死亡後・亡くなった人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)取り寄せ手続き

小林憲行【記事監修】
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  • 戸籍謄本とは、戸籍に記載されている人全員の身分関係を証明する書類
  • 死亡後の戸籍謄本は、故人の最終的な本籍地にある役所で取得する
  • 戸籍謄本の交付手数料は1通450円で、おおむね全国一律の料金

戸籍謄本は、氏名や生年月日、父母との続柄などの身分関係を記録した戸籍を、原本のまま転写した書類。戸籍をデータ管理するようになってからは、戸籍全部事項証明書と呼ばれています。

家族が亡くなったあとの手続きには、戸籍謄本が必要になることが多いです。この記事では、戸籍謄本の種類や取得方法、費用などをまとめて解説します。

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戸籍謄本とは?戸籍内の身分関係を証明する書類

戸籍謄本とは、戸籍に記載されている人、全員の身分関係を証明する書類。本籍や氏名、生年月日、父母の氏名、出生・婚姻情報など、戸籍に関するすべての項目が戸籍原本から書き写されています。

なお、戸籍をデータ管理するようになってから、戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」に名称が変わりました。本記事では戸籍謄本で統一しますが、「戸籍謄本=戸籍全部事項証明書」だと覚えておきましょう。

代表的な戸籍謄本の種類

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は、前述したとおり、戸籍に入っている人全員の身分関係を証明する書類です。

戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)

戸籍抄本は、戸籍に記載されている一部の人の身分関係を証明する書類。戸籍謄本と同じく、データ管理されていて、「戸籍個人事項証明書」が正式な名称です。

除籍謄本(除籍全部事項証明書)

婚姻・死亡・転籍などで戸籍に記載されている人が全員いなくなると、戸籍は閉鎖されます。戸籍が閉鎖されたあと、身分関係の証明が必要になったときに取得するのが除籍謄本。除籍謄本は「除籍全部事項証明書」と呼ばれ、過去戸籍に入っていた人、全員の事項を記載しています。

除籍抄本(除籍個人事項証明書)

除籍抄本は、婚姻・死亡・転籍などで全員除籍になり、閉鎖された戸籍の一部の人の身分関係を証明する書類です。

改製原戸籍謄本

戸籍法の改正や戸籍のコンピュータ化によって、戸籍が新しい様式に変わることがあります。改製原戸籍は、戸籍が作り替えられる前の戸籍のこと。出生から死亡までの戸籍をそろえるとき、必要になる場合が多いです。

どんなときに戸籍謄本が必要?代表的な手続き

戸籍謄本を入手するには、故人の最終的な本籍地の役所で、一生分の戸籍謄本を揃えたいと伝えます。
  • 健康保険の埋葬料・葬祭料の申請
  • 遺族年金の申請
  • 相続税の申請
  • 不動産の相続登記
  • 銀行預金の名義変更
  • 自動車の所有権の名義変更

戸籍謄本が必要となる代表的な手続きは、こちら。

家族が亡くなった後、最初にするべきことは死亡届の提出です。死亡届は、故人の本籍地・届出人の住所地・死亡地、いずれかの役所へ死亡後7日以内に提出します。死亡届が受理されると、戸籍謄本に死亡の事項が反映されるため、それから死亡後のさまざまな手続きを行いましょう

相続手続きにおける戸籍謄本は、故人の法定代理人を証明するための書類。相続時は、故人の出生から死亡までの情報が必要です。本籍の移動があった場合、各地から一生分の戸籍謄本を一式取り寄せなければならないので、かなり大変といえます。

亡くなった人の戸籍謄本はどうやって取る?

戸籍謄本は、本籍地のある市区町村の役所で取得します。故人の最終的な本籍地の役所で、一生分の戸籍謄本を取りたいと伝えれば、揃えられる範囲の戸籍謄本を受け取れます。

故人が過去に本籍を移動している場合は、1か所だけでは一生分の戸籍謄本は揃いません。最終的な本籍地の役所に、次の戸籍をどこで取得すればよいか聞けば教えてくれます。故人の本籍をさかのぼり、一生分の戸籍謄本を揃えましょう

ただ、故人が引越しのたびに本籍を移していたり、結婚・離婚で遠くに移動したりしていると、戸籍謄本を一式揃えるのは大変です。遠方に移動するのが難しい、平日に役所に行く時間がない、取り寄せる手間がかかるなどの問題があるなら、専門家に依頼するのもおすすめ。費用はかかりますが、行政書士や司法書士など、専門家に依頼した方が簡単かつ確実です。

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亡くなった人の戸籍謄本を請求できるのは誰?

亡くなった人の戸籍謄本を請求できるのは、配偶者か直系の血族が原則。直系の血族とは、故人の祖父、祖母、父、母、子、孫です。

通常は、故人との関係性を証明するために、自分の戸籍謄本を取得してから故人の戸籍謄本を請求します。郵送で取り寄せる場合、取り寄せる人の謄本はコピーでも問題ありません。

直系の血族以外の方が戸籍謄本を請求するときは、直系血族の委任状を提出したり、使用する目的を伝えたりする必要があります。

亡くなった人の戸籍謄本の請求に必要なもの

窓口で申請する場合

  • 市区町村所定の戸籍交付申請書
  • 故人の配偶者・直系血族だとわかる戸籍謄本
  • 本人確認書類(免許証、マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 印鑑
  • (配偶者・直系血族以外)委任状

故人の戸籍謄本を窓口で請求するときに、必要な書類と持ち物はこちら。配偶者・直系血族以外が申請する場合、委任状と代理人の本人確認書類を忘れないようにしてください。

郵送で申請する場合

  • 市区町村所定の戸籍交付申請書
  • 故人の配偶者・直系血族だとわかる戸籍謄本のコピー
  • 本人確認書類(免許証、マイナンバーカード・パスポートなど)のコピー
  • 定額小為替
  • 返信用封筒(切手貼付)
  • (配偶者・直系血族以外)委任状

故人の戸籍謄本は、郵送でも取り寄せが可能です。郵送の場合、提出する戸籍謄本や本人確認書類はコピーで問題ありません。郵送で返信してもらうため、返信用封筒と定額小為替も同封します。

亡くなった人の戸籍謄本の請求にかかる費用

種類費用
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)1通450円
戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)1通450円
除籍謄本(除籍全部事項証明書)1通750円
除籍抄本(除籍個人事項証明書)1通750円
改製原戸籍謄本1通750円

戸籍謄本の請求にかかる費用は、おおむね全国一律です。以前は交付手数料を国が一律で定めていましたが、平成12年以降、各自治体の条例で定めることに変わりました。ただ以前の交付手数料から変更していない自治体がほとんどなので、ほぼ全国一律となっています。

念のため、戸籍にかかる費用を請求する自治体に問い合わせたり、ホームページを確認したりしておくとよいでしょう。

死亡後の戸籍謄本は何通必要?

故人の戸籍謄本を取得するなら、念のため2通取得しておくと安心です。

家族が死亡した後は、戸籍謄本を使ってさまざまな手続きを行います。銀行口座や土地、自動車の名義変更など、戸籍謄本の提出先は手続きによって違うことがほとんど。また、戸籍謄本を郵送したり法務局や銀行などに提出したりすると、返却まで2週間ほどかかります。

戸籍謄本は、使用した後に返してもらえるように申請すれば、最終的に戻ってきます。1通で間に合わせることは可能ですが、返却まで何週間も待ちながら、謄本を使いまわして手続きをするのは時間がかかるので難しいでしょう。戸籍謄本が2通あれば、複数の手続きを効率よく、スムーズに進められます

戸籍謄本の代わりになる?法定相続証明情報制度とは

戸籍謄本を郵送した場合は、原本の返却まで2週間ほどかかります。

平成29年5月29日に「法定相続証明情報制度」がはじまりました。

法定相続証明情報制度とは、法務局に指定の書類と相続関係を一覧にした「法定相続情報一覧図」を提出すると、一覧図の写しを5年間無料で交付してもらえる制度。交付される法定相続情報一覧図は、登記官から認証文を付されていて、戸籍謄本や除籍謄本などの代わりに利用できます。

法定相続情報一覧図があれば、相続や名義変更の手続きができるので、戸除籍謄本を何通も取り寄せる必要がありません。戸籍収集の負担が減って、死後の手続きをより簡単に行えます。

参考:「法定相続情報証明制度」について

法定相続情報証明制度の手続き方法

STEP1:必要書類の収集

STEP2:法定相続情報一覧図の作成

STEP3:申出書の記入・登記所へ申出

法定相続情報証明制度の具体的な手続きは、こちらの3STEPで完了します。法務局の「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」に詳細が記載されているので、あわせて確認してください。

STEP1:必要書類の収集

  • 亡くなられた方の戸除籍謄本(出生から死亡まで)
  • 亡くなられた方の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄抄本(故人の死亡日以後の証明日)
  • 申出人の本人確認書類(免許証、マイナンバーカード・住民票の写しなど)

法定相続情報証明制度を利用できるのは、故人の相続人です。

手続きにあたって、まずは必要な書類を収集します。必ず用意する書類は上記4点ですが、その他、状況によって必要になる書類があるので、注意してください。

STEP2:法定相続情報一覧図の作成

故人と相続人を一覧にした図、法定相続情報一覧図を作成します。法務局の「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」に家族構成に応じた様式と記載例があるので、利用しましょう。

STEP3:申出書の記入・登記所へ申出

法務局の「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」にある申出書に記入し、STEP1で用意した書類一式と、STEP2で用意した法定相続情報一覧図とあわせて登記所へ申出します。

申出する登記所は、下記4か所から選択可能です。

  • 故人の死亡時の本籍地
  • 故人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 故人名義の不動産の所在地

戸籍謄本から家系図を作成するには?

戸籍謄本をひとつずつ入手することで家系図を作成することができます

家系のルーツを調べるには、戸籍をひとつずつ遡って取り寄せるのが確実です。戸籍は何らかの理由で抹消されていない限り、「本籍地」を管轄する自治体の役所に保存されています。本籍地をたどって、戸籍謄本をひとつずつ入手することで、家系図を作成することが可能です。

また、2010年の戸籍法施行規則の改正によって、除籍謄本の保存期間が、80年間から150年間へと延長されました。さらに、戸籍の廃棄は各自治体に判断を任されていたため、2010年以前に80年の保存年限を過ぎていても、廃棄処分されていない戸籍があるようです。

保存期間より古い戸籍でも、さかのぼって家系を調査できる可能性があるので、本籍地の役所に戸籍交付請求してみるのがおすすめ。役所によっては、交付に応じてもらえるかもしれません。

本籍地がわからないときは住民票で確認

本籍地がわからない場合は、現在住んでいる役所へ出向いて、本籍地の記載がある自分の住民票を発行してもらいましょう。住民票の発行は、自治体によって1通200円〜500円の料金がかかりますが、これにより自分の本籍地を確認できます。

戸籍には必ず「なぜその戸籍ができたか(婚姻・分籍など)」「この戸籍に入る前は、どの戸籍(本籍地)にいたか」という情報が記載されています。

その情報を頼りにひとつずつ戸籍謄本等を取得し、遡って確認していくことで、現存する最古の戸籍まで、自分のルーツを探ることができるというわけです。

戸籍謄本の取得や手続きは「いい相続」へ

戸籍謄本は、死後の相続手続きに欠かせない重要な書類です。
ただ、故人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めるのは、労力も時間もかかります。ご自身で戸籍謄本を集めるのが難しい場合は、専門家に依頼するのがおすすめです。

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