お別れ会・無宗教葬での献花の作法

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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献花とは、お葬式で参列者が祭壇に供える花のことを指します。キリスト教式のお葬式や、お別れ会、無宗教葬、さらに社葬などで主に行われます。仏式の焼香や神式の玉串法典と同じような意味合いとなる大切な献花。ここでは、いざというときに慌てないように、献花の作法とマナーについてお伝えします。

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お葬式での献花の意味

お葬式で参列者が祭壇や棺に供える花、または花を供える行為を献花(けんか)といいます。これには、故人を弔いお別れをするという意味合いがあります。親族や参列者が1人1本の花を順番にお悔やみの気持ちを込めて贈る儀式です。

献花は主に、キリスト教や無宗教のお葬式で行われている儀式です。仏式のお葬式や神葬祭(神道でのお葬式)では馴染みがない儀式ですが、仏式の葬儀では焼香、神式の葬儀では玉串奉奠(たまぐしほうてん)と同じ位置付けになります。

また、社葬やお別れ会などでも、献花が行われることが多いようです。さまざまな宗旨宗派の方の参列が予想される、ホテルなどの会場によっては焼香を禁止しているところもあるといったことへの配慮ともいえます。

献花で使用される花

一般的に参列者は葬儀場で準備されている花をお供えします。献花に使われる花で多いのは、白色のカーネーションと菊です。菊が献花として選ばれる理由には諸説あります。例えば、菊の花言葉が「格調高い」であるためという説などがあります。実用的な面では、カーネーションと菊は茎が丈夫で持ちやすい、花が比較的長くもつといった点もあるようです。

もちろん、白色のカーネーションと菊だけでなく、遺族の希望によっては、故人が好きだった花などで献花を行うこともあります。

お葬式での献花の流れ

献花は喪主から順に行います。それに続いて孫までの遺族、親族、その他の参列者、という順に関係性の近い人から1人ずつ順番に花を献花台へお供えしていきます。献花の手順は以下のとおりです。

1.お葬式の係員から花を受け取ります。右手は花の下に添えて、左手で茎の根元を上から優しく持つようにしましょう。胸の高さに合わせて花を持ちます。
2.遺族に一礼して祭壇へ進み、祭壇の前で一礼をします。
3.献花台の前で花を時計回りに回転させ、花を自分側、茎の根元を祭壇側に向けて献花台へお供えします。左手は花を受け取ったときの位置から、茎の中央辺りを下から支える位置に移動させます。
4.黙祷をしてから後ろへ下がり祭壇に一礼、僧侶や神父、遺族にも一礼します。
5.一連の所作を終えたら自分の席へ戻りましょう。

献花も焼香と似た流れで進行する、と考えるとわかりやすいでしょう。

正しい献花の花の向きは?

献花では花が自分の方向になるように向きを変えることが多いようですが、場合によっては自分の方に茎を、祭壇、故人の遺影に向けて花を手向けることもあります。

前者は献花した花が参列者の方を向いているため、数多くの花が並ぶことで祭壇がより美しくなります。

一方、後者は故人に美しい花を向けて喜んでもらうといった考え方があります。

いずれにしても、基本的には葬儀社スタッフの指示に従えば問題はありません。喪主や他の人の献花の所作に習いましょう。

献じるのは花だけではない?

近年のお別れ会では、花だけでなくより故人らしい物を献じることもあります。

例えば、野球が大好きだった故人のために、参列者ひとり一人が野球のボールを祭壇に献じたり、ご飯が大好きだったという故人のための稲穂を捧げたりといったお別れ会もあります。

故人が好きだったもの、喜んでくれるものといった視点で考えると、お別れ会の幅もますます広がりそうです。

まとめ

献花は仏式のお葬式での焼香、神式のお葬式での玉串法典と同じように、参列者ひとり一人が故人に花をお供えする、お別れの大切な場面です。しかしお別れ会など、お葬式と比べてより形式ばらない式で行われる場合、儀式ばって作法のことばかりを考えるより、故人と心の中で話す機会と考えた方が自然なかたちで献花できるでしょう。
また、自由度の高いお別れ会を希望される方は、いい葬儀でもご相談を承っています。お気軽にご連絡ください。

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