続人が、妻である配偶者と実子2人の3人である場合。推定相続人以外である、ご自身の弟に財産を残したい場合に、“不動産1を弟に相続させる”といった記載をしてしまうとそれは無効になってしまう場合もあります。

この場合、弟様は法定相続人ではありませんので、“不動産1を弟に「遺贈する」”といった記載をすることで間違いなく弟様への遺贈が実現できます。

「相続させる」と「遺贈する」といった表記一つで、遺言書の有効性を争う事態になってしまっても困りますので、間違いのない記載になるように確認しましょう。

 

遺言執行者の指定について

遺言書では遺言執行者の指定ができます。遺言執行者とは、遺言の内容を実行していく者とされ、法律上では相続人を代表する地位とされております。

この遺言執行者を特定の法定相続人に指定してしまうケースがありますが、相続人は互いに利害関係にあるため、特定の相続人を遺言執行者に指定することはトラブルの原因になりかねません。それが間違いとまでは言い切れませんが、遺言執行者を指定する際には、利害関係のない第三者を指定することをお勧めいたします。

遺言執行者には、遺言の内容を理解して法律通りに間違いなく実行してもらわないと困りますので、手続きを確実に行える司法書士・行政書士などの法律の専門家に指定されると間違いないのではないでしょうか。

 

検認をせずに遺言書を開封してしまった

自筆証書遺言書と秘密証書遺言は、開封する前に家庭裁判所での検認の手続きをしなければなりません。しかし、自筆証書遺言を発見して、検認をせずに誤って開封してしまった場合、遺言書が無効になることはありませんが、法律上では5万円以下の過料に処されるとなっておりますので注意が必要です。

その他にも、相続人から遺言書を改ざんしたのではないか?などの疑いをかけられてしまう可能性もありますので開封しないように注意しましょう。また万が一、遺言書を誤って開封してしまった場合でも、家庭裁判所へ持参して検認の手続きを経れば有効に使用することは可能ですので、きちんと手続きをするようにしましょう。

 

まとめ

上記の遺言書のよくある間違いにあげた事項のように、遺言書の取扱いは非常に難しいところがありますので、遺言書の作成時や、遺言書の発見時には注意が必要です。せっかく遺言書を作成するのですから有効かつ、財産の相続や遺贈がスムーズに行える内容の遺言書を遺すようにしましょう。

上記のような、よくある間違いは、自筆証書遺言である場合に起こりやすいので確実に遺言を残したいという方は、公正証書遺言を作成されることをお勧めいたします。公正証書遺言とは、公証役場へ証人2名と共に出向き、公証人と証人2名立会いのもと作成されます。遺言書の内容に法律上の不備がないかがチェックされる形で作成されるので安心です。

また作成された遺言書の原本は公証役場で保管されていますので紛失などの心配もありません。公正証書遺言は、自筆証書遺言に比べ費用も手間もかかってしまいますが、最も有効で確実な遺言が作成することができる方法です。遺言を確実に残したいという方は公正証書遺言を作成されることをお勧めいたします。

行政書士法人オーシャン
奥田 章太(おくだ しょうた)
https://www.ocean.jpn.com/gyousei/


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