大好きなパパへ

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今は亡き父へ

パパとの別れの時は本当に急にやってきたね。

最期の時、ママから「もう会えなくなるからキスしてあげな」って言われて頬にキスしたこと、覚えていますか?

まだほんのり温かかったパパ。あれが最後に触れたあなたのぬくもりでした。

あの日は家に帰るとまだいるはずのないパパがいて、「体調が悪くて早退した」って、出かけていた私たちより早く帰りいつものようにリビングで煙草を吸っていたね。

でもそのあとすぐに救急車がきて、そのまま入院となりました。

その日の夜は私とお姉ちゃんの二人で、あまりに突然の出来事と、パパもママもいない不安でいっぱいだったのをよく覚えています。

当時六歳だった私は、死ぬということがわかりませんでした。

でも火葬場でママが両脇を支えられながら、パパの棺に手を伸ばし泣き崩れた姿を、今でもはっきり覚えていて、それを見て死ぬということを理解したのだと思います。

あれから十七年、今も時々パパとの写真を見返すけれど、思い出せるのは、車を運転する後姿や、ビデオを撮る姿ばかりで顔が出てこないの。ごめんね。昔は一緒にミニ四駆を作ったよね。自動車整備士だったパパは本当に喜んでいたと聞きました。乗り物好きなパパに似て、車とバイクの免許も取ったよ。一緒にドライブや、ツーリングをしたら楽しかっただろうな。

そんな私から報告があります。

この間彼からプロポーズを受けました。

彼は中学の同級生で、卒業後にひょんなことから再会してお付き合いを始めたの。車やバイクが好きな優しい人で、お仕事も車関係だから、パパにそっくりだね。不思議なものです。

これから私は新しい道を歩き始めます。そこでパパにお願いがあります。

私もお姉ちゃんも、もう大人になったから大丈夫。だからママのそばにいてあげて下さい。

この間階段から落ちて怪我をしたから、独りにするのが心配なの。まだ元気でいてもらわなきゃ困るから。だからママを一番に見守っていてください。

生まれる前、へその緒が首に絡まり死にかけた私。突然意識をなくし病院に運ばれたこともあり、今も紫外線アレルギーで辛い思いをします。最近は顔に海綿状血管腫が見つかりました。

でも、こうして元気なのはパパが見守ってくれているからだよね。いつもありがとう。

パパとママの子に生まれてこられて本当によかったです。これからもそばで見守っていてね。

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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