出家とは?「家」の意味や出家する方法

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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  • 出家とは、世俗の生活を捨てて仏教の修行をすること
  • 出家の「家」とは、食欲や睡眠欲、財欲などの煩悩を意味する
  • 出家の方法はお寺で修行する他、僧侶を目指す学校などもある
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出家とは

出家とは、これまでの生活や家族、友人など修行の妨げとなる世俗の生活を捨て、仏教の修行をすることです。現代では、それぞれの宗派の定めにしたがって、お坊さんの資格を得ることを出家と言い、僧侶を指して出家ということもあります。出家をせずに通常の日常生活を送りながら仏教に帰依する人を在家と言います。

出家は、もともとは仏教が生まれた古代のインドの修行者が行っていたものです。出家をするには親などの許しが必要でした。出家をすると、それまでの名前を捨て、新しい名前を付けました。

出家の「家」の意味

仏教における出家の「家」とは、煩悩を意味します。

「五欲」と「五根」と「五境」と「出家」の関係

仏教では人には5つの欲があるといい、これを「五欲」と言います。

人には5つの感覚器官、目、耳、鼻、舌、身があります。これを「五根(ごこん)」と言います。そして、それぞれの感覚器官で感じる5つの感覚、色、声、香、味、触を「五境(ごきょう)」と言います。

さらに、この「五境」に対する執着や、それによって生じる5つの欲望が「五欲」となります。

例えば、食べ物を食べたい、美味しいものを口にしたいという食欲、できるだけたくさんのお金を手に入れたいと考える財欲などが挙げられます。また、性的な欲求を満たしたいという色欲、いろいろな人から賞賛されたいと思う名誉欲、眠りにつきたい睡眠欲なども五欲になります。そして「家」はそうした欲の象徴でもあるのです。
つまり、出家とは人が持つ欲を断ち切り、仏の弟子になるという意味です。

現代での出家

現代では、スポーツ選手や芸能人、著名人などがある日突然出家して、世間を驚かせることもあります。また、一度仏教の世界に入ったものの、再び俗世間に戻ってくるといったこともあります。最近では定年を迎えた方が、第二の人生として出家をしたり、お寺に入りたいという方もいるようです。

出家の方法はさまざまです。例えば、信頼できるお坊さんに師匠になってもらい、基本的なことを学んだ上で、その宗門の修行ができるお寺に推薦してもらって修行を積むということがあります。
また、お寺が仏教に入門するためのコースを設けていたり、出家者を募集していることもありますし、僧侶を目指せる学校もあります。仏教学科、密教学科などがある仏教系の大学もあります。

なお、宗派やお寺によって出家の方法は違いがあるため、実際に出家を希望される場合には事前の確認が必要となります。

出家と周囲への影響

出家をするには、俗世間に別れを告げる必要があります。剃髪と言って、髪の毛を剃って坊主にし、戒律を受けます。戒律とは、仏教徒が守るべき決まりごと、規律であり、見習いの僧侶や小僧の場合だと十戒、正式な僧侶だと二百五十戒を守らなくてはなりません。

出家は、これまでの生活をすべて捨てることになるため、当然周囲に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、交際している恋人や婚姻関係にある人がいるのなら、別れを告げてから出家することになります。また、会社の代表が突然出家してしまうと、組織が立ち行かなくなる可能性もあります。重要な決断ができる人がいなくなり、会社自体の存続が危ぶまれる可能性も考えられるでしょう。何の手も打たずに突然出家するようなことがあれば、従業員にも給料が支払われず、取引先や顧客にも迷惑をかける可能性があります。

出家は意味を十分理解したうえで検討しよう

出家するということは、これまで自分が生きてきた世界を捨てるということです。もし、今現在出家を考えているのなら、それを十分に理解した上で検討してみる必要があります。周囲へ及ぼす影響も考慮して、理解を得る必要がありますが、もしかしたら、それが世俗に囚われているということなのかもしれませんね。

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