知らなかった献杯!乾杯とはどこが違う?


葬儀の際、随所で行う献杯はどういう意味があるかご存じでしょうか。日常行う乾杯とはまったく違う意味合いを持つ献杯について説明します。献杯の発声を行うのは誰なのか、献杯時に気を付ける事、乾杯と献杯の違い、さらに献杯のあいさつ例文など詳しくみていきましょう。宗派によって献杯を行わない場合もあります。実際に献杯をする状況になった時、どうすればよいのか分からず困惑することがないように、前もって知識として蓄えておくことが大切です。

献杯とはどういうもの?

献杯の意味を簡潔に表現すると「相手に敬意を表す」ことです。葬儀や法事の儀式として行うため、当然に故人に対する敬意を表し杯をささげる意味合いを持っています。献杯をする場面としては、精進落としの前・法事のお斎(おとき・法事法要の会食などのこと)の前・追悼会・お別れ会・偲ぶ会の前などがあります。献杯を含め、日本は古来からお酒を神事や三三九度などの神聖な儀式のお神酒として使用しており、ヨーロッパの習慣として入ってきた慶事の乾杯とは一線を画すものです。また、仏教の様式において献杯は正式な儀式ではありませんが近年よく使われるようになった用語です。ただし、地方の風習や宗教によって献杯を行わない場合もあります、分からない場合は前もって葬儀社や寺社に問い合わせしておくようにしましょう。

まるわかり!献杯までの流れは?

献杯は、お葬式が終わり参列者が精進落としの席に着席したあと行います。献杯をはじめる前に故人の遺骨・位牌・遺影の前に杯を置き、お酒をささげます。その後、参列者全員の杯(グラス)にお酒やソフトドリンクを注ぎ合い挨拶前の準備とします。続いて、遺族代表として喪主による挨拶を行い献杯の儀式に移ります。地方の風習により挨拶と飲み物を注ぐ順番が異なる場合もありますが、スムーズに献杯するには挨拶前に飲み物を注いでおいたほうが良いでしょう。喪主の挨拶が終わった後、喪主によって献杯の音頭をとる人を指名します。指名された人は挨拶する場所へ移動し一旦杯を置いたうえで、故人との思いでなどを軽く語ります。このとき献杯の音頭をとる人が遺族であった場合は、参列者へのお礼も含めておくと良いでしょう。その後、献杯と発声し献杯します。その他の人は唱和します。

献杯の発声をするのは誰?

喪主が、献杯の音頭をとる人を指名する際にこれといった決まりごとはありません。喪主から事前に打診される場合や、その場で急に依頼される場合もあるでしょう。ただ多くの場合は、故人の兄弟や遺族の代表がつとめることが多くなっています。遺族であれ参列者であれ、献杯の儀式を慌てることなく行えるように前もって知識を蓄えておくことも重要です。挨拶文に関しても、遺族の場合または故人の友人などの違いで内容が変わることを覚えておきましょう。もちろん、献杯に適当な人物がいなかった場合などは喪主自ら音頭をとっても問題ありません。

献杯の挨拶で気を付けるポイント

献杯の挨拶での注意点として、できる限り手短な文章にすることです。限られた時間の中で、参列者は杯をもったままであることを考慮しましょう。また、不幸が再び訪れることを連想させる、忌み言葉(重ね重ね・益々・くれぐれもなど)を避けるようにしなければいけません。喪主以外の人の場合は、簡単な自己紹介と故人とのエピソードに加え、お悔やみの言葉を盛り込んだ1分程度の文章を心がけます。その後、参列者に対して杯を掲げ、遺影の方向へと促します。この時、特に注意しなければいけないことは、慶事の乾杯のように杯を高く持ち上げないようにします。軽く杯を掲げる動作で献杯の音頭をとるようにしましょう。当然に杯をカチンと合わせる行為もしてはいけません。

献杯と乾杯の違いを理解することが大事

献杯と乾杯には根本的な違いがあります。それぞれを表わす漢字が示すように、献杯とは献(ささげる・たてまつる)という故人に敬意を表す意味があり、逆に乾杯は乾(ほす)すなわち注いだ飲み物を一気に飲み干し、祝いの気分を盛り上げたりすることを意味しています。献杯は故人に敬意を払い杯をささげる意味合いから、杯(グラス)どうしを打ち合わせたり、杯を高く掲げるなどの行為は無礼な行為にあたります。また乾杯とは違い、飲み物を一気に飲み干すこともマナー違反です。献杯には特別な作法や決まり事はないといえども、以上のような注意点がある事を覚えておくことが大切です。用語の意味合いをしっかり理解して、故人を偲び・敬い・供養する気持ちを忘れないようにしましょう。

献杯の挨拶の例文

喪主挨拶例文です。「本日は故人○○の葬儀にご参列下さり誠にありがとうございました。滞りなく葬儀を終えることができたことは参列してくださった皆様のおかげであり故人もさぞ喜んでいることと思います。ささやかではございますが、故人を偲びながら会食を行っていただくための膳をご用意いたしました。皆様でお召し上がりくださればと思います。本日はありがとうございました。それでは献杯させていただきます。献杯」
故人の親戚の挨拶例文です。「本日は故人○○の葬儀にご参列下さり誠にありがとうございました。故人の○○(関係)の○○でございます。葬儀も滞りなく終えることができ○○も安心していることでしょう。本日は少しばかりの精進落としを用意しました。限られた時間ではありますが○○の思い出話などをお伺いできればと思います。本日はありがとうございました。それでは献杯の音頭をとらせていただきます。献杯」
友人の挨拶例文です。「○○(故人)さんの友人、○○です。○○(喪主)様よりご指名を賜り献杯の挨拶をさせていただきます。○○さんとは、○○年来の○○仲間として楽しんでまいりました。本日このような追悼の席に参列するとは夢にも思わず、享年○○歳という天寿を全うするにはあまりにも早すぎるもので悲しみに堪えません。ご遺族様の悲しみお察しするとともに一日でも早く悲しみが癒やされることを願っております。それでは献杯させていただきます。献杯」

5/5 (1)


The following two tabs change content below.
「いい葬儀マガジン」を運営する鎌倉新書は、供養関連の出版社として、葬儀・お墓・仏壇・寺院・相続など、人生のエンディングに関する情報提供を長年行ってきました。その経験をもとに、多様化する社会や価値観の中で今求められている情報を発信していきます。