介護の仕事を始めるために〜履歴書の書き方、面接のコツ〜

今回は、介護の仕事を始めるために、履歴書の書き方についてお話ししたいと思います。

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まず職種を選びます

自分自身に対して質問をして、まずはサービス種類、職種を選びます。

1)あなたは、どんなご利用者を介護したいですか?
2)夜勤をしたいですか?
3)在宅ケアと施設ケアどちらをしたいですか?
4)介護系の資格がありますか?
5)数年ごとに、職種や職場を変えたいですか?
6)通勤時間は、自宅から何分までを希望しますか?

次に事業所を探しましょう

厚生労働省に、日本全国の介護事業所・生活関連情報を検索出来るサイトがあります。こちらから、自分の通勤圏内に、働いてみたい介護サービス事業者の候補を見つけてください。

この事業所が、求人を出しているかどうかは、このサイトだけではわかりません。求人に関しては、HP、電話で事業所に確認をすることになります。

気になった事業所のHPをチェック

気になった事業所のホームページから採用情報をチェックしましょう。

気になった事業所のHPに行き(先ほどの厚生労働省のサイトから、リンクがたどれます)、ケアの内容や、みなさんが希望する労働条件などが載っているかを確認します。

また、現在求人をしているかどうかは?検索ワードに、「事業所名+求人」と入れると、現在、過去の求人が出てきます。

事業所見学はどうやったらいいの?

さて、ここまで準備が整ったら、事業所の見学に行きましょう

見学?見学なんてしたことありません!という人も居ると思いますが、なるべく早く就職したい!のであれば、事業所を見学した方が、採用される履歴書を作成することが出来ます(具体的には、しっかりとした志望動機を記入出来るから)。おすすめです。

一般的には、ハローワークを通して、見学・面接となりますが、ご近所であれば、直接アポイントメントをとって、見学に行っても良いと思います。

「現在、介護の仕事を探しています、貴社を見学させて頂けないでしょうか?」と電話をすれば、担当者が対応出来る時間を教えてくれると思います(時間は、夕方~夜間かも)。

中には、求人は出していませんと回答する事業所もあります。ただ、みなさんの頭の何処かに、ひっかかった事業所ですから、「自分の両親を利用させたいので、見学させてください」と言ってみても良いのではないでしょうか?

面接ではなく見学ですから、みなさんの聴きたいことを失礼の無いように、確認してください。

しっかりした履歴書を書くポイント

いくつか、施設を見学すると、みなさんの気持ちも高まってくると思います。求人を出しているところでしたら、求人票を取り寄せ、ハローワーク(もしくは仲介業者)を通じて、履歴書送付、面接の手続きをしましょう。

最近は、一次選考の書類審査を省き、そのまま面接になるところも多いように感じます。面接時には、履歴書を持参してください(履歴書の写真を忘れないように)。

履歴書のキモは、「志望動機」です。この志望動機は、会社への「ラブレター」になります。

特に、書類選考の場合、人事担当が判断する材料は、この書類のみとなりますので、人事担当は、想像力を働かせて、この人は、こんな性格かな?と判断していきます。

履歴書の作成に手を抜くのはNGです

最終的に、この人は、うちの会社にマッチするかな、しないかな?を選考しています。

  • 写真や切手が曲がって貼っている…×
  • 他業種でも使える志望動機…×
  • 履歴書の見本例と同じ文章…×

履歴書の作成に手を抜くこと=不採用の確率が高くなります。面接で、人事が、求職者に確認したいことは、以下の4つのポイントです。

A)当社への志望動機を詳しく
B)入社したら、自分がやってみたいこと
C)将来の目標は?
D)あなたのセールスポイント(自己アピール)は?

志望動機を書く時は、上記A~Dの質問に答えて記入します。

求人票に記載されている職種に対しての動機については、「B志望動機」を記載し、会社に入ったら貢献できる能力、好きな仕事については、「D自己アピール」に区別して記載します。

今までのキャリアから得てきた能力に関して、「こういう仕事も得意です!」と別のセールスポイントを挙げるのが「自己アピール」です。履歴書に記入しておくと、後々の人事異動などで考慮されます(実は、履歴書は、節目節目で、上層部に確認されますので、しっかりと記載しておくと良いですよ)。

志望動機は大きく分けて3つあり(業界、職種、会社)、特に重要なのは「会社への志望動機」になります。

□ 医療介護業界で働きたい!(業界志望)
理由)自分の祖父が半年前に転倒し、大腿骨を骨折しました。入院時、その後のリハビリで病院や介護施設のみなさんに、大変お世話になりました。私も、そのような人の役に立つような仕事をしたいと思いました。

□ ケアスタッフとして働きたい!(職種志望)
理由)今年の3月から、一念発起し、介護職員初任者研修を3ヶ月受講して、先月無事に資格を取得しました。私も、御社のデイサービスで介護職員として、元気に働きたいと思っています。

□ ○○会社で働きたい!(会社志望)
理由)・・・・・・・・(書いていない!)
家から近いから
福利厚生が充実していそうだから
御社の成長性に期待して

上記の会社志望は、動機になっていません。書いていないということは、うちをあっさり辞めて、他の事業所に入社する可能性を考えてしまうのです。決め手に欠けるのです。

この会社志望を、記入するために、見学をして、その会社の良さ、私が惹かれたポイントを記入して欲しいと思います。この会社志望があるだけで、採用される確率は上がります。

面接のポイント

「IQ(頭脳の良さ)」より「愛嬌」です。

現スタッフと一緒に仕事が出来るのか?「相性」をチェックされています。

その人の学歴や職歴も、大事な要素になりますが、他の仲間達と馴染めるか?を見られています。そのため、どんなにすごい学歴や職歴を持っていても、馴染めないと判断されれば、お断りされてしまいます。

また社会人として、向上心(常に成長しようとする意志)責任感(やるべきことをやる、約束をきちんと守る)があるか?について、特に現場では求められます。生死に関わる、介護技術もあるからです。

また、他業界から介護業界に入ってくる方は、周りの仲間達からの注意や助言を、素直に受け入れることが出来るか?新しいことをチャレンジする勇気があるか?なども、仕事を継続していく上で、必要になります。

最近は、上司から言われたことしかやらない、失敗を恐れて新しいことにチャレンジしない・・と評される新人さんも多くなり、面接で「勇気がある」か「チャレンジ精神がある」かを、確認されることもあります。

一方、面接の中で、この応募者は「問題を起こしそうな人だ」と思われることもあります。例えば、自分が大好きで、周りの人を責めすぎる傾向のある人は、周りの人から愛されにくなり、結果孤立してしまいます。

面接での注意点

面接での注意点

面接は、面接をする前から、始まっています。会社に入った瞬間から、チェックされていますので、ご注意ください。遅刻、礼儀作法、動作、服装、態度、話し方等・・です。

この会社に入りたい!と本気に思っている応募者は、発言内容が具体的です。入社後に、自分がどう関わっていくのか?関わりたいのか?を発言しましょう。応募者の志望動機はヴィジュアル化、言語化されていますか?

また、履歴書に書いた内容を、具体的なエピソードを交えて話しましょう。自己アピールで「○○が出来ます!」と書いてあれば、その能力を、どのようにその会社で活かしていくか?を、具体例を挙げて話しをしましょう。履歴書に書かれていないことを、口頭で説明するのです。

また、相手(面接官)の質問に答える時は、時間をかけすぎないこと。
長くても30秒から60秒以内で答えられる回答にしましょう。

特に介護職は、何度も言いますが、サービス業ですので、話す相手と
「会話のキャッチボール」が出来るかどうかが重要です。

相手の質問に適度に答えて、こちらも相手に質問をしたり、話題をふることです。

質問に答えすぎるあまり、面接時間を自分の回答で独占すると、応募者は満足すると思いますが、相手の評価は下がります。

スタッフとして働くのであれば、相手(利用者、スタッフ)をどうやって喜ばすか?という視点も必要になります。

この記事を書いた人

橋谷創(橋谷社会保険労務士事務所代表、株式会社ヴェリタ/社会保険労務士・介護福祉士)

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