「高天原」は地上にあった?近畿、関東、九州、そして海外説まで

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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高天原とは、神々が住む場所を指しており、日本神話に登場します。神道の祝詞や大祓詞などにも登場するため、聞いたことがあるという方も少なくないでしょう。この高天原は、我々が暮らしている地上にあったのではないかといわれています。神々が住んでいたといわれる場所が地上にあったとは、何ともロマンが感じられます。ここでは、高天原の場所や読み方、さまざまな説をご紹介します。

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「高天原」の読み方は?

高天原とは、 神々が生まれ、住まう場所の名前です。 高天原という名称は、712年、日本最初の歴史書として作られた『古事記』の中で登場します。

一般的な読み方は「たかまがはら」ですが、ほかにも「たかのあまはら」や「たかあまはら」、「たかあまのはら」といった呼び方をされることがあります。奈良時代ごろには「たかあまのはら」と呼ばれていたそうで、今のような読み方になったのは近世からなのだとか。いろいろな読み方をされることがあるのも「高天原」の特徴といえるでしょう。

また、日本書紀の中では天高市という記述も見られ、これは「あめのたけち」と読むようです。

「高天原」はどこにある?

古くから、高いところにあったのではとする説が唱えられていました。ただ、その後、研究が進み、日本神話そのものが大和朝廷の国造りにおけるプロセスを記したものだとする話が出てきます。そのため、神々が住むところも地上にあった地域がモデルになっているのではないかという推測が成り立つのです。では、実際のところはどこにあったのでしょうか。

「高天原」は奈良にあった?説

奈良県御所市には葛城山という山がありますが、ここがそうだったのではないかといわれています。日本神話を記した日本書紀や古事記が成立したのは、都が奈良にあった奈良時代のことです。また、奈良の人々にとって、かつて、この山の呼び名は高天山だったとされ、ほかにも高天と名前がつくエリアがいくつもあります。こうした理由から、奈良県御所市にあったとする話が根強いようです。

「高天原」は宮崎にあった?説

宮崎県高千穂にあったとする話も有力です。天照大神の孫であるニニギノミコトが降り立ったといわれるのが高千穂です。天照大神が岩戸に隠れたという神話をご存じの方は多いでしょうが、その神話の舞台となったといわれる土地が存在しているのも、推測が有力なのを後押ししています。

「高天原」は茨城にあった?説

関東の茨城がそうだったのではないかという話もあります。この説を唱えたのは、江戸時代に活躍していた新井白石という国学者で、現在の茨城を指す常陸国にあったと唱えたそうです。茨城には同じ名前の土地もあり、それがこの推測に信憑性を与えています。

「高天原」は九州北部にあった?説

九州北部にあったという話もあります。特に、福岡県の甘木や熊本県の阿蘇などが有力だといわれています。ほかにも、天ヶ原という土地もあることから、長崎県の壱岐にあったという推測を支持する方も少なくありません。また、神道の発祥地といわれる月読神社が建立されているのも、この話が支持される理由と考えられるでしょう。

「高天原」は実は外国だった?

実は、日本国内ではなく外国にあったのではないかという話もあります。

「高天原」は朝鮮半島にあった?説

その一つが朝鮮半島です。そこに住んでいた神々とは、外国から渡ってきた人たちのことで、日本にさまざまな文化を伝えたのだという考え方です。

それが、朝鮮半島を経由してきた渡来人たちが元いた世界を高天原としたのだろうという説につながったのでしょう。

「高天原」はイスラエルにあった?説

イスラエルがそうではないかという驚くような説もあります。
日本人はユダヤ人と祖先が同じではないかとする「日ユ同祖論」という説もあります。日本とユダヤには類似する文化が多いことから、このような話が誕生したのだといいます。
王国が滅亡したあと、一部のユダヤ人がイスラエルを離れて日本を訪れ統治をしたという説もあるくらいです。そのユダヤ人たちが日本に来る前にいたところを指しているのでは、とする説です。

結局どこにあるのかは……

ここまでお話してきた通り、考えられている地域は実にたくさんあります。日本国内だけでもたくさんある上に、海外にまで候補地があり、未だにどこが高天原だったのかは分かっていません。だからこそ、壮大な歴史ロマンを感じられるのでしょう。

ほかにも、群馬県の犬穴や鳥取の氷ノ山説などもあり、中国南部説などもあります。驚くところではギリシャのオリンポスにあったのではないかという説まであります。

神々が暮らしていた地という解釈もあれば、優れた文化をもたらした人々がいた地という話もあるので、結局のところ何一つ分かっていないのが現状です。

まとめ

高天原の場所や意味、読み方などについてご紹介しました。結局分からないということで、余計にモヤモヤさせてしまったかもしれません。ただ、はっきりと分からないからこそ想像する楽しさもあります。もしかすると、今いる場所が高天原なのかもしれません。

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