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【終活映画】生き生きと暮らしてゆく姿こそが心に残るメッセージ『男はつらいよ お帰り 寅さん』

男はつらいよ お帰り 寅さん

新年に考える終活映画として、50年、そして50作品目の寅さん最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』を見てきました。
このお正月という特別な時期にも、終活映画としては意味があります。

終活は「終い支度」ではなく、「元気な人生の再定義のチャンス」といっても、やはり周囲を巻き込んでゆくことはとても大切です。そういった意味では、比較的家族が集まりやすい年末年始に寅さんの映画を見て振り返る我が人生を感じ、家族を身近に感じながら、今一度、この先の人生を考えてみるのもよろしいかも知れません。その上での終活宣言ということも、その後の活躍に大いに有効となるでしょう。

50年。「人間五十年下天の内をくらぶれば夢幻のごとくなり」(人の世の50年の歳月は下天の一日にしかあたらない、夢幻のようなものだ)と、織田信長が好んで舞ったといわれる有名な詞章がありますが、50年後に振り返った人生とは天の時間と比べなくても、自分のことでありながらも、まるで夢幻のごとくに思い出されるものだと、実感するこの頃です。

通帳や遺言書などでは伝えられない、心に残してゆくメッセージ

今回ご紹介する映画 『男はつらいよ お帰り 寅さん』で感じていただきたいことはたくさんあります。

そもそも「終活映画」とは私の想う見方を基本に考えたジャンルです。「終活映画」として作品を語る時には、まさに人生の終焉を描いたものや、生き方を考えたいと思うような映画、また終活目線で見ることによって元気になったり、少し考えることに積極的になれそうな、そんな映画をピックアップしてナビゲートしています。今回の映画こそまさに理想の終活映画とも言える作品であり、公開前から楽しみにしていた映画でした。

さて、終活を「元気に、いきいきと、自分のために」と説く私としては、この寅次郎の生き方こそが「自分らしい生き方」です。はたから見ると破天荒でもありますが、その生き方が周囲の人にたくさんの勇気や愛情を感じさせてくれるものになると考えています。この通帳や遺言書などでは伝えられない、心に残してゆくメッセージ、元気に生き生きと暮らしてゆく姿こそが大切なのです。

映画の中で、寅次郎は亡くなったともされていません。おそらくは旅の途中だろうと皆が思いたいところでしょう。どこで何をしているのやら、そして寅次郎おじさんが今ここにいてくれたら、どんなことを言ってくれるのだろうか、そんな思いと共に過去の作品のシーンがいくつも映し出されるのです。

考えてみたらこんなに面倒くさい家族もそうはいないでしょう。ところが過去の思い出の寅次郎は、相変わらずに元気で生き生きとして、皆を笑わせたりもします。文句も言えば、説教もするのですがその寅次郎の姿は全部、本気の人生なのです。

男はつらいよ お帰り 寅さん

人生を重ねて振り返った時に響いてくる、その人らしい言葉

物語の中心は寅次郎がかわいがっていた甥の満男です。彼の恋物語には続きがありました。満男と泉の二人は将来結婚をしていたのではないかと思いきや、別々の人生を歩み、それでも相手を思っていた日々。時間を経てあの時のあの泉が目の前に現れた時に、思いを抱えて満男は悩むのですが、その都度寅次郎おじさんのことを思い出し、考えます。そして泉もまた、同じように寅次郎の魅力を振り返り感じていたのです。

「困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。おじさん、どっからでも飛んできてやるから」

シリーズ作においてもさまざまな名言がある映画ですが、引用されたであろうこの言葉が鮮明に、作品全編に響きます。まるであらかじめ決まっていたエンディングのようでもありますが、間違いなく人生を重ねて振り返った時に響いてくる、その人らしい言葉なのでしょう。

言葉についていえば、映画の中の一コマに、泉の母親が泣きながら寅さんと列車の中で話しをするシーンがあります。水商売の女が泉の父親である夫に裏切られたことを切々と語るのですが、「この気持ちがわかるか?」という問いに対しての寅さんの応えが秀逸でもありました。

「あんたの気持ちはわからねえけどな、あんたがいま話したいという気持ちはよくわかるよ」

まさに極上の共感の世界なのです。
その後、満男と泉と母親三人で施設に横たわる父を見舞うシーンがあるのですが、こうしたシーンに笑いを添えるのも忘れていません。山田洋次監督の映画でした。

自分自身の歴史とシンクロさせても楽しい終活映画

さて、現代は人生100年時代と言われています。その中で、皆さんは「男はつらいよ」シリーズの50年を、どの世代で過ごしていたでしょうか?
私自身、子供の頃に親と一緒に見た寅さんの記憶や、テレビで堪能したことも思い出だします。また寅さんの映画そのものを初めて体験するような、寅さんの50年を知らない人がこの作品ひとつだけ見ても、十分に楽しめる作品であること間違いなしです。

最後に終活映画のもうひとつの見方ですが、自分自身の歴史とのシンクロも味わえます。
寅さんと共に、シリーズ全作のマドンナも4Kデジアルでよみがえりました。懐かしく見ることもあるでしょう。またその美しさにうっとりとさせられることもあるでしょう。ああそうだったね。そうだったね、と周囲の人と話しながら映画を楽しむのも終活映画の見方として堪能ください。

お正月に寅さんの映画があるだけでも懐かしいと感じます。それぞれに素敵な時間を過ごすことのできる、映画でした。

今回ご紹介した映画 『男はつらいよ お帰り 寅さん』

第32回東京国際映画祭 オープニング作品

映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』

50年かけて作られた奇跡キセキの映画【笑いと涙】に包まれる最高の感動作!

2019/12/27〔金〕全国ロードショー

出演:渥美清

倍賞千恵子 吉岡秀隆 後藤久美子 前田吟 池脇千鶴 夏木マリ 浅丘ルリ子
美保純 佐藤蛾次郎 桜田ひより 北山雅康 カンニング竹山 濱田マリ 出川哲朗 松野太紀 林家たま平 立川志らく 小林稔侍 笹野高史 橋爪功

原作・監督:山田洋次

脚本:山田洋次 朝原雄三

音楽:山本直純 山本純ノ介

主題歌:「男はつらいよ」渥美清 / オープニング 桑田佳祐

配給:松竹株式会社

特別協賛:木下グループ スミフルジャパン スターツグループ みずほ銀行 芙蓉総合リース

© 2019 松竹株式会社

この記事を書いた人

尾上正幸

(終活映画・ナビゲーター / 自分史活用推進協議会認定自分史アドバイザー / 株式会社東京葬祭取締役部長)

葬儀社に勤務する傍ら、終活ブーム以前よりエンディングノート活用や、後悔をしないための葬儀の知識などの講演を行う。終活の意義を、「自分自身の力になるためのライフデザイン」と再定義し、そのヒントは自分史にありと、終活関連、自分史関連の講演活動を積極的に展開。講演では終活映画・ナビゲーターとして、終活に関連する映画の紹介も必ず行っている。

著書:『実践エンディングノート』(共同通信社 2010年)、『本当に役立つ終活50問50答』(翔泳社 2015)

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