コルゲートや医療用チューブなどのプラスチック成形をおこなう株式会社ニッセイエコはIT技術を葬儀分野に導入しサービス拡大を図り、新しい葬儀の形を展開していくことを発表した。
じぶんで葬儀: http://jibundesougi.jp
同社は、2000年から、異業種参入として葬儀事業に参画していた。今回、IT技術への対応が遅れているとする葬儀事業について、大胆な提案をしている。
サービス内容について
ロボット導師
菩提寺のない方などを対象に、ご葬儀、法事法要、戒名授与などの場でご希望の宗派に合わせてどんな場所でも読経をするロボットを派遣する。ロボットはソフトバンク社のPepperを利用する。
電子芳名帳
今まで手書きで行われていた、芳名帳記入をIT化する。
- いくらお香典が集まったかがタイムリーでわかるので帳場での作業が軽減される。
- 返礼品を参列者がその場で選択可能。
- 様々なデザインの芳名帳へと印刷出力可能
ネット葬儀サービス
葬儀または法事をインターネットを介してライブ配信し、参加できない方にもスマホ等で疑似参列が出来るようにする。
アバター祭壇
アバター機能により祭壇の疑似シミュレーションが可能になる。
エンディング産業展2017への出展
同社は8月23日−25日に東京ビッグサイトで開催される葬儀・埋葬・供養に関する、設備・機器・サービスの集まるエンディング産業に関する専門展示会「エンディング産業展2017」に出展する。
開催期間: 2017年8月23日~2017年8月25日(10:00~17:00)
開催場所: 東京ビッグサイト 東5ホール
小間番号: 9-38
URL : http://www.ifcx.jp/
「葬儀×IT」とは?
そもそも「IT技術」とはなんだろうか?確かに、「ロボット」や「電子芳名帳」などは、見た目に分かりやすく、新しい技術が導入されているように見える。
一方で、その中身としては、「読経」であったり「香典返し」であったり、これまでの葬儀と何の代わりもなく、単に道具が電子デバイスになっただけである。
本来的なIT技術とは、人と人をつなぐ技術であり、目に見えない部分での様々な効率化を行った結果、これまでに対応できなかったことを実現させるものであるはずだ。ロボットが来たとしても、やることが読経の音声ファイルを読み上げるだけであれば、そこには何のイノベーションもない。
「故人への想いを伝える」、「家族から故人に縁の有る方への感謝の気持ちを伝える」、「お悔やみ、悲しみの感情を共有する」といった、葬儀の本質に関わる部分において、これまでにできなかったことがIT技術によって実現されることは期待されている。ロボットによる読経はともかく、ライブ中継などは、そういった流れに沿ったものであろう。