世界と比較しても日本はおおらか!?仏教の戒律とその変化

仏教における「戒律」とは、修業にまい進する信者たちが守るべき生活規律を指します。仏教の世界において信者が守るべきルールであり、さまざまな取り決めがあります。仏教はアジアを中心として各国に信者がいますが、その中でも日本における仏教の戒律はやや特殊だといわれています。仏教における戒律の内容や働き、日本仏教の特異性などについてお伝えします。

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戒律とは

仏教の中で定められている決まりごとで、信者が守らなくてはならないものが戒律です。

「戒」と「律」のふたつの言葉はそれぞれに持つ意味は異なります。「戒」は、悟りを開くために自分なりに努力するルールです。頑張ろうとする習慣のようなものと言えるかもしれません。

次に「律」は、集団におけるルールです。僧侶は集団での生活を余儀なくされるため、一定のルールが必要となります。このルールを破った僧侶には罰則が与えられます。

仏教の信者が守らなくてはいけないものを戒律と言います。

仏教の信者は、大きく在家と出家の2つに分けられます。出家しない場合は五つの規律を守る必要があり、出家して僧侶になるのなら具足戒を受けなくてはなりません。

五戒や八戒、十戒のほか、具足戒などが仏教における戒律です。在家の信者が守るべき戒律が五戒と八戒で、出家信者だと十戒と具足戒を守りながら生活しなくてはなりません。次からは、それぞれの内容を見ていきましょう。

五戒とは

在家信者が日々の生活を送る上で守るべきとされている戒律が五戒です。

仏教の戒律のうち、五戒というものがあります。

不殺生戒(ふせっしょうかい)

不殺生戒は、生あるものを殺してはならないというルールです。人間はもちろん、犬や猫などの動物、魚、昆虫など、すべての生きとし生けるものが対象となります。

不偸盗戒(ふちゅうとうかい)

不偸盗戒とは、他人のものを盗ってはならないとする決まりです。戒律に関係なく、日本では人のものを盗むと刑罰の対象になります。

不邪淫戒(ふじゃいんかい)

不邪淫戒は、パートナー以外と性交をしてはならないとする決まりです。

不妄語戒(ふもうごかい)

不妄語戒はウソをついてはいけないという決まりです。

不飲酒戒(ふいんしゅかい)

不飲酒戒はお酒を飲まないという決まりです。

在家信者の方は、日々の生活を送る上でこれらの決まりを守らなくてはなりません。ただ、在家の方が守るべき戒律はこれだけに留まらず、次にご紹介する八戒も守らなくてはなりません。

八戒とは

八斎戒とも言い、毎日守らなくてはならないものではなく、毎月6日間だけ行うものです。8日、14日、15日、23日、29日、30日で、この日は男女の交わりについての決まりがさらに厳しくなります。つまり、先ほど挙げた日には、浮気や不倫はもちろんパートナーとの性交も許されません。

快適な睡眠も許されない?

八戒には、先ほどの五戒に4つの戒律が加わります。化粧や装身具の使用を禁ずる香油塗身戒、歌やダンスなどの娯楽を見聞きできない歌舞観聴戒、快適なベッドで眠ってはならない高広大床戒、そして非時食戒という午後以降は翌朝まで食事ができない非時食戒があります。最後の非時食戒は斎と呼ばれ、他の戒律と区別されているので、八斎戒と呼ばれています。

十戒とは

僧侶になった人が守るべき規律が十戒です。すでにご紹介した8つの決まりと、ひとつの斎に捉金銀宝戒という規律が加わります。これは、お金に触れてはいけない、所有してはならないという決まりです。

具足戒(ぐそくかい)とは

出家して僧侶たちの仲間に加わるために受けなくてはならないものです。男性だと250、女性だと348の戒律があります。

具足戒には明確な罰則があり、中には永久追放になる内容もあります。また、7日間の懺悔、没収などの罰則も決められています。出家した仏教の信者は、この数多い具足戒を守りながら生活を送ることになります。

日本の仏教の戒律はおおらか?

日本の仏教は、長い歴史の中で戒律が変化してきました

非常に厳しい仏教の戒律ですが、海外の仏教と比べると、日本の仏教ではやや事情が異なります。日本の仏教においては長い歴史の中で戒律が少しずつ変化してきました。

日本では大乗仏教が信仰された

日本で広く信仰されている仏教のほとんどが、大乗仏教という流派です。「大乗」というのは多くの人々を乗せることができる乗り物といった意味で、出家して厳しい修行をした限られた人だけでなく、すべての人々が救われるという考え方です。海外の厳しい戒律を守らなければならない仏教とは、ある意味、根本的な考え方が異なると言えそうです。

日本では緩やかな戒律が採用された

さらに、天台宗の開祖・最澄は、数が多く厳しい具足戒ではなく、より緩やかな菩薩戒(ぼさつかい)という戒律を採用しました。また、比叡山の僧だった法然は、戒律を守らない人たちでさえも救われる道はないものかと考えるようになります。やがて法然は、阿弥陀仏の名前を唱え続けることで極楽浄土に行けるという教えをたどり着きます。

そして、阿弥陀如来を信じて南無阿弥陀仏の念仏を唱えることで人は救われると説いた浄土真宗の開祖、親鸞は妻帯もしています。このほか修験道などでも妻帯することはあったようです。

政府が仏教の戒律を緩くした

明治5年には、明治政府によって「自今僧侶肉食妻帯蓄髪等可為勝手事但法用ノ外ハ人民一般ノ服ヲ着用不苦候事」(太政官布告第一三三号)という布告がなされます。これによって、江戸時代には「女犯之僧御仕置之事」とされていた僧侶は、肉を食べても、結婚しても、髪を伸ばしても良いですよ、と政府から許可されるようになりました。

このように、日本における仏教の戒律は歴史の中でさまざまに変化して今に至ります。

イースターと比較してみた

日本でもポピュラーになってきたイースターは、キリスト教のお祭りです。日本語に訳すと「復活祭」です。

また、イースターと同時期にある仏教の行事「花祭り」と比較してみました。こうしてみると、お祭りに行うことはどの宗教でも似ていますね。

イースター 花まつり
宗教 キリスト教 仏教
日程 変動制(春分後、最初の満月の日の次の日曜日) 固定制(4月8日)
祝う内容 キリストの復活 お釈迦様の誕生
イベントの内容(想像) 卵に絵を描いたり、卵を探したりする 仏像に甘茶をかけたりする
関連する食べ物・飲み物 甘茶
関連する動物 ウサギ ゾウ(白)
その他 日曜日なので家族でも祝いやすい 平日だと、仕事を休んでまでは祝いにくい
スクロールできます

まとめ

海外の仏教徒から見ると、日本仏教における戒律はやや特殊に映ることもあるようです。しかし戒律が緩くなったからこそ、日本で仏教がこれほど普及したとも考えられるでしょう。

厳しい戒律を守れない人であっても救われる道が開かれているのが日本の仏教といえるかもしれません。

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