墓石に刻まれた言葉

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今は亡き父へ

「ともに過ごせて幸せでした」

お父さん、見えますか? 墓石にこの言葉を刻みました。

 

いい人すぎると辛すぎる。

お父さんが旅立ってから、つくづくそう思います。

あんなに病院嫌いだったのに、お父さんが胃がんの手術を決意したのは、病気を克服して、お母さんや弟、私、孫たちともっともっと楽しい時を一緒に過ごしたかったからですよね。

どんなに苦しくても辛くても弱音を吐かず、最後まで生きることを諦めずに頑張ったお父さん。

誰も、お父さんがいなくなる日常を想像できなかったし、想像したくもありませんでした。

でも、現実にお父さんがいなくなり、みんな悲しくて寂しくて、その現実を受け入れられずにいます。

少しくらい嫌な人だったら、残された家族は、これほどまでに苦しまずにすんだのにと思うほどです。

お父さんは、本当の優しさを持った人でした。

がんになる前は、ずっと丈夫で健康だったお父さん。

足が悪く、様々な病気で入退院を繰り返す母をいたわり、とても仲の良い両親でした。

連日のお見舞いに「お父さんの方が体を壊してしまうから」と止めても、「病気のお母さんの方が可哀相だから、顔ぐらい毎日見せてあげたい」と言っていましたね。

駐輪場の自転車が何台も横倒しになっていると、自分のではないのに、当たり前のように直していたお父さん。

誰にでも気さくに話しかけるので、いたる所に顔見知りがいましたね。

お母さんが今、一人で買い物に行くと、あちこちで「旦那は?」と聞かれるそうです。

いい人すぎると残された家族は辛すぎるけれど、言いかえれば、そんないい人がお父さんで、一緒に過ごせたことは最高に幸せだったということに、今更ながら気づきました。

お父さんと過ごした最高の時間、幸せな思い出はかけがえのないものです。そんな時間をいっぱい作ってくれて、本当にありがとう。

もうすぐ一周忌。あっという間でした。

天国のお父さん、墓石に刻んだ言葉届いていますか?

お父さんが、私のお父さんで本当に幸せでした。

そして、ともに過ごせて幸せでした。

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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