2017年2月8日~10日の3日間、「第83回 東京インターナショナル・ギフト・ショー春 2017」が東京・江東区の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催されました。
テーマは「がんばろう日本“創造と発見”新しい世界の輪」。日本国内はもちろん、世界各国から集まったさまざまな商品が紹介されました。
今回は展示会の模様と共に、「いい葬儀マガジン」の記者が出会った「これからの終活を変えそうなグッズ」をご紹介します。
目次
職人の技が熱い!新しい伝統仏壇
飯山商工会議所からは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品、飯山仏壇の新作が。「仏間から手元へ」をコンセプトに、伝統の技と現代風なデザインが融合しています。
iPhoneみたいな「かみだな」
古から受け継がれてきた想いは残し、今の生活様式に合わせて変化した神棚、それがモダン神棚「もこのこ」の「かみだな」です。
コンパクトな薄型サイズで、壁にかけて使用することもできます。
表には伊勢神宮のお社をトレース。中に神社でいただいたお札をおさめます。小さな窓も開いているので、いつでも中の神様につながります。素材は国産ヒノキです。
写真、左は「かみだな むく」(幅118ミリ、高さ300ミリ、厚さ40ミリ、重さ500グラム)、右は「かみだな しろ」(幅120ミリ、高さ280ミリ、厚さ38ミリ、重さ550グラム)です。
モダン御札額
家庭に祀られている神様を、「もっと暮らしのそばに」というのが、山田木管工業所の「モダン御札額」です。
家族が集まるリビングでも、一人暮らしの方のワンルームでも、和室でも洋室でも、場所を選ばずに祀ることができます。
色は全部で5色。木目を生かした「ナチュラル木目」と「こげ茶木目」、カラータイプの「白」「赤」「黒」があります。
町おこしにも活躍!仏像のフィギュア
日本の伝統美・仏像を生活の中で楽しむことを目的に、国宝などの著名な仏像をモデルに細部まで忠実に再現する「イスム」(株式会社MORITA)は、大分県豊後高田市との共同開発による仏像フィギュアの新作を発表しました。
平安期の仏像や遺跡が数多く残る大分県国東半島の六郷満山エリアでは、関連する各自治体で「国東半島宇佐地域・六郷満山開山1300年誘客キャンペーン実行委員会」を設立し、観光誘致に力を入れています。
今回、豊後高田市が「“地域のもの”だった仏像を、全国的な知名度のあるものにしたい」と仏像フィギュア化プロジェクトを発案。そのシンボルとして、同市真木大堂所蔵の「大威徳明王像」を再現したフィギュアをお披露目しました。
この「大威徳明王像」、オリジナルは平安時代に造られた像で、大威徳明王としては日本最大、保存状態も極めて良い国指定重要文化財です。
ちなみに、豊後高田市ではふるさと納税でお墓参りの代行をしてくれるサービスも提供しています。
スパイシー!?生姜の香りのお線香
お線香や香りで祈りと癒しの時空間を提供する日本香堂からは、和花をモチーフにした香りのシリーズ「かゆらぎ」に新たに生姜の香りが誕生しました。
甘い香りでもない、香木系の香りでもない、これまでにないスパイシーな香りのお線香です。
喪中はがきが届いたら……進物用の和ろうそく
家族葬を選ぶ遺族が増える中、喪中はがきが届いてはじめて、その方が亡くなったことを知る……というケースも。
そんな時、故人への気持ちを込めて進物用のお線香をおくる風習も広がりを見せていますが、中にはろうそくをおくりたいという希望もあるそうです。
そんな気持ちに応えたのが、この「蓮華蝋燭」です。
製造は、慶應元年の創業から伝統を守り続ける小大黒屋商店。創業当時から脈々と受け継がれた技術と伝統が生きています。
デキる大人のたしなみ、「ふくさ」もスタイリッシュに!
ふくさの企画製造メーカー、有限会社大一創芸からは、お香典やお布施を包む「ふくさ」が登場しました。
でも、ただの「ふくさ」ではありません。スタイリッシュな「コンパクトふくさ」です。
香典袋を内側のポケットに指し入れたら、ゴムバンドで留めて。お香典を出した後は二つに畳んで、これもバンドで留めてハンカチサイズに。そのままポケットに入れて持ち帰れます。
柔らかい布なので、水引が大きくても傷つけません。
返礼品においしいオリジナルスイーツ
ゲゲゲの鬼太郎「妖怪饅頭」やハローキティ「さくら浪饅」などをつくる株式会社寺子屋からは、おいしい!早い!安心!の三拍子そろったスイーツ、カステラ饅頭の提案です。
しかも、オリジナル焼き印入り。
味はこしあん、チョコレート、カスタード、さくら餡、栗餡、抹茶餡、抹茶クリーム、バナナカスタード、チョコバナナのほか、オリジナルの味も開発してくれるそうです。
パッケージや焼き印、味の種類まで好みに合わせて作るオリジナルカステラ饅頭。大好きだった故人の味、しかも故人の名前入りとか似顔絵入りとか。
楽しいオリジナル返礼品もできそうです。
お米づくしのかりんとう
おいしそうな返礼品といえば、株式会社吉村の「米かりんとう」も。
小麦粉を一切使わない、米粉100%の生地に、さらにお米を練りこんだ、どこまでもお米にこだわったかりんとう。もちろん、米油で揚げています。
海苔、青きなこ、うめ、かつお節、抹茶、シナモンと、大人の味がそろってます。
会館の控室なんかにちょっとあってもいいですね。
もしも故人が鉄道ファンだったら?返礼品にぜひ使いたい鉄道オリジナルグッズ
もしも鉄道ファンの方のためにお別れ会を開いたらどうなるか?
「いい葬儀マガジン」でもシミュレーションしてみましたが、そんな時にぜひとも返礼品をお願いしたいのが、鉄道関連のオリジナルグッズを手掛ける株式会社立誠社です。
靴下、箸、鞄、そのほか鉄道グッズなら何でも、頼んだら作ってくれそうです(たぶん)。
例えば電車をデザインした靴下「鉄下」は、小ロットでも対応可能。
大好きな車両の靴下をお返しに、新しい文化が生まれるかもしれません。
盆提灯も故人に合わせて変化する?
夏のお盆など、供養には欠かせない提灯も、柄だけではなく、その形そのものまで、いろんなタイプのものが出ています。
今回、株式会社鈴木茂兵衛商店のブースに並んだのが、「SUZUMO BIN」です。
黒、白、青の3つのカラーバリエーション。瓶をリアルに表現した提灯に、和モダンな市松模様が施されています。でも、実は絵や文字を入れたり、オリジナルのデザイン加工も可能です。
お酒が大好きだった故人のために、提灯も一升瓶で。お葬式だけでなく、お盆でも「その人らしさ」が出せるかもしれません。
ちなみにデザインは一升瓶だけでなく、ワイン瓶や鳥の形の提灯もありました。
すぐ乾いて墨がにじまない!すごい御朱印帳
一見、かわいい柄の御朱印帳(この時点ですでにやや珍しい)ですが、実は紙がすごいのが、古川紙工株式会社の「思い出朱印帳」です。
「思い出朱印帳」に使っているのは、パフォーマンス書道の高校日本一を決める、全国高校書道パフォーマンス選手権大会(書道パフォーマンス甲子園)で使用されている紙です。
書道パフォーマンス甲子園では、巨大な紙の上に墨をたっぷり含んだ筆でダイナミックに文字を書いていきます。しかも、書き終えたらすぐに立てますが、それでも墨は垂れません。それくらいすぐに乾いてにじまない、特殊な紙なのです。
さらに、裏面にはポケットがついています。
お寺を巡ったときの拝観チケットの半券なども自由に入れて、思い出と共に保管できる御朱印帳です。
日本初、スマートフォンでできるペット供養
ローソクのカメヤマのブースに並んだ数々の商品の中でも、注目は、ペットローソク・線香「虹のかなた」です。
家族同様、大切だったペットを供養する、空色のローソクとフルーティフローラルの香りのお線香のセットは、発売以来、話題の商品です。
さらに、今回はペット供養専用アプリとスタンド、「ペットト」もお目見えしました。
ペットの画像をアップすると、モーションポートレート機能で、目や口などを簡単に動かせるようになります。
優しい曲線が魅力のスマートフォンスタンドにスマホを立てると、これまで一緒に過ごしてきたころの思い出の画像が、思い出深い映像に変わります。
3月からは、クラウドファンディングサイト「Makuake」で開発サポーターの募集も開始しています。
形見のフィギュア
今回、ギフトショーリポートのトリを飾るのは、illustrator わるいだ~さんの、おじいちゃん、おばあちゃんのフィギュアです。
写真など資料をもとに、オーダーメイドの一点ものフィギュアを作ってくれます。
おじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントでもいいでしょうし、終活開始の記念に自分のフィギュアを作って、形見として遺すのも、楽しいかもしれません。
ちなみに動くフィギュア「プルプルおじいちゃん」や「プルプルおばあちゃん」もありますが、終活という点では、プルプルしない方が落ち着いていていいような気もします。
いかがでしたか?
ギフトショーというと「いい葬儀マガジン」とどんな関係があるの?と思ってしまいますが、終活ととても関係が深い商品もたくさん並んでいました。
もしお別れ会などで使ってみたら、「その人らしさが伝わるかも?」と思えるような、そんな新しいグッズと出会える可能性も大きいです。
お忙しい中、取材にご対応くださった皆様、本当にありがとうございました。
(小林憲行)