喪章を付けるのはいつどんな時?お通夜だけ?知ってるようでしらない喪服と喪章


現代では黒が一般的な喪服の色ですが、これまでの歴史ではいろいろな変遷がありました。なぜそれが黒に統一されたのか、いつごろから黒になったのか、喪服の歴史について解説します。

また、喪服の変遷に伴って、喪章が使われるようになりましたが、どうして喪章が必要なのか、どのような場面で喪章をつけるべきなのかも合わせて説明していきます。喪章の値段や購入方法についても触れるので、葬儀があるときにはきっとお役に立つ情報となっています。

 

喪服が黒くなったのはいつから?

黒い喪服が当たり前の現代ですが、それが広まったのは明治時代以降です。

なぜ黒になったのかというと、きっかけは明治天皇の嫡母、英照皇太后の大喪です。それまでは白の喪服が一般的でしたが、参列する欧米諸国の要人が黒を着用するのにならって、黒の喪服としました。

それ以降は、皇室の大喪に限らず、国葬や軍人の葬儀などの公の行事では、黒の喪章をつけることになっていきました。

しかし、黒の喪章をつけるのが公人ばかりにはとどまりませんでした。公的の葬儀を目撃した人たちの間でも、黒い喪章を身に着ける習慣が徐々に広まっていきました。

また、英照皇太后の大喪では一般人は黒い喪服ではないものの、黒い喪章をつけて臨むことになりましたが、それがもとになって、一般人にも黒が葬儀の色として感じ取られるようになっていったのだと思われます。

ただ、喪服が黒で統一されるのはまだまだ先のことで、その後50~60年は以前のままであったようです。

 

黒になる前は喪服は何色だった?

江戸時代までは白の喪服が一般的でしたが、昔からずっと白を着用していたわけではありません。白い喪服の時代もあれば、黒い喪服の時代もあり、時代ごとに変わっていきました。

古い歴史書によると、昔は白を喪服としていたようです。穢れのない神聖な色とされていたからでした。

それが黒に変わったのは、奈良時代に制定された養老喪葬令がきっかけです。喪葬令によると、天皇は直系二親等以上の喪には、薄墨色の喪服を着なければいけないとなっていました。やがて、この決まりに貴族も従うようになり、色も薄墨色から黒に変遷していったのでした。

ところが、室町時代になると、黒から白へまた戻っていきました。

ただ、こうした変遷をたどったのは上流階級に限られていました。一般人は白、黒、白と変化することなく、ずっと白い喪服のままでした。

現在でも、一部地域では、喪主と遺族が火葬場へ移動するときに白装束を着る習慣が残っているところがあります。これなどは、昔白い喪服が一般的であったころの風習がそのまま伝わっているせいだと考えられます。

 

現代の喪章の役割とは

もともと日本の葬儀では、遺族が白装束、弔問客は羽織袴の正装というようにはっきり区別がされていたので、見間違えることはありませんでした。

それが、遺族、弔問客ともに黒い喪服を着るようになり、どちらがどちらだか分からないようになってしまいました。そこで、見分けがつくように、遺族が喪章をつけるようになっていきました。
ただ、いろいろな場合があり、家族葬では、遺族が喪章をつけないこともあります。また、遺族全員が喪章をつけたり、亡くなった方の家族だけが喪章をつけたりなど、葬儀によって状況が異なってきますが、家族だけが喪章をつけることが多いようです。

喪章の形態ですが、腕章タイプとリボンタイプの2種類あります。腕章タイプは腕に巻き、二の腕にピンで留めます。リボンタイプは、ポケットの上にピンで留めます。いずれも左側に留めることになっていますが、これは仏教の教えによるもので、本尊から見て右側(祭壇に向かって左側)のほうが位が高いとされているからです。喪章を左側に着けることで、亡くなった方への弔いの気持ちが強くなります。

次に、喪章の購入方法ですが、葬儀会社、仏具店、葬儀場近くのコンビニでも販売しています。価格は、腕章タイプで200~500円程度、リボンタイプで10枚セットが500円くらいです。
どうしても喪章が準備できなければ、黒いリボンで代用することもできます。
なお、喪章は遺族が身に着けるものだと書きましたが、スポーツ選手が亡くなった同僚や災害で死亡した人を悼んで、喪章をつけて試合に臨むことがあります。

 

喪服の役割と喪章の歴史について知っておこう

喪服は、喪に服す服という意味で、遺族が故人の冥福を祈って、着用する服でしたが、現在では、遺族だけでなく、弔問客も着るのが普通となっています。したがって、葬儀や法事、通夜などにおいては全員喪服で参加します。ただ、通夜では、喪服の準備が間に合わないこともあるので、濃紺や濃灰色の服装でもいいことになっています。

成人した大人になったら、必ず喪服を1着準備しておきましょう。喪服を着用すれば、故人を弔う気持ちが素直に表現できます。

一方、喪章のほうは、英照皇太后の崩御にあたって、一般人が喪に服すのに使用したのに始まり、公的な葬儀で用いられるようになっていきました。それが、現在では遺族や葬儀の関係者が身に着けるように変わっていきましたが、最近は使用しないことも多くなっています。それでも、故人を弔う気持ちを表すことや比較的簡単に入手できることは覚えておいてください。

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