仏教と花の深い結びつきについて

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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仏教と花には、どのようなつながりがあるのでしょうか。私たちは、お墓参りで何気なく花を供えていますが、実は、花を供えるという習慣には、仏教的な意味があるのです。
また、仏様の座る蓮華座、「南無妙法蓮華経」という言葉に表されるように、蓮の花と仏教の教えには密接な関係があります。
そこで今回は、花を供える仏教的な意味や、仏教と蓮の花などについてまとめました。

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仏教と花の関係性とは

仏教と花には、密接な関係があります。私たちが何気なく行っている、仏壇やお墓に花を供えるという行為も、実は仏教的な意味合いがあるのです。
花は、厳しい自然の中で耐え抜き、美しく咲き続けます。その花の姿が、厳しい修行に耐え悟りを開く、仏教の教えと重なるとされているようです。そのような考え方からお供えする花を仏花と呼び、仏壇やお墓などに花を供えるようになったといわれています。
また、残された人が死者の冥福を祈り、弔うためでもあります。仏教の儀式で用いる仏具の三具足では、花を供えるための花立ても入っており、仏教での花の重要度の高さが伺えます。

仏教と蓮の花

仏教では蓮の花は仏様が座る蓮華座など、至る所で用いられており、重要な意味を持っています。

蓮の花は、田んぼや沼などの濁った泥水で咲きますが、泥の中から育ち、美しく咲く様子が仏教のあり方に通じるとして、仏教の重要な象徴となっています。
つまり、泥を人間の煩悩や苦しみに見立て、どのような苦難が人生の中にあっても、心を汚れさせることなく美しく生きましょう、という仏教の教えが蓮華には込められているのでしょう。
また、泥水に浮かんで咲いている蓮の花は、仏教の「苦しみや悲しみを経験しなければ悟りを開くことはできない」とする教えも表現されているといわれています。以上のことから、蓮の花は、仏教にとって非常に意味が深い花であることがわかります。

蓮の花に例えた蓮華の五徳とは

蓮華の五徳とは、仏教での心のあり方を、蓮の花の五つの特徴に例えて説明しています。

一つ目の「淤泥不染の徳」は、泥に染まらないきれいな花を咲かせること。
二つ目の「一茎一花の徳」は、一つの茎に一つの花が咲くこと。
三つ目の「花果同時の徳」は、花が咲いたら実も同時につくこと。
四つ目の「一花多果の徳」は、一つの花に実がたくさんついていること。
五つ目の「中虚外直の徳」は、中が空洞で真っ直ぐに伸び、ぐねぐね曲がっていない蓮の花の茎のこと。

仏教の教えでは、これらが正しい心のあり方とされています。

なぜ神社には桜が多いのか

日本では、春になると神社の桜が満開になりますが、なぜ、神社には桜が多いのでしょうか。
桜は、蓮の花のように宗教的な意味はないようですが、天皇家と関係があるといわれています。

代々、天皇家は菊を愛で、御印章に菊の花を用いていました。しかし、同じように桜も好まれたといわれています。古くは、天皇が初めて花見を主催したり、何千もの花を植えたりしたため、神社に桜が多いと伝えられているようです。また、天皇家と縁の深い神社庁が桜を率先して植えていったともいわれています。

仏花として供えられる花の種類

私たちの身近で、仏教に関わりがある花といえば、お墓や仏壇に供える仏花が挙げられます。
仏花として供えるときは、菊の花が用いられることが多いです。その理由は、長持ちして枯れづらいこと、品種改良により種類が多いこと、邪気を払うとされることが挙げられます。また、菊の花が長持ちするのは、日本に古くからあり気候にも合っているから、ともいわれています。
その他、菊以外でも、基本的には長持ちする花が選ばれます。例えば、カーネーション、アイリス、スターチス、スプレーマムなども仏花で用いられます。

仏花に適さない花の特徴

仏花は、この花でなくてはならないと決まっているものはありませんが、それでも、避けたほうがよいといわれる花もあります。
一般的に知られているものは、「トゲがある、毒を持つ、香りが強い」のいずれかの特徴に当てはまる花で、これらは、供えるには不適切だと考えられています。
例を挙げると、バラ、アザミ、彼岸花などが当てはまります。

また、ユリも適さないとされています。理由は、花粉が飛び、墓のシミになったり、服につくと汚れたりするからです。
他には、ツル状の花も「自立ができない」という意味合いから、避けるべきとされています。

しかし、最近では、故人の意思をくみ取って生前好きだった花を供えるなど、それぞれが、自由に供養することも多いようです。冥福を祈る気持ちがあれば、仏花として供える花に特に決まりはないといえるでしょう。

まとめ

以上、仏教と花の深い結びつきについてまとめてみました。

特に、蓮の花は、仏教の教えと深く結びついています。その泥水に浮いて美しく咲く様子は、仏教の教えに通ずると考えられているからです。また、日本の習慣である、仏壇やお墓参りで花を供えるということも、同じように仏教の考え方に通じています。
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