坐禅と座禅の違い

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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坐禅とは、禅の修行の一種です。「坐禅」と表記されたり「座禅」と表記されたりすることがあります。今回は、まずそんな坐禅の基礎知識と、表記の違いについて解説します。また、坐禅に興味がある方向けに、やり方や、本格的にお寺で体験できるおすすめの坐禅会についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。(なお、本記事では「坐禅」という表記でご説明しています)

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坐禅とは

坐禅とは、禅宗の修行法です。坐禅の禅は瞑想を意味し、座って行う禅という意味で坐禅と表現されます。坐禅を行う禅宗の起源はインドで、日本には鎌倉初期に中国から伝わってきました。

一般的に坐禅を組むときは座布団にあぐらをかき、姿勢を正した状態で行われます。宗派によってあぐらをかく身体の向きが異なり、臨済宗と黄壁宗は壁を背中にし、曹洞宗では壁に向かってかくのが一般的です。

坐禅を行う際に重視される点も宗派によって異なります臨済宗は「公案」によって教えを受け継ぐ「看話禅」を、曹洞宗では無心に坐禅をすることを重視し、黄壁宗は念仏を唱えながら行います。

坐禅と座禅の違い

坐も座も「座る」には違いありませんが、坐は座る動作そのものを指します。一方、座は座る場所を表しています。「ざ禅」においては行為が重要であることを考えた場合、坐禅と表記する方がふさわしいといわれています。また、坐と座の違いを見ると、座には屋根を表す「广(まだれ)」があります。その昔、お釈迦さまは屋根がないところで坐禅をしていたという言い伝えから、「坐禅」がふさわしいとする説もあります。では、なぜ「座禅」と書くようになったのかというと、「坐」という漢字が常用漢字ではないことから、いつの間にか座禅という表現をすることが増えたようです。

坐禅のやり方

では初めて坐禅を組む方のために作法を踏まえた、一般的なやり方をご紹介します。実際に坐禅を組む際にはお寺の坐禅会に参加するなど、きちんと指導できる人に教えてもらいながら行うことをおすすめします。

まず手の合わせ方には、お辞儀する際のポーズである合掌と、歩行時、立位の際にする叉手(しゃしゅ)という2つの型があります。

合掌では、左右の指をそろえて手のひらをしっかりと合わせ、指先を鼻の高さにくるようにします。合掌した手は鼻から10センチ程度離し、肘を軽くはったら肩の力は抜きましょう。合掌は相手に尊敬の念を示す意味合いがあります。

一方、叉手をする際は、左手親指を手のひら側に折り込み、軽く胸にあてます。そして、外側に向けた左手の甲を、右手のひら全体で覆います。

※どちらの手が外側に来るかは宗派によって異なります。

1.入堂

左足から踏み入れお堂の左側から手をあわせて一礼をして入ります。この礼を合掌低頭と呼び、脇を大きく開いた状態で手を合わせます。

その後、叉手に変え「単」と呼ばれる各人が坐禅をする場所に移動し、自分の単の位置に来たら左右の方に、最後に右回りで正面にも合掌低頭した後、座布団に座ります。

2.足を組む

足の組み方は両足とも組む「結跏趺坐」片足だけ組む「半跏趺坐」がありますが、どちらでも構いません。「結跏趺坐」では右足を左の股関節に、左足を右の股関節にのせ、「半跏趺坐」では右足を左の股関節の下に深く入れて、左足は右足の股関節の上に深めにのせます。

身体を最初は大きく徐々に小さく揺らすことで、リラックスさせましょう。

3.手を組む

右手と左手の指を重ね卵を作るような形にし、左右の親指が軽く触れるように組みます。右手を左足におき、上に左手を自然と合わせ、法界定印と呼ばれる形を作りましょう。合わせた手は下腹部に楽におき、腕と胸の間を離し肩の力を抜きます。

4.姿勢のチェック

顎は軽く引いた状態で、背筋を伸ばし、天井から引っ張られているイメージで肩の力を軽く抜きましょう。舌を上顎の付け根部分につけて、空気の通り道を作ります。目線は斜め45度で1メートルほど先におとし、自然に開いた「半目」を保ちましょう。

鼻から息を吸って深呼吸をしたら坐禅のスタートです。肩を叩いてもらう警策を受ける際は、右肩を叩いてもらい、合掌低頭をします。

1回の時間は約30~40分、1本のお線香が焼け終わる時間とされています。

お寺での坐禅会

最後にお寺で受けられる坐禅会をいくつかご紹介します。今回ご紹介する以外にも多くのお寺で坐禅会は行っています。お近くのお寺などで確認してみましょう。

円覚寺(神奈川県鎌倉市)

夏目漱石などが参禅したことでも有名です。毎週土曜日に行われており、予約不要、料金も不要です。

是照院(東京都文京区)

江戸時代創建のお寺で毎週土曜日に行われ、前日までにメール申し込みが必要です。料金は初回のみ500円です。

毘沙門堂 勝林寺(京都市東山区)

1人でも参加できる予約体験会が日々開催されています。ご志納料として1,000円必要です。

まとめ

今回は、坐禅とは何かという基本的なことから、坐禅と座禅の違い、坐禅のやり方、そしてお寺で受けられるおすすめの坐禅会をご紹介しました。坐禅は「ただあぐらをかいて動かないこと」ではなく、意味や作法があることを理解していただけたのではないでしょうか。

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